卒後臨床研修プログラム及び臨床研修病院年次報告 | 長野県安曇野市 安曇野赤十字病院

長野県安曇野市豊科5685番地

卒後臨床研修プログラム及び臨床研修病院年次報告

安曇野赤十字病院卒後臨床研修プログラム(2025年度)

基幹型臨床研修病院 安曇野赤十字病院(病院施設番号:030950)
安曇野赤十字病院群卒後臨床研修プログラム(プログラム番号:030950205)

協力型臨床研修病院
・信州大学医学部附属病院
・社会医療法人城西医療財団 城西病院
・市立大町総合病院

・長野県立こども病院

研修協力施設
・医療法人仁雄会 穂高病院

<目次>

  • 研修プログラムの特色
  • 臨床研修の目標
  • プログラム責任者
  • 研修スケジュール
  • 研修医の指導体制
  • 研修医の募集定員、募集方法、採用の方法
  • 研修医の処遇
  • 研修カリキュラム

① 研修プログラムの特色

○ 当院は、信州大学の関連病院として、長野県内統一研修プログラムに沿ったカリキュラムを策定しています。 当院は、松本市(信州大学)から約15kmの地、間近に北アルプスの山並みを仰ぐ安曇野のほぼ中央に位置しており、自然環境と交通の便に恵まれた中で臨床研修ができます。

○ 当院の救急車応需件数は年間約29,000件で、その数は松本広域医療圏内二番目の二次救急病院です。また、安曇野市で唯一の公的医療機関として地域の基幹病院の機能を担っている病床数316床(実働277床)の急性期型病院であり、その守備範囲は安曇野市全域、北安曇郡南部、東筑摩郡北部の1市2郡にまたがり、対象人口は10万人余りです。年間救急患者数は、一次対応患者を含めると約9,000人余りを数えています。このため、救急疾患(脳血管系疾患、骨折・胸部外傷・腹部外傷・熱傷・凍傷等の山岳遭難を含めた各種損傷、急性心筋梗塞・不安定狭心症等の循環器系疾患、呼吸器疾患、腹部救急等)の疾病ならびに重症度は多岐にわたり、当院は、救急医療の研修の場としても相応しい医療機関です。

○ 当院は、各診療科間の横の連携をとくに大切にしているので、内科系、外科系それぞれにおいて、効率的に研修を積むことが可能なプログラムも検討しています。最新の「医師臨床研修指導ガイドライン」に沿って、日常の診療はもとより、様々な企画により、効率的かつ多用な研修を行っております。

○ 病院ならびに委員会主催の各種研修会・講演会・大会(医療安全管理大会・クリニカルパス大会)等も盛んで、また、安曇野市医師会との共催で「安曇野病診連携懇話会」も開かれ、地域医療機関との緊密な連携を保っています。これらに参加することは、研修医が医療人としての基本姿勢・資質を培う上でも有効と思われます。

学 会 認 定 施 設

日本内科学会認定教育関連病院、日本循環器学会循環器専門医研修施設、日本消化器内視鏡学会認定指導施設、日本神経学会認定准教育施設、日本外科学会認定修練施設、日本消化器外科学会認定専門医修練施設、日本消化器病学会認定施設、日本整形外科学会認定研修施設、日本救急医学会専門医指定施設、日本麻酔科学会認定病院、日本泌尿器科学会専門医基幹教育施設、日本がん治療認定医機構認定研修施設、日本肝臓学会肝臓専門医関連施設、日本透析学会専門医制度認定施設、日本不整脈学会・日本心電学会認定研修施設

 

② 臨床研修の目標

医師は、病める人の尊厳を守り、医療の提供と公衆衛生の向上に寄与する職業の重大性を深く認識し、医師としての基本的価値観(プロフェッショナリズム)及び医師としての使命の遂行に必要な資質・能力を身に付けなくてはならない。医師としての基盤形成の段階にある研修医は、基本的価値観を自らのものとし、基本的診療業務ができるレベルの資質・能力を修得する。

医師としての基本的価値観(プロフェッショナリズム)
1.社会的使命と公衆衛生への寄与  

社会的使命を自覚し、説明責任を果たしつつ、限りある資源や社会の変遷に配慮した公正な医療の提供及び公衆衛生の向上に努める。

2.利他的な態度 

患者の苦痛や不安の軽減と福利の向上を最優先し、患者の価値観や自己決定権を尊重する。

3.人間性の尊重  

患者や家族の多様な価値観、感情、知識に配慮し、尊敬の念と思いやりの心を持って接する。

4.自らを高める姿勢

自らの言動及び医療の内容を省察し、常に資質・能力の向上に努める。

資質・能力
1.医学・医療における倫理性
診療、研究、教育に関する倫理的な問題を認識し、適切に行動する。
① 人間の尊厳を守り、生命の不可侵性を尊重する。
② 患者のプライバシーに配慮し、守秘義務を果たす。
③ 倫理的ジレンマを認識し、相互尊重に基づき対応する。
④ 利益相反を認識し、管理方針に準拠して対応する。
⑤ 診療、研究、教育の透明性を確保し、不法行為の防止に努める。

2.医学知識と問題対応能力
最新の医学及び医療に関する知識を獲得し、自らが直面する診療上の問題について、科学的根拠に経験を加味して解決を図る。
① 頻度の高い症候について、適切な臨床推論のプロセスを経て、鑑別診断と初期対応を行う。
② 患者情報を収集し、最新の医学的知見に基づいて、患者の意向や生活の質に配慮した臨床判断を行う。
③ 保健・医療・福祉の各側面に配慮した診療計画を立案し、実行する。

3.診療技能と患者ケア
臨床技能を磨き、患者の苦痛や不安、考え・意向に配慮した診療を行う。
① 患者の健康状態に関する情報を、心理・社会的側面を含めて、効果的かつ安全に収集する。
② 患者の状態に合わせた、最適な治療を安全に実施する。
③ 診療内容とその根拠に関する医療記録や文書を、適切かつ遅滞なく作成する。

4.コミュニケーション能力
患者の心理・社会的背景を踏まえて、患者や家族と良好な関係性を築く。
① 適切な言葉遣い、礼儀正しい態度、身だしなみで患者や家族に接する。
② 患者や家族にとって必要な情報を整理し、分かりやすい言葉で説明して、患者の主体的な意思決定を支援する。
③ 患者や家族のニーズを身体・心理・社会的側面から把握する。

5.チーム医療の実践
医療従事者をはじめ、患者や家族に関わる全ての人々の役割を理解し、連携を図る。
① 医療を提供する組織やチームの目的、チームの各構成員の役割を理解する。
② チームの各構成員と情報を共有し、連携を図る。

6.医療の質と安全管理
患者にとって良質かつ安全な医療を提供し、医療従事者の安全性にも配慮する。
① 医療の質と患者安全の重要性を理解し、それらの評価・改善に努める。
② 日常業務の一環として、報告・連絡・相談を実践する。
③ 医療事故等の予防と事後の対応を行う。
④ 医療従事者の健康管理(予防接種や針刺し事故への対応を含む。)を理解し、自らの健康管理に努める。

7.社会における医療の実践
医療の持つ社会的側面の重要性を踏まえ、各種医療制度・システムを理解し、地域社会と国際社会に貢献する。
① 保健医療に関する法規・制度の目的と仕組みを理解する。
② 医療費の患者負担に配慮しつつ、健康保険、公費負担医療を適切に活用する。
③ 地域の健康問題やニーズを把握し、必要な対策を提案する。
④ 予防医療・保健・健康増進に努める。
⑤ 地域包括ケアシステムを理解し、その推進に貢献する。
⑥ 災害や感染症パンデミックなどの非日常的な医療需要に備える。

8.科学的探究
医学及び医療における科学的アプローチを理解し、学術活動を通じて、医学及び医療の発展に寄与する。
① 医療上の疑問点を研究課題に変換する。
② 科学的研究方法を理解し、活用する。
③ 臨床研究や治験の意義を理解し、協力する。

9.生涯にわたって共に学ぶ姿勢
医療の質の向上のために省察し、他の医師・医療者と共に研鑽しながら、後進の育成にも携わり、生涯にわたって自律的に学び続ける。
① 急速に変化・発展する医学知識・技術の吸収に努める。
② 同僚、後輩、医師以外の医療職と互いに教え、学びあう。
③ 国内外の政策や医学及び医療の最新動向(薬剤耐性菌やゲノム医療を含む。)を把握する。

