長野県安曇野市豊科5685番地

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外科研修カリキュラム(一般外科)

外科研修カリキュラム(一般外科) 安曇野赤十字病院外科

 

Ⅰ. 研修スケジュール

1.研修スケジュール表

1ヶ月目 2ヶ月目 3ヶ月目
1.基本手技の経験
注射、採血、導尿、胃管挿入、ドレーン・チューブ
の管理、局所麻酔、創部消毒、軽度の外傷・熱傷の処置
2.術前検査の経験
内視鏡検査、消化管造影、超音波検査、血管造影  
3.手術経験(助手)
一般・消化器外科中心
4.術後管理の経験
輸液管理の習得が中心
1.基本的手技の経験
2.術前検査の経験
内視鏡検査、消化管造影、超音波検査、血管造影
3.手術経験 (助手)
一般・消化器外科中心 ヘルニア・虫垂炎・痔核症例の受持ち
4.術後管理の経験
輸液管理の習得が中心 集中治療の経験
1.基本的手技の経験
2.術前検査の経験
内視鏡検査、消化管造影、超音波検査、血管造影
3.手術経験
胃癌・大腸癌・胆石症の受持ち(助手)
ヘルニア・虫垂炎の手術担当
4.術後管理の経験
輸液管理の習得が中心 集中治療と合併症の管理

 

2.週間スケジュール

 
午前 内視鏡検査
病棟回診
外来創傷処置
消化管造影
病棟処置
内視鏡検査
病棟回診
外来創傷処置
手 術
外来創傷処置
病棟処置
消化管造影
午後 手 術
カンファレンス
手 術 内視鏡検査 手 術 手 術

 

Ⅱ. 研修目標

1.一般目標

将来の専門性にかかわらず外科領域のプライマリーケアを実践できる医師を養成する。

(1)基本的外科手技を習得する。

(2)日常診療で頻繁に遭遇する外科的な疾病や病態に対し、基本的な知識を習得する。

 

2.行動目標

A.外科研修において特に経験すべき診察法・検査・手技

(1)外科診察法:病態の正確な把握ができる。

1)全身の観察(バイタルサインと精神状態の把握、皮膚などの状態の観察)ができ、的確に記載できる。

2)頭頸部の診察(眼瞼結膜・口腔の観察、甲状腺やリンパ節の触診など)ができ、記載できる。

3)胸部の診察(視診、聴・打診、触診)ができ、記載できる。

4)腹部の診察(視診、聴・打診、触診)ができ、記載できる。

5)骨盤内診察(触診、直腸指診)ができ、記載できる。

 

(2)基本的検査・手技:外科診療に必要な検査・処置・麻酔手技に習熟する。

1)自ら施行できる検査・手技等

(a) 超音波検査(頚部・胸壁・腹部疾患)の実施:病態を診断できる。

(b) 採血(静脈血・動脈血)の実施

(c) 注射(皮内・皮下・筋肉・点滴、静脈確保)の実施

(d) 導尿の実施

(e) 胃管の挿入と管理

(f) 圧迫止血と包帯法の習得

(g) 気道確保、人工呼吸(アンビューバッグによる徒手換気)

(h) 心マッサージの実施

(i) 胸腔・腹腔穿刺の実施

(j) ドレーン・チューブ類の管理

(k) 創部消毒とガーゼ交換の実施

(l) 簡単な切開・排膿の実施

(m) 皮膚縫合の実施

(n) 軽度の外傷・熱傷の処置

(o) 局所麻酔の実施

(p) 消化器外科を中心とした一定レベルの手術の助手をつとめる

(q) 救急外来での一般外科的処置の経験

 

2)結果を解釈できる検査・手技等

(a) X線単純撮影検査、CT,MRIの読影

(b) 内視鏡検査:上部・下部消化管内視鏡検査の助手として参加

(c) 消化管造影:助手として参加

(d) 術中胆道造影:助手として参加

(e) 腹部血管造影(TAEを含む):助手として参加

(f) 経皮経肝胆管ドレナージ:助手として参加

(g) 基本モニターの操作

(h) 人工呼吸器の操作

(i) IVHの実施と管理

(j) 周術期の管理 1 :輸液管理、抗生物質、輸血方法の習熟

(k) 周術期の管理 2 :術後疼痛管理、合併症管理

(l) 抗がん剤治療の経験

(m) 緩和ケア(癌末期例)の経験

 

B.経験すべき症状・病態・疾患

(1)外科研修で頻度の高い症状

腹痛、嘔気・嘔吐、便通異常(便秘・下痢)、嚥下困難、胸やけ、食欲不振、 体重減少、浮腫、リンパ節腫脹、黄疸、発熱、咳、痰、動悸、呼吸困難

 

(2)緊急を要する症状・病態

心肺停止、ショック、急性腹症、急性消化管出血、急性感染症、外傷、熱傷

 

(3)外科研修で経験が求められる疾患・病態

1)消化器系疾患

(a) 食道・胃・十二指腸疾患(食道静脈瘤、胃癌、消化性潰瘍)

(b) 小腸・大腸疾患(イレウス、急性虫垂炎、痔核、痔瘻、大腸憩室炎、大腸・直腸癌)

(c) 胆嚢・胆管疾患(胆石、胆嚢炎、胆管炎、胆嚢癌、胆管癌)

(d) 肝疾患(原発性肝癌、転移性肝癌

(e) 腹膜炎、急性腹症、ヘルニア

 

2)呼吸器系疾患

(a) 肺炎(術後、誤嚥性)

(b) 自然気胸

(c) 肺癌

 

3)循環器系疾患

(a) 静脈疾患(下肢静脈瘤、深部静脈血栓症)

 

4)甲状腺腫瘍・乳腺腫瘍等

 

C.外科研修項目の経験優先順位

経験優先順位第一位:腹膜炎、急性腹症、ヘルニア

経験優先順位第二位:イレウス、急性虫垂炎、痔核

経験優先順位第三位:胆石症、胆嚢炎、胆管炎

 

Ⅲ.指導体制

7年以上の外科臨床経験を有する日本外科学会認定医あるいは各専門学会の専門医