 C.基本的診療業務

コンサルテーションや医療連携が可能な状況下で、以下の各領域において、単独で診療ができる。

1.一般外来診療 

頻度の高い症候・病態について、適切な臨床推論プロセスを経て診断・治療を行い、主 な慢性疾患については継続診療ができる。

2.病棟診療 

急性期の患者を含む入院患者について、入院診療計画を作成し、患者の一般的・全身的な診療とケアを行い、地域連携に配慮した退院調整ができる。

3.初期救急対応 

緊急性の高い病態を有する患者の状態や緊急度を速やかに把握・診断し、必要時には応急処置や院内外の専門部門と連携ができる。

4.地域医療 

地域医療の特性及び地域包括ケアの概念と枠組みを理解し、医療・介護・保健福祉に関わる種々の施設や組織と連携できる。

③ 実務研修の方略

研修期間

研修期間は原則として2年間以上とする。
協力型臨床研修病院又は臨床研修協力施設と共同して臨床研修を行う場合にあっては、原則として、1年以上は基幹型臨床研修病院で研修を行う。なお、地域医療等における研修期間を、12週を上限として、基幹型臨床研修病院で研修を行ったものとみなすことができる。

臨床研修を行う分野・診療科

内科、外科、小児科、産婦人科、精神科、救急、地域医療を必修分野とする。また、一般外来での研修を含めること。 
②原則として、内科24週以上、救急12週以上、外科、小児科、産婦人科、精神科及び地域医療それぞれ4週以上の研修を行う。なお、外科、小児科、産婦人科、精神科及び地域医療については、8週以上の研修を行うことが望ましい。 
原則として、各分野は一定のまとまった期間に研修(ブロック研修)を行うことを基本とする。ただし、救急については、4週以上のまとまった期間に研修を行った上で、週1回の研修を通年で実施するなど特定の期間一定の頻度により行う研修(並行研修)を行うことも可能である。なお、特定の必修分野を研修中に、救急の並行研修を行う場合、その日数は当該特定の必修分野の研修期間に含めないこととする。 
④内科については、入院患者の一般的・全身的な診療とケア、及び一般診療で頻繁に関わる症候や内科的疾患に対応するために、幅広い内科的疾患に対する診療を行う病棟研修を含むこと。 
⑤外科については、一般診療において頻繁に関わる外科的疾患への対応、基本的な外科手技の習得、周術期の全身管理などに対応するために、幅広い外科的疾患に対する診療を行う病棟研修を含むこと。 
⑥小児科については、小児の心理・社会的側面に配慮しつつ、新生児期から思春期までの各発達段階に応じた総合的な診療を行うために、幅広い小児科疾患に対する診療を行う病棟研修を含むこと。 
⑦産婦人科については、妊娠・出産、産科疾患や婦人科疾患、思春期や更年期における医学的対応などを含む一般診療において頻繁に遭遇する女性の健康問題への対応等を習得するために、幅広い産婦人科領域に対する診療を行う病棟研修を含むこと。 
⑧精神科については、精神保健・医療を必要とする患者とその家族に対して、全人的に対応するために、精神科専門外来又は精神科リエゾンチームでの研修を含むこと。なお、急性期入院患者の診療を行うことが望ましい。 
救急については、頻度の高い症候と疾患、緊急性の高い病態に対する初期救急対応の研修を含むこと。また、麻酔科における研修期間を、4週を上限として、救急の研修期間とすることができる。麻酔科を研修する場合には、気管挿管を含む気道管理及び呼吸管理、急性期の輸液・輸血療法、並びに血行動態管理法についての研修を含むこと。 
⑩一般外来での研修については、ブロック研修又は並行研修により、4週以上の研修を行うこと。なお、受入状況に配慮しつつ、8週以上の研修を行うことが望ましい。また、症候・病態について適切な臨床推論プロセスを経て解決に導き、頻度の高い慢性疾患の継続診療を行うために、特定の症候や疾病に偏ることなく、原則として初診患者の診療及び慢性疾患患者の継続診療を含む研修を行うこと。例えば、総合診療、一般内科、一般外科、小児科、地域医療等における研修が想定され、特定の症候や疾病のみを診察する専門外来や、慢性疾患患者の継続診療を行わない救急外来、予防接種や健診・検診などの特定の診療のみを目的とした外来は含まれない。一般外来研修においては、他の必修分野等との同時研修を行うことも可能である。 
地域医療については、原則として、2年次に行うこと。また、へき地・離島の医療機関、許可病床数が200床未満の病院又は診療所を適宜選択して研修を行うこと。さらに研修内容としては以下に留意すること。 
1)一般外来での研修と在宅医療の研修を含めること。ただし、地域医療以外で在宅医療の研修を行う場合に限り、必ずしも在宅医療の研修を行う必要はない。 
2)病棟研修を行う場合は慢性期・回復期病棟での研修を含めること。 
3)医療・介護・保健・福祉に係わる種々の施設や組織との連携を含む、地域包括ケアの実際について学ぶ機会を十分に含めること。 
⑫選択研修として、保健・医療行政の研修を行う場合、研修施設としては、保健所、介護老人保健施設、社会福祉施設、赤十字社血液センター、検診・健診の実施施設、国際機関、行政機関、矯正施設、産業保健等が考えられる。 
⑬全研修期間を通じて、感染対策(院内感染や性感染症等)、予防医療(予防接種等)、虐待への対応、社会復帰支援、緩和ケア、アドバンス・ケア・プランニング(ACP)、臨床病理検討会(CPC)等、基本的な診療において必要な分野・領域等に関する研修を含むこと。また、診療領域・職種横断的なチーム(感染制御、緩和ケア、栄養サポート、認知症ケア、退院支援等)の活動に参加することや、児童・思春期精神科領域(発達障害等)、薬剤耐性菌、ゲノム医療等、社会的要請の強い分野・領域等に関する研修を含むことが望ましい。 

経験すべき症候~29症候~

外来又は病棟において、下記の症候を呈する患者について、病歴、身体所見、簡単な検査所見に  基づく臨床推論と、病態を考慮した初期対応を行う。
ショック、体重減少・るい痩、発疹、黄疸、発熱、もの忘れ、頭痛、めまい、意識障害・失神、  けいれん発作、視力障害、胸痛、心停止、呼吸困難、吐血・喀血、下血・血便、嘔気・嘔吐、腹痛、便通異常(下痢・便秘)、熱傷・外傷、腰・背部痛、関節痛、運動麻痺・筋力低下、排尿障害(尿失禁・排尿困難)、興奮・せん妄、抑うつ、成長・発達の障害、妊娠・出産、終末期の症候(29症候)

経験すべき疾病・病態~26疾病・病態~

外来又は病棟において、下記の疾病・病態を有する患者の診療にあたる。
脳血管障害、認知症、急性冠症候群、心不全、大動脈瘤、高血圧、肺癌、肺炎、急性上気道炎、気管支喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、急性胃腸炎、胃癌、消化性潰瘍、肝炎・肝硬変、胆石症、大腸癌、腎盂腎炎、尿路結石、腎不全、高エネルギー外傷・骨折、糖尿病、脂質異常症、うつ病、統合失調症、依存症(ニコチン・アルコール・薬物・病的賭博)(26疾病・病態)
 

 ※経験すべき症候及び経験すべき疾病・病態の研修を行ったことの確認は、日常業務において作成する病歴要約に基づくこととし、病歴、身体所見、検査所見、アセスメント、プラン(診断、治療、教育)、考察等を含むこと。

その他(経験すべき診察法・検査・手技等)

基本的診療能力を身につけるためには、患者の診察に直接携わることにより、医療面接と身体診察の方法、必要な臨床検査や治療の決定方法、検査目的あるいは治療目的で行われる臨床手技(緊急処置を含む)等を経験し、各疾病・病態について、最新の標準治療の提供にチームの一員として貢献する経験が必要である。また、未熟な研修医が気管挿管や静脈路確保等、患者に対して侵襲的な手技を行うことには倫理的にも安全管理上も問題が多いため、現場で実施する前にシミュレータ等を活用して十分に修練を積むことが望ましい。

①医療面談(緊急処置が必要な場合の瞬時の判断、信頼関係の樹立、患者への情報伝達や健康行動の説明等の複数の目的があり、最も重要な情報が得られるプロセスであることへの理解とコミュニケーションのあり方を追求する心構えと週間を身につける)

②身体診察(病歴情報に基づいた適切な診察手技(視診、触診、打診、聴診等)を用いた全身・局所の診察、乳房、泌尿・生殖器の診察時の女性看護師の立会等の配慮等を身につける)

③臨床推論(病歴と身体所見に基づき、行うべき検査や治療を決定する。身体的負担、緊急度、医療機器の整備状況、患者の意向屋費用等、多くの要因に配慮し、インフォームドコンセントを行う手順を身につける。またKiller diseaseを確実に診断できるよう指導を受ける)

④臨床手技

大学での医学教育モデルコアカリキュラムの達成度に応じて研修の進め方に個別に配慮しつつ以下の臨床手技を身につける(気道確保、人工呼吸(徒手換気を含む)、胸骨圧迫、圧迫止血法、包帯法、採血法(静脈血、動脈血)、注射法(皮内、皮下、筋肉、点滴、静脈確保、中心静脈確保)、腰椎穿刺、穿刺法(胸腔、腹腔)、導尿法、ドレーン・チューブ類の管理、胃管の挿入・抜去、局所麻酔法、創部消毒とガーゼ交換、簡単な切開・排膿、皮膚縫合、軽度の外傷・熱傷の処置、気管挿管、除細動等

⑤検査手技(血液型判定、交差適合試験、動脈血ガス分析、心電図の記録、超音波検査等)

⑥地域包括ケア・社会的視点 (もの忘れ、けいれん発作、心停止、腰・背部痛、抑うつ、妊娠・出産、脳血管障害、認知症、心不全、高血圧、肺炎、慢性閉塞性肺疾患、腎不全、糖尿病、うつ病、統合失調症、依存症など個人対応とともに社会的な枠組みでの治療、要望の重要性を理解する)

⑦診療録 (入院患者の退院時要約、各種診断書(死亡診断書を含む)等日々の診療録を速やかに記載する習慣を身につける)

④ プログラム責任者

 プログラム責任者 (第二消化器内科部長) 一條 哲也

⑤ 研修スケジュール

 臨床研修月別タイムテーブル(研修科目の順番は、研修医数によって適宜変更する)
1年次分野目標備考 (SBOs)
~4週

全般・各科オリエンテーション

医療記録の書き方(診療報酬制度の説明を含む)

基本的診察法・医療面接

●他職種業務の経験、死体検案見学を含む

●各科外来(救急外来診療を含む)の見学、模擬患者(SP)実習を含む

8週

内 科○患者の呈する症状と身体所見、簡単な検査所見に基づいた鑑別診断、初期治療を的確に行う能力を獲得するために、頻度の高い症状、緊急を要する患者の病態の観察観察、基本的臨床検査、基本的内科的手技、内科的処置・治療の実際の経験(プライマリ・ケアに対応するための基本的技能・知識・態度を習得する)。

●病態の正確な把握のために、全身の系統的な身体診察及び医療面接を適切に実施できること。また、その適切な記載ができること。

●病態と臨床経過から、必要な検査について、その適応を判断し、結果の解釈ができること。

●様々な基本的手技を経験し、自ら適切に実施できること。

●基本的治療法の適応を決定し、適切に実施できること。

12週

16週

20週

外科

外科

○基本的外科的手技、外科的処置の実際を経験する。

●一般外科を中心に、外科の基本的治療法と臨床検査の選択と解釈、初歩的手術手技、術後の基本的治療・全身管理を経験する

24週

救 急○重篤患者の救急管理、救命、蘇生法を確実に習得する

●救急外来における初期治療を含めて、二次から三次救急疾患を経験する(救急車への乗車経験を含む)

●当直・準夜当直・日直の経験(週4回を限度とし、指導医の直接指導下に限る。)

28週

32週精神科プライマリ・ケア医に求められる、精神症状の診断と治療技術および医療コミュニケーション技術の習得、および地域精神保健の経験

●患者全般に対して、生物学的、心理・社会的側面からも対応できるために、精神科の基本的な診断及び治療ができ、必要な場合には適時精神科への診察依頼ができる技術の習得。

●主要な精神疾患・精神状態像、とくに研修医が将来、各科の日常診療で遭遇する機会の多い患者の基本的診察法、治療一般(精神療法、薬物療法など)の経験及び入院患者の退院へ向けたソーシャルワーク及び退院患者の地域ケアの経験

1年次分野目 標(GIO)備 考(SBOs)

36週

選 択○一般内科、循環器科、消化器科、神経内科、一般外科、整形外科、脳神経外科、泌尿器科、耳鼻咽喉科、小児科、麻酔科、救急科、産婦人科、精神科より選択●左記の専門科目の中から選び、これまでに修得した基本的技能・知識・態度を生かしてより深く研修する。(研修期間は1診療科目4週間以上とする)

40週

44週

48週

52週

臨床研修月別タイムテーブル(研修科目の順番は、研修医数によって適宜変更する)

 
2年次分野目 標(GIO)備 考(SBOs)
~4週内科○内科系(一般内科、循環器科、消化器科、神経内科 等)

●左記の専門科目の中から選び、これまでに修得した基本的技能・知識・態度を生かしてより深く研修する。(研修期間は1診療科目1か月以上とする)

※一般外来を週一回半日並行研修を行う

8週

12週

16週

地域○地域医療(病診連携・在宅医療・へき地医療)について理解し現場を経験する。●診療所、中小病院における地域医療の経験(指導医による直接指導下に限る)

20週

産婦人科

産婦人科

○女性特有の疾患に対する救急医療、プライマリ・ケアおよび妊産褥婦ならびに新生児の医療に必要な基本的知識の修得

●産科・婦人科の基本的診察法

●正常及びハイリスク妊娠の鑑別診断とその管理及び分娩の取り扱い方の経験

24週

救 急○重篤患者の救急管理、救命、蘇生法を確実に習得する

●救急外来における初期治療を含めて、二次から三次救急疾患を経験する(救急車への乗車経験を含む)

●当直・準夜当直・日直の経験(週4回を限度とし、指導医の直接指導下に限る。)

28週

32週

小児科

小児科

○小児科および小児科医の役割を理解し、小児医療を適切に行うために必要な基礎知識・技能・態度を修得する

●入院患者を中心に未熟児、新生児、急性乳幼児、慢性学童の持つ各病態について、小児の基本的診察法、検査および治療法(小児救急、小児保健を含む)の経験

●成長・発達についての知識を深め、子ども・家族に対する態度と臨床技能を修得する

●(小児科二次輪番日の)指導医の直接指導下での夜間小児救急の経験

34週

    
2年次分野目 標(GIO)備 考(SBOs)

40週

選択○一般内科、循環器科、消化器科、神経内科、一般外科、整形外科、脳神経外科、泌尿器科、耳鼻咽喉科、小児科、麻酔科、救急科、産婦人科、精神科より選択●左記の専門科目の中から選び、これまでに修得した基本的技能・知識・態度を生かしてより深く研修する。(研修期間は1診療科目4週間以上とする)

44週

48週

52週

研修医による自己評価

指導医による評価

研修管理委員会による最終評価

●習得に自信のない分野を重点的に補強

○安曇野赤十字病院群卒後臨床研修プログラム(別表1)

研修期間:(週数)

卒 後 1 年 次卒 後 2 年 次

内科

(12)

外科

(4)

精神

(4)

救 急(8)

選択

(24)

内科

(12)

地域

医療

(4)

産婦人科

(4)

小児科

(6)

救急

(8)

選 択

(18)

           
  • 産婦人科の研修は、信州大学医学部附属病院で行われる。
  • 精神科の研修は、城西医療財団 城西病院で行われる。
  • 地域医療の研修は、市立大町総合病院、穂高病院で行われる。
  • このプログラムは、信州大学病院と関連病院による長野県統一研修プログラムのいわゆる「たすきがけ方式」にも対応している(次表:別表2)。
  • 二年次内科選択の場合、安曇野赤十字病院または市立大町総合病院で行う。
  • 一般外来は2年次、内科・小児科で並行研修を行う。(実質20日以上)

○信州大学病院との連携による卒後1年次ならびに2年次の研修プログラム  (別表 2)

研修期間:(週数)

 卒後1年次卒後2年次
信州大学病院安曇野赤十字病院

選択

(22)

内科

(24)

救急

(6)

内科

(12)

地域

医療

(4)

産婦人科

(4)

小児科

(6)

救急

(8)

選 択

(18)

安曇野赤十字病院信州大学病院

内科

(12)

外科

(4)

精神

(4)

救 急(8)

選択

(24)

地域医療(4)必修科目(8)救急(1.5)

選択科目

(30)

                

※選択科目(必修科目等)については過不足等あればその都度協議し臨機応変に対応を行う

※外来研修については基本2年次に行う

⑥ 研修医の指導体制

各科、原則として臨床経験7年以上の上級医若しくは指導医による研修指導が行われる。

⑦ 研修医の募集定員:4名

募集方法    :公募(マッチングに参加)

採用方法    :筆記試験(小論文)、適性検査、面接

⑧ 研修医の処遇

(ⅰ)初期研修医の身分は常勤嘱託職員とする。

プログラム明記以外の業務を禁止する。(アルバイト禁止)

(ⅱ)研修手当   (1年次)年額 約6,200,000円(諸手当込)

(2年次)年額 約6,800,000円(諸手当込)

勤務時間    基本的な勤務時間 8:30~17:00

時間外勤務    あり

休憩時間    12:15~13:00

休暇      有給休暇     1年次 10日・2年次 11日

夏季休暇     あり

年末年始     あり

その他の休暇   5月1日(赤十字社創立記念日)

(ⅲ)時間外勤務及び半直・当直

時間外手当あり、休日手当あり、当直手当あり

半直回数     約3~4回 / 月

         17:00~23:00(時間外手当として支給)

当直回数     救急科研修中 約2回 / 月

当直手当

1年次  10,000円 / 回

2年次  16,000円 / 回

(ⅳ)研修医のための宿舎 なし(病院で斡旋)  住宅手当:28,500円(上限)

病院内の個室    あり(研修医室に、個々の机を確保する)

(ⅴ)社会保険・労働保険

公的医療保険  日本赤十字社健康保険組合

公的年金保険  厚生年金

労働者災害補償保険法の適用    あり

雇用保険    あり

(ⅵ)健康管理に関する事項  年に2回職員健康診断を実施

(ⅶ)医師賠償責任保険の扱い 個人において加入する

(ⅷ)外部の研修活動     学会、研究会への参加 可

学会、研究会への参加費用支給 あり

⑨ 研修カリキュラム

初期臨床研修プログラム:内科・総合診療科

安曇野赤十字病院内科:並行研修として、一般外来研修

コース責任者:内川 慎一郎   指導医:内川 慎一郎

コースの位置づけ:必修科目として4週間,内科系選択科及び選択科目として4週間から一般外来研修のブロック研修

 

I.一般目標(GIO:General Instrumental Objective)

1.一般的な内科疾患だけでなくあらゆる疾患をまんべんなく経験し、問診、理学所見、各種検体検査、画像検査に基づいて適切に診断し治療を行うべく初期診療能力を習得し、外来から入院治療まで一連の流れを把握し病態を理解して診療にあたることができる。その他、腎臓内科・内分泌・糖尿病内科各種ガイドラインを理解できる。

高齢者社会を反映した高齢患者に対する内科全体的な診療ができる。また患者・家族と良好な関係を築き、病棟スタッフと協力して病状安定後の診療について地域の医療機関と連携をとりながら進めることができる。

2.総合診療科で並行研修として行われる一般内科外来研修において、症候・病態について適切な臨床推論プロセスを経て解決に導き、頻度の高い慢性疾患の継続診療を行うために、特定の症候や疾病に偏ることなく、初診患者の診療及び慢性疾患患者の継続診療に参加できる。

Ⅱ.行動目標(SBOs:Specific Behavioral Objectives)

1.  他科へのコンサルテーションを的確に行うことができる。診療情報提供書を適切に書くことができる。

2.  カンファレンスで受け持ち患者を適切に呈示でき、診療録、退院サマリーを適切に遅滞なく記載できる。

さらに稀少例に対しては、患者用パス説明。指導医の指導のもとで学会報告を実施できる。

3.  各種慢性合併症を理解し、必要に応じて他科にコンサルトできる。合併症のための検査ができる。

4. 指導医と共に合併症を有する患者の治療方針をたて、実施できる。

5.  指導医と共に周術期の血糖管理ができる。

6.  その他、呼吸器疾患、血液疾患、代謝内分泌疾患等の中でcommon diseaseとしての診療(診察、検査

診断、治療)ができる。必要に応じて専門医へ適切にコンサルトできる。

7.  呼吸器疾患:肺炎/気管支炎、気管支喘息、COPD、間質性肺疾患、等。また急性呼吸不全・慢性呼吸

不全の急性増悪の管理ができる。在宅酸素療法の適応を理解し、指導・指示できる。

8.  血液疾患:貧血、多発性骨髄腫、等。指導医と共に必要に応じて骨髄穿刺を含めた検査と治療を行う。

9.  代謝疾患:脂質異常症、痛風、等。必要な検査を行い、評価し、治療できる。

10.  その他:各種アレルギー性疾患、膠原病(SLE)、発熱疾患、等。

Ⅲ 学習方略(LS: Learning Strategy)

1. 入院診療

・朝自ら病棟回診を行い、SOAPに沿って診療録を記載し、その後指導医にプレゼンテーションの上で一緒に回診を行う。指導医からのフィードバックを受ける。

・各種検査の指示、処方を行い、指導医の承認を得る。

・指導医のもとで病棟での処置に参加する。

・多職種カンファレンスに参加する。

2. 外来診療

・臨床研修2年目で内科研修中は、外来診療に参加する。

・指導医のもとで診察、処置を行う。

3. 内科合同カンファレンスへの参加とプレゼンテーション

・担当医として関わっている入院患者について症例提示を行う。

・各診療科からの症例提示から学ぶ。

4. 勉強会

・週1回の朝の勉強会で診断推論、医療安全、コミュニケーション、医の倫理などについて学ぶ。

Ⅳ 学習評価(Ev: Evaluation)

1. 知識:カンファレンスでのプレゼンテーション、レポート、EPOC

2. 技能:診察、手技に関して指導医によるスケール評価

3. 態度:指導医、他職種による評価

Ⅴ 研修スケジュール

内科・総合診療科 週間スケジュール

 任意

外来研修

SBO1〜10

経験

OMP

SBO1〜10

省察〜学び

外来研修

SBO1〜10

経験

OMP

SBO1〜10

省察〜学び

外来研修

SBO1〜8

経験

OMP

SBO1〜10

省察〜学び

外来研修

SBO1〜10

経験

OMP

SBO1〜10

省察〜学び

外来研修

SBO1〜10

経験

OMP

SBO1〜10

省察〜学び

レポート提出

SBO 2

外来研修

SBO1〜10

経験

OMP

SBO1〜8

省察〜学び

病棟研修

SBO1〜10

経験

病棟研修

SBO1~10 

経験

チームカンファレンス

TTT

13:00~

SBO 1.2.6

病棟研修

SBO1~10 

経験

チームカンファレンス

NST

12:30~

医療安全

15:00~

SBO 1.2.6

外来研修

SBO1〜10

経験

OMP

SBO1〜10

省察〜学び病棟研修

SBO1−10 

経験

外来研修

SBO1〜10

経験

OMP

SBO1〜10

省察〜学び病棟研修

SBO1~10 

経験

 

 

内科合同

カンファレンス

SBO 1.2.6

学び

 

内科症例

カンファレンス

SBO 1.2.6

学び

 

症例発表会

死亡症例検討会

当直研修

初期臨床研修プログラム:糖尿病・内分泌内科

安曇野赤十字病院内科

コース責任者:石井宏明   指導医:石井宏明

コースの位置づけ:必修科目として4週間,内科系選択科及び選択科目として4週間から

 

I.一般目標(GIO:General Instrumental Objective)

糖尿病・内分泌疾患の病態を理解し、問診、理学所見、各種検体検査、画像検査に基づいて適切に診断し治療を行うべく初期診療能力を習得する。 

 高齢者社会を反映した高齢患者に対する内科全体的な診療ができる。また患者・家族と良好な関係を築き、病棟スタッフと協力して病状安定後の診療について地域の医療機関と連携をとりながら進めることができる。

Ⅱ.行動目標(SBOs:Specific Behavioral Objectives)

1. 糖尿病の成因(発症機序)と病態(病気)を理解できる。

2. 糖尿病の成因(発症機序)と病態(病気)を理解できる。

3. 糖尿病の診断、合併症評価のための検査を理解でき、指導医とともに実施し、診断できる。

4. 糖尿病の主要徴候に留意しつつ的確に病歴を聴取できる。

5. 糖尿病の血糖コントロール指標、目標を理解し、合併症を評価して指導医と共に患者の病態に応じて治療方針を立てることができる。

6. 他の病棟スタッフ外来スタッフとともにチーム医療を行い、糖尿病治療、療養サポートを行うことができる。

7. 食事療法、運動療法を理解し、患者の病態に応じて指示できる。

8.  経口薬物療法を特徴、適応を理解し、指導医と共に選択・調整ができる。

9. インスリン療法の適応を理解できる。また他の注射薬の特徴、適応を理解し、指導医と共に選択・調整ができる。(在宅自己注射管理に関する指導)

10. 糖尿病に合併しやすい高血圧や脂質異常症を評価し、指導医と共に薬物療法を指導できる。

11. 低血糖の症状、誘因を理解し、適切な対応ができる。また対策を立てることができる。

12. シックデイを理解し、適切な指示、対応ができる。

13. 糖尿病急性合併症(ケトアシドーシス、高浸透圧高血糖症候群)を理解し、指導医と共に適切な初期治療ができる。

14. 指導医と共に周術期の血糖管理ができる。

15. 他科へのコンサルテーションを的確に行うことができる。診療情報提供書を適切に書くことができる。

16. カンファレンスで受け持ち患者を適切に呈示でき、診療録、退院サマリーを適切に遅滞なく記載できる。

さらに稀少例に対しては、指導医の指導のもとで学会報告を実施できる。

17. 内分泌疾患や代謝疾患の成因、病態を理解できる。

18. 主な内分泌疾患(下垂体、甲状腺、副甲状腺、副腎)の診断に必要な検査を理解し、指導医と共に検査計画を立案し、実施できる。

19. 内分泌緊急症(甲状腺クリーゼ、副腎クリーゼ)や著明な電解質異常に対して、診断に必要な検査を理解し、指導医と共に治療方針を立てることができる。

20. 主な内分泌疾患の治療方針を理解し、薬物療法や他科へのコンサルテーションの計画を立てることができる。

Ⅲ 学習方略(LS: Learning Strategy)

1. 入院診療

・朝自ら病棟回診を行い、SOAPに沿って診療録を記載し、その後指導医にプレゼンテーションの上で一緒に回診を行う。指導医からのフィードバックを受ける。

・各種検査の指示、処方を行い、指導医の承認を得る。

・指導医のもとで病棟での処置に参加する。

・多職種カンファレンスに参加する。

・糖尿病支援チーム・NSTなどのチーム医療のカンファレンス・ラウンドにも積極的に参加しコメディカルとの連携を図り診療に繋げる。 

2. 外来診療

・臨床研修2年目で内科研修中は、週1回の外来診療に参加する。

・指導医のもとで診察、処置を行う。

・糖尿病療養指導外来にも積極的に参加し、生活支援や腎症の進行予防、フットケアの方法や対策を理解する。

3. 内科合同カンファレンスへの参加とプレゼンテーション

・担当医として関わっている入院患者について症例提示を行う。

・各診療科からの症例提示から学ぶ。

4. 知識の蓄積

週1回の勉強会で病棟回診時に指導医と実際の症例を通して、診断推論、医療安全、コミュニケーション、医の倫理などについて学ぶ。最新の医療情報、文献検索の方法を学ぶ。

Ⅳ 学習評価(Ev: Evaluation)

1. 知識:カンファレンスでのプレゼンテーション、レポート、EPOC

2. 技能:診察、手技に関して指導医によるスケール評価

3. 態度:指導医、他職種による評価

Ⅴ 研修スケジュール

糖尿病・内分泌内科 週間スケジュール

 任意

外来研修

SBO1〜15

17~20

経験

OMP

SBO1〜15

省察〜学び

病棟研修

SBO1〜20

経験

病棟カンファレンス

病棟研修

SBO1〜20

経験

 

病棟研修

SBO1〜20

経験

病棟研修

SBO1〜20

経験

 

レポート提出

SBO 16

外来研修

SBO1〜15

17~20

経験

OMP

SBO1〜15

省察〜学び

病棟研修

 

チームカンファレンス

SBO 6.15.20

病棟研修

チームカンファレンス

SBO 6.15.20

病棟研修

外来研修

SBO1〜15

17~20

経験

OMP

SBO1〜15

省察〜学び

病棟研修

SBO1〜20

糖尿病支援チームカンファレンス

SBO 6.15.20

技能研修
SBO 7~14
(技能) 

 

内科全体の合同

カンファレンス

SBO 6.15.20

学び

 

内科症例

カンファレンス

SBO 6.15.20

学び

 

症例発表会

死亡症例検討会

当直研修

初期臨床研修プログラム:腎臓内科

安曇野赤十字病院内科

コース責任者:小林則善   指導医:小林則善

コースの位置づけ:必修科目として4週間,内科系選択科及び選択科目として4週間から

 

I.一般目標(GIO:General Instrumental Objective)

1.一般的な内科疾患の中から腎疾患、糖尿病の病態を理解し、問診、理学所見、各種検体検査、画像検査に基づいて適切に診断し治療を行うべく初期診療能力を習得する。その他、呼吸器疾患、血液疾患、膠原病の中でcommon diseaseとしての診療ができる。各種ガイドラインを理解できる。

高齢者社会を反映した高齢患者に対する内科全体的な診療ができる。また患者・家族と良好な関係を築き、病棟スタッフと協力して病状安定後の診療について地域の医療機関と連携をとりながら進めることができる。

2.総合診療科で並行研修として行われる一般内科外来研修において、症候・病態について適切な臨床推論プロセスを経て解決に導き、頻度の高い慢性疾患の継続診療を行うために、特定の症候や疾病に偏ることなく、初診患者の診療及び慢性疾患患者の継続診療に参加できる。

Ⅱ.行動目標(SBOs:Specific Behavioral Objectives)

1.  腎臓病の主要徴候に留意して的確な病歴聴取ができる。

2.  腎臓病の初期診療を述べ,指導医の下で実施,評価ができる。

3.  腎障害の鑑別診断に必要な検査項目や管理に必要な検査を挙げることができ、指導医のもと適切な検査・治療計画を立てることができる。膠原病等全身性疾患に合併した腎病変の診断と治療ができる。

4.  指導医と共に、患者や家族の立場を理解した病状説明ができる。特に腎代替療法(透析治療)に関しては患者や家族のライフ・スタイルまで影響が及ぶことを考慮できる。

5.  腎臓病の病態に応じた生活指導や食事療法の必要性を理解し、説明できる。

6.  腎障害の有無を正しく理解できる。特に急性腎不全と慢性腎不全の差異について理解でき、また腎前性・腎性・腎後性腎不全の鑑別ができる。

7.  腎生検の適応と禁忌を説明でき、その手技を指導医と共に理解できる。

8.  各種血液浄化療法の概略が理解できる。さらに緊急透析の適応となる病態を説明でき、指導医とともに

透析用カテーテル留置と管理ができる。

9.  血液透析用バスキュラーアクセス手術や透析シャントPTAの適応等の概略が理解でき、指導医とともに治療に加わることができる。

10. 腎臓病の主要徴候や合併症に留意した入院指示を出すことができる。

11. 他科へのコンサルテーションを的確に行うことができる。診療情報提供書を適切に書くことができる。

12. カンファレンスで受け持ち患者を適切に呈示でき、診療録,退院サマリーを適切に遅滞なく記載でき

る。さらに稀少例に対しては,指導医の指導のもとで学会報告を実施できる。

13. 腎臓病に対する主要な薬物療法の適応と副作用について述べることができる。

14. 主要な薬物に関しては腎機能に応じた投与量・方法を理解し、実施できる。また腎機能低下例で避ける

べき薬剤を理解できる。

15. 各種慢性合併症を理解し,必要に応じて他科にコンサルテーションできる。合併症のための検査ができる。

16.指導医と共に合併症を有する患者の治療方針をたて、実施できる。

17. その他、呼吸器疾患、血液疾患、代謝内分泌疾患等の中でcommon diseaseとしての診療(診察,検査

診断,治療)ができる。必要に応じて専門医へ適切にコンサルテーションできる。

18. 呼吸器疾患:肺炎/気管支炎、気管支喘息、COPD、間質性肺疾患、等。また急性呼吸不全・慢性呼吸

不全の急性増悪の管理ができる。在宅酸素療法の適応を理解し、指導・指示できる。

19. 血液疾患:貧血、多発性骨髄腫、等。指導医と共に必要に応じて骨髄穿刺を含めた検査と治療を行う。

20. 代謝内分泌疾患:甲状腺疾患、脂質異常症、痛風、等。必要な検査を行い、評価し、治療できる。

21. 疾患を理解し、長期療養疾病に係わる診断書等、各種申請に必要な書類を理解できる。 

22. その他:各種アレルギー性疾患、膠原病(SLE)、発熱疾患、等

Ⅲ 学習方略(LS: Learning Strategy)

1. 入院診療

・朝自ら病棟回診を行い、SOAPに沿って診療録を記載し、その後指導医にプレゼンテーションの上で一緒に回診を行う。指導医からのフィードバックを受ける。

・各種検査の指示、処方を行い、指導医の承認を得る。

・指導医のもとで病棟での処置に参加する。

・多職種カンファレンスに参加する。

・NST等のチーム医療のカンファレンス・ラウンドにも積極的に参加し、コメディカルとの連携を図り診療に繋げる。 

2. 外来診療

・臨床研修2年目で内科研修中は、週1回の外来診療に参加する。

・指導医のもとで診察、処置を行う。

3. 透析業務

・指導医とともに、透析患者の回診を行う。

・指導医とともに、シャント血管造影、経皮的血管拡張術(PTA)を行う。

4. 内科合同カンファレンスへの参加とプレゼンテーション

・担当医として関わっている入院患者について症例提示を行う。

・各診療科からの症例提示から学ぶ。

5. 勉強会

・週1回の勉強会で診断推論、医療安全、コミュニケーション、医の倫理などについて学ぶ。

Ⅳ 学習評価(Ev: Evaluation)

1. 知識:カンファレンスでのプレゼンテーション、レポート、EPOC

2. 技能:診察、手技に関して指導医によるスケール評価

3. 態度:指導医、他職種による評価

Ⅴ 研修スケジュール

内科・腎臓内科 週間スケジュール

  任意

透析回診

SBO8

病棟研修

SBO1~16 


経験

病棟研修

SBO1~16

経験

技能研修

(シャントPTA、

造影など)

SBO 7, 9

病棟研修

SBO1〜18

経験

透析回診

SBO8

病棟研修

SBO1~16

経験

病棟研修

SBO1~16

経験

技能研修

(シャントPTA、

造影など)

SBO 7, 9

レポート提出

SBO 12

透析回診

SBO8

病棟研修

SBO1~16

経験

病棟研修

SBO1~16

経験

技能研修

(シャントPTA、

造影など)

SBO 7, 9

病棟研修

SBO1~16

外来研修

SB01~11

13~22

経験

OMP

SB01~11

省察~学び

透析回診

SBO8

病棟研修

SBO1~16

経験

病棟研修

SBO1~16

経験

技能研修

(シャントPTA、

造影など)

SBO 7, 9

チームカン

ファレンス

SBO11, 12, 15

技能研修
SBO 34
(技能) 

 

内科全体の合同

カンファレンス

SBO 11.12.15

学び

 


 

症例発表会

死亡症例検討会

当直研修

初期臨床研修プログラム:循環器内科

安曇野赤十字病院内科

コース責任者:木下 修   指導医:木下修・神吉雄一・馬渡栄一郎・永江歩

コースの位置づけ:必修科目として4週間,内科系選択科及び選択科目として4週間から

 

I.一般目標(GIO:General Instrumental Objective)

内科一般を研修する上で必要な循環器領域の疾患に対し、指導医とともに実際に診断及び治療を行うことにより、疾患に対する知識及び治療技術を習得する。

Ⅱ.行動目標(SBOs:Specific Behavioral Objectives)

1. 高血圧の診断及び治療;二次性高血圧の鑑別・病態に応じた降圧薬の選択・患者教育の実際など

2. うっ血性心不全の病態把握;病歴聴取・診察による理学的所見の収集・胸部X線/心電図検査/心臓超音

波検査の読影及び理解・検査結果の評価、上記を総合して得られる病態の把握及び基礎心疾患の診断、

病態ごとのガイドラインに沿った適切な治療

3. 虚血性心疾患の診断及び治療;心電図/心臓超音波検査/運動負荷心電図の読影及び理解・急性期の心筋逸脱酵素の変化を評価・心臓カテーテル検査及び血行再建術の見学・適切な薬物療法の選択・補助循環法の見学及び急性期の集中治療室管理を実際に行うこと・心臓リハビリテーションの評価、心リハチームカンファへの参加

4. 日常よく遭遇する不整脈の診断及び治療;心房細動及び上室性頻拍など。心電図並びにHolter心電図の

読影・評価。薬物療法及び非薬物療法(除細動およびカテーテルアブレーション):前者は実際に行う、

後者は見学

5. 徐脈性不整脈の診断と治療;基礎疾患の評価や二次性徐脈の評価(虚血によるものや医原性徐脈の鑑別)・

永久ペースメーカ植込みの助手など

6. 肺塞栓症・下肢深部静脈血栓症の診断・治療;下大静脈フィルタ植え込み術の見学

7. 末梢血管疾患(閉塞性動脈硬化症など)の診断・治療;至適薬物療法及び血行再建術(見学)

Ⅲ 学習方略(LS: Learning Strategy)

1. 初診及び初療;循環器外来にて指導医が初診・入院させた患者の初期対応を指導医と共に行い、適切な

診断治療計画を立案する

2. 救急外来にて救急指導医・循環器指導医とともに救急患者の初期対応を指導医と共に行い、適切な診断

治療計画を立案する

3. 病棟業務;患者担当医となり、指導医と共に回診を行い、実際に指示を出し診断・治療を行う

4. 集中治療室業務;一般病棟とは異なる、濃密な集中治療室での患者管理を指導医と共に行う

5. daily conferenceへの参加;毎朝8時より行われている集中治療室カンファレンスへの参加、及びその後引き続いて行う循環器カンファレンスへ参加。週一回行われるコメディカルとのカンファレンス及び

月2回の心臓リハビリカンファレンスに参加。それ以外にも毎週火曜日夕方の内科総合カンファレンスに出席。毎週木曜日昼の心電図ランチョンセミナーへの参加など

6. Ⅱの行動目標に示された種々の検査・侵襲的/非侵襲的手技の習得(ないし見学)、鼠径部からの中心静脈確保手技の習得

 

Ⅳ 学習評価(Ev: Evaluation)

1. 知識:レポート・EPOC対応・カンファレンスでのプレゼンテーションなど

2. 技能:指導医による評価(スケール評価)

3. 態度:指導医のみならず他職種による評価も勘案

Ⅴ 研修スケジュール

循環器内科 週間スケジュール

 任意

ICCカンファレンス
SBO3

ICCカンファレンス
SBO3

ICCカンファレンス
SBO3
ICCカンファレンス
SBO3

ICCカンファレンス
SBO3

 

循環器

カンファレンス

SBO3

循環器

カンファレンス

SBO3

循環器

カンファレンス

SBO3

 

循環器

カンファレンス

SBO3

循環器

カンファレンス

SBO3

 

病棟回診

病棟業務

SBO1~7

心エコー見学
病棟回診
病棟業務
SBO1~7

病棟回診
病棟業務
SBO1~7

 

病棟回診
病棟業務
SBO1~7

病棟回診
病棟業務
SBO1~7

 

  

 

ECG

ランチョンセミナー

 

 

トレッドミル

見学

病棟回診

病棟業務

SBO1~7

 

心カテ

病棟回診

病棟業務

SBO1~7

心カテ

病棟回診

病棟業務

SBO1~7

病棟回診

病棟業務

SBO1~7

心カテ

病棟回診

病棟業務

SBO1~7

 

 

内科全体の合同

カンファレンス

SBO 3

    

初期臨床研修プログラム:消化器内科

安曇野赤十字病院内科

コース責任者:一條哲也   指導医:一條哲也・中村直・北原桂・須藤貴森・樋口和男

コースの位置づけ:必修科目として4週間,内科系選択科及び選択科目として4週間から

 

I.一般目標(GIO:General Instrumental Objective)

一般的な消化器疾患の病態を理解し、問診、理学所見、各種検査に基づいて確定診断するとともに、治療

計画をたてることが出来る。また、患者、家族と良好な関係を築き、平穏な入院生活が出来るように病棟

スタッフと協力し、さらに病状安定後の診療について地域の医療関係と連携を取りつつ進めることができる。

Ⅱ.行動目標(SBOs:Specific Behavioral Objectives)

1. 入院患者を通じて、一般的な消化器疾患の病態を理解する。

2. 消化器疾患の一般的な検査、治療手技(腹腔穿刺、経鼻胃管挿入、中心静脈カテーテル挿入など)を

理解し、実施出来るようにする。

3. 消化器関連検査(内視鏡検査、透視検査、腹部超音波検査)の適応を理解し、患者さんに対しての適切

な説明を行い指導医のもと実施出来るように努力する。

4. 内視鏡治療や肝がんの局所療法に助手として入り、基本的創傷処置技術と清潔操作を習得する。

5. 患者および家族と良好な人間関係を確立するように努力する。

6. 患者の医学的・心理的・社会的諸問題の把握と解決に努める。

7. 看護師、薬剤師、リハビリスタッフなどと協力し、診察することができる。

8. 診療録に適切に記載出来る。

 

Ⅲ 学習方略(LS: Learning Strategy)

1. 必須事項

食欲不振、悪心・嘔気、胸焼け、嚥下困難、腹痛、黄疸、排便異常(便秘、下痢)をもつ患者、およびcommon diseaseとして胃十二指腸潰瘍、胆石症、腸炎、肝機能異常患者の経験を積む。

2. 病棟業務

指導医の担当する患者を中心に、指導医とともに診療に携わり、疾患の病態を把握する。検査計画、治療計画の立案をともに立て、検査の指示、処方・点滴の指示が出来るようにする。指導医による病状説明を見学して経験を積み、研修期間中に良性疾患の患者の経過説明を指導医が立ち会いのもとで出来るようにする。

3. 各種検査・治療手技

A.各種検査・治療手技についてその適応を理解し、指導医の介助にあたりつつ、検査の流れを体験する。

B.上部消化管内視鏡検査については、指導医のもとモデルによる練習で基本操作を取得した上で、主に鎮静をかけた入院患者を対象にスクリーニング検査を経験する。また研修医同士で術者、被験者となり患者の検査時の苦痛も体験する。

C.内視鏡治療や肝がん局所治療を受けた患者の術後の管理についても習得する。

D.消化器疾患の緊急入院や緊急処置(緊急内視鏡、PTCDなど)には可能な限り参加して、緊急時の診療を経験する。

4. 検討会

A.毎週火曜日:内科合同カンファレンス 16時30分~

受け持ち患者については、プレゼンテーションを行う。患者の病態理解を深めながら、症例呈示や要約が適切にできるようにする。

B.毎週月・水・金曜日:消化器内科カンファレンス 16時~

(1) 担当入院患者の疾患の理解と現状に対する診療計画の立案を経験し、より疾患の理解を深める。

(2) 受け持ち患者以外の消化器疾患の病態も学び幅広い消化器内科診療に関する病棟管理等を勉強する。

(3) 文献検索を含めた情報の収集管理を学ぶ。

(4) Common diseaseの内視鏡画像や放射線画像、検査データを検証し病態の理解を図る。

C.毎週水曜日:緩和ケアカンファレンス 14時30分~

受け持ち患者が関与する際は参加し、プレゼンテーションを行う。

D.月1回木曜日:病理検討会

(1)内視鏡検査や肝生検の病理画像を参照しながら、臨床診断、検査結果との比較をして病態をより深く学ぶ。

E. 学会、研究会などに、機会があれば指導医の指導のもと演題発表する。

 

Ⅳ 学習評価(Ev: Evaluation)

1. 知識:レポート、EPOC対応

2. 技能:診察、技術等に関して観察記録、スケールにて評価;指導医

3. 態度:観察記録評価;指導医、看護師、他コメディカル

##レポートすべき項目

腹痛、便通異常、食道・胃十二指腸疾患

Ⅴ 研修スケジュール

消化器内科 週間スケジュール

 

回診・経過表

チェック

回診・経過表

チェック

救急勉強会

回診・経過表

チェック

 

回診・経過表

チェック

回診・経過表

チェック

 

内視鏡研修

病棟研修

SBO1〜8

OMP

SBO1〜8

省察〜学び

 

外来研修

病棟研修

SBO1〜8

 

OMP

SBO1〜8

省察〜学び

腹部エコー研修

病棟研修

SBO1〜8

 

OMP

SBO1〜8

省察〜学び

内視鏡研修

病棟研修

SBO1〜8

OMP

SBO1〜8

省察〜学び

病棟研修

SBO1〜8

OMP

SBO1〜8

省察〜学び

午後

内視鏡研修
病棟研修
SBO1~8
省察~学び
消化器内科
カンファレンス
(医局)
SBO1~3
問題解決、省察~学び

肝処置研修

病棟研修

SBO1~8

OMP

SBO1~8

省察~学び

肝処置研修
病棟研修
SBO1~8

OMP
SBO1~8
省察~学び
消化器内科
カンファレンス
(医局)
SBO1~8
問題解決、省察~学び

内視鏡研修
病棟研修
SBO1~8

OMP
SBO1~8
省察~学び

 内視鏡研修
病棟研修
SBO1~8

OMP
SBO1~8
省察~学び
消化器内科
カンファレンス
(医局)
SBO1~8
問題解決、省察~学び

 

内科合同

カンファレンス
(医局)

SBO 1~8

問題解決、省察~学び

緩和ケア
カンファレンス
SBO1~8
学び
  

初期臨床研修プログラム:呼吸器内科

安曇野赤十字病院内科

コース責任者:立石 一成   指導医:立石 一成

コースの位置づけ:必修科目として4週間,内科系選択科及び選択科目として4週間から

 

I.一般目標(GIO:General Instrumental Objective)

内科一般を研修する上で必要な呼吸器領域の疾患に対し、指導医とともに実際に診断及び治療を行うことにより、疾患に対する知識及び治療技術を習得する。呼吸器領域の初期対応を実践し、血液検査、画像検査、生理機能検査を解釈したうえで、呼吸器専門医にコンサルトできる。

Ⅱ.行動目標(SBOs:Specific Behavioral Objectives)

1. 病歴を聴取し診療録に記載できる。

2. 身体診察を適切に行うことができる。

3. 病歴、身体所見に基づき必要な検査を指示できる。

4. 病歴、身体所見、検査所見から鑑別診断を列挙し、カンファレンスで提示できる。

5. 静脈採血、動脈採血、末梢静脈確保が確実にできる。

6. 胸部X線写真および胸部CTの読影ができる。

7. 臨床検査(血算、生化学、血清検査、検尿、動脈血液ガス、呼吸機能検査、喀痰グラム染色、抗酸菌染色など)の結果を解釈できる。

8. 指導医の指導の下で胸腔穿刺ができ、必要な検査を指示し、その解釈ができる。

9. 呼吸器感染症に対して適切に抗菌薬を使用できる。

10. 喘息やCOPDに対して適切な薬物療法を行うことができる。

11. 肺癌治療に必要な検査、治療、副作用が説明できる。

12. 緩和ケアに必要な知識を理解し、終末期患者の対応を行うことができる。

13. 標準的な酸素療法および呼吸管理法を理解し、実施できる。

14. 患者及びその家族との信頼関係を築き、病状説明、生活指導ができる。

 

Ⅲ 学習方略(LS: Learning Strategy)

1. 初診及び初療;呼吸器外来にて指導医が初診・入院させた患者の初期対応を指導医と共に行い、適切な診断治療計画を立案する。

2. 救急外来にて救急指導医・呼吸器指導医とともに救急患者の初期対応を指導医と共に行い、適切な診断治療計画を立案する。

3. 病棟業務;患者担当医となり、指導医と共に回診を行い、実際に指示を出し診断・治療を行う。

4. カンファレンスで担当患者の状態および治療方針の発表をする。

5. Ⅱの行動目標に示された種々の検査・侵襲的/非侵襲的手技の見学および指導医の元の実践をする。

Ⅳ 学習評価(Ev: Evaluation)

1. 知識:レポート・PG-EPOC対応・カンファレンスでのプレゼンテーションなど

2. 技能:指導医による評価(スケール評価)・フィードバックを行う

3. 態度:指導医のみならず他職種による評価も勘案

*レポート対応項目:発熱・肺癌・肺炎・気管支喘息・慢性閉塞性肺疾患・呼吸困難

Ⅴ 研修スケジュール

呼吸器内科 週間スケジュール

 任意

呼吸器

カンファレンス

SB01-4

呼吸器

カンファレンス

SB01-4

呼吸器

カンファレンス

SB01-4

 

呼吸器

カンファレンス

SB01-4

呼吸器

カンファレンス

SB01-4

 

 

病棟回診

病棟業務

SB01-15

 

病棟回診

病棟業務

SB01-15

病棟回診

病棟業務

外来診療

SB01-15

病棟回診

病棟業務

SB01-15

病棟回診

病棟業務

SB01-15

 
午後病棟回診
病棟業務
外来診療
SBO1-15

病棟回診

病棟業務

SB01-15

病棟回診

病棟業務

SB01-15

病棟回診

病棟業務

SB01-15

病棟回診

病棟業務

SB01-15

 

 

内科全体の合同

カンファレンス
SBO4

    

初期臨床研修プログラム:脳神経内科

安曇野赤十字病院内科

コース責任者:服部 健   指導医:服部 健・木下 通亨

コースの位置づけ:必修科目として4週間,内科系選択科及び選択科目として4週間から

 

I.一般目標(GIO:General Instrumental Objective)

1. 医師として必要な神経内科領域の基本的研修目標を習得する。

2. 緊急対応を要する神経疾患の初期診療に関する基本的臨床能力を習得する。

3. 主要な神経疾患の診療、治療、生活指導のための基本的な知識、技能、態度を習得する。

4. 必要に応じて神経内科専門医への適切な紹介ができる。

 

Ⅱ.行動目標(SBOs:Specific Behavioral Objectives)

1. 正確な系統的神経診察ができる。

2. 病態および神経学的所見のまとめから障害されている神経機能、病変部位、病因を推測できる。

3. 鑑別診断を上げて検査計画/治療計画をたてることができる。

4. 腰椎穿刺など自分で的確に実施でき、その結果を解釈できる。

5. 以下の検査の適応を決定して結果を解釈できる。

頭部単純撮影 頚椎単純撮影 頭CT 頭部/頸部MRI MRA 脳波

頸部血管エコー 神経生理検査 神経筋生検 認知機能検査(HDS-R)

6. 長期療養を要する患者の社会的資源を検討できる。

7. 神経内科的な緊急事態を認識し指導医に相談できる。

8. 内科、脳外科、整形外科など関連診療科との連携ができる。

9. 認知症ケアチーム等のチーム医療に参加し、多職種との連携ができる。

 

Ⅲ 学習方略(LS: Learning Strategy)

1. 入院診療

2. 外来診療

3. 病棟検討会

4. 内科系検討会

 

Ⅳ 学習評価(Ev: Evaluation)

1. 知識:レポート

2. 技能:診察 技術に関しての観察記録 評価スケール

3. 態度:指導医の観察 病棟/外来スタッフの観察など

Ⅴ 研修スケジュール

脳神経内科 週間スケジュール

 
午前

外来

SBOs 1~3,5

病棟

SBOs 1~3、5

チームカンファレンス

認知症ケア

11:00~

TTT

13:00~

SBOs 9

外来

SBOs 1~5

 

病棟

SBOs 1~5

外来

SBOs 1~3、5

 

午後病棟
SBOs 1~3

病棟
SBOs 1~3

病棟
SBOs 1~3

病棟
SBOs 1~3

病棟
SBOs 1~3

夕方

 

内科合同

カンファレンス
SBOs 7,8

リハビリテーション
検討会
SBOs 2,6,8
 振り返り
SBOs 1~9

補足

Ⅰ.神経内科研修で経験できる症例

神経内科:注)脳血管障害や高齢者の診療が主になる見込み。

血管障害(脳梗塞、脳出血など)、神経変性疾患(パーキンソン病、アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症、脊髄小脳変性症など)、免疫性神経疾患(多発性硬化症、ギラン・バレー症候群、重症筋無力症、

筋炎など)、感染性疾患(脳炎、髄膜炎など)、頭痛、その他(筋ジストロフィー、てんかん、ミトコンドリア脳筋症など)

 
Ⅱ.研修のポイント
安曇野赤十字病院は松本平広域救急圏で第二番目の救急患者数を受け入れている救急病院である。神経疾患は脳血管障害や意識障害など救急搬送されてくることが多い科である。治療可能な神経疾患を初期に的確に確定診断を下し、非可逆的損傷をこうむりやすい神経組織を守り(neuroprotection)、重篤な後遺症を未然に防ぐことを目指す。また、逆に進行の緩徐な変性疾患の場合には、確実な診断を下すことのみならず患者や家族と共に歩むことを心がける。
上に上げたような神経変性疾患や免疫性神経疾患など稀であるが、忘れてはならない神経疾患についても
経験してもらいたい。
また神経内科医である前に内科医(General Physician)としての基本的診察法への習熟も重要である。さらに脳外科医・整形外科医など関連診療科との連携のための力量を蓄え、かつ連携診療が円滑に行えるよう人格的な修練を積むことが必要である。
直接的な守備範囲ではないがメンタルヘルスについての基本的な診療能力の習得にも配慮している。
 
Ⅲ.神経内科研修で求めること、習得してほしいこと
1. 基本的診断能力として
A.基本的な神経内科診察法
(1) 神経学的診察法の習得
(2) 内科一般についての診察法の習得
(3) メンタルヘルスについての診察法の習得
(4) リハビリ治療のための基本的な機能把握とリハ計画の策定
B.基本的な神経内科臨床検査
(1) 脳画像診断(単純撮影・CT・MRI)の計画と読影
(2) 髄液検査とその解釈
(3) 初歩的な電気生理学的検査(脳波、脳脊髄誘発電位、筋電図、神経伝導速度)
(4) 筋肉生検・神経生検の適応の検討と実施の助手
 
C.基本的治療法
(1) 脳血管障害における脳保護・浮腫対策
(2) その他 症例に遭遇できれば
免疫神経疾患における免疫吸着療法
ステロイド・パルス療法
人免疫グロブリン大量静注療法
 
2.経験すべき症状・病態・疾患
A.頻度の高い症状
(1) 手足のしびれ
(2) 手足の麻痺
(3) 手足のふるえ
(4) 動作の鈍さ
(5) めまい
(6) ふらつき
(7) 頭痛
(8) けいれん
B.緊急を要する症状・病態 
(1) 急性期の脳血管障害(脳梗塞、脳血栓、脳塞栓、脳出血)
(2) くも膜下出血
(3) 髄膜炎・脳炎
(4) 各種神経疾患(ギラン・バレー症候群・多発性硬化症・重症筋無力症など)にともなう呼吸不全
(5) てんかん・けいれん発作の重積
(6) パーキンソン病治療中の悪性症候群 
C.経験が求められる疾患・病態
変性疾患(筋萎縮性側索硬化症etc.)などの神経難病のターミナルケアおよび在宅での療養の支援
 
Ⅳ.指導体制
  7年以上の臨床経験を有する日本神経学会専門医あるいは各専門学会の専門医
 
Ⅴ.診療現場では、診療現場での振り返り、リフレクションでは1分間教育法(OMP)などの成人教育理論の
手法を用い、経験学習モデルを意識して、経験を有効に学びに結びつけるよう配慮している
 

初期臨床研修プログラム:消化器外科

安曇野赤十字病院消化器外科

コース責任者:島田 良   指導医:島田 良・高山 寛人・内川 裕司

コースの位置づけ:必修科目として4週間,選択科目として4週間から

 

I.一般目標(GIO:General Instrumental Objective)

外科は、その多くが手術という侵襲を患者さんに加えることによって治療をおこなうという特徴を持っている。外科治療を成功させるためには、病気の診断、手術適応、手術のタイミング、術前管理、麻酔、手術と手術手技、術後管理などを、すべてにわたって十分に理解され実行されなければならない。また患者さんのおかれている心理的・社会的は背景を考慮して対応することも重要である。適格な外科治療がおこなわれれば、患者さんに劇的な治療効果があらわれるのも外科の特徴である。優れた外科医となるためには、症例ひとつひとつを大切に積み重ねていくことが、肝要である。初期外科研修では、上記を理解し、外科医の基本的心構えの習得と、基本的外科手技の習得、外科疾患の診断と治療の対応能力を習得する。

Ⅱ.行動目標(SBOs:Specific Behavioral Objectives)

1. 頻度の高い外科疾患の手術適応を判断できる。

2. 術前の身体所見と検査所見から手術と麻酔のリスクを判断することができる。

3. 患者さんの医学的・心理的・社会的諸問題の把握と解決に努める。

4. 手術を受ける患者さんに対して、適切な説明による同意(IC)について指導医または上級医に同席して学ぶ。

5. 助手として手術に入り、基本的外科技術と清潔操作を習得する。

6. 手術摘出標本を適切に扱うことができる。がん取扱規約に沿って、リンパ節分類ができる。病理組織診断から次の治療を考えることができる。

7. 簡単は創傷処置(消毒、局所麻酔、切開、縫合、鏡視下縫合、ドレッシング)ができる。

8. 術後管理ができる。術後合併症の診断と治療を指導医とともにできる。

9. 外科感染症の診断と処置および治療ができる。

10. チーム医療の一員として協調できる。

11. 担当する症例については、指導医のもとで診察・カルテ記載・検査指示・与薬指示の記入ができる。

 
 

Ⅲ 学習方略(LS: Learning Strategy)

1.  指導医:島田、高山、内川のいずれか1人が中心となって指導する。

2.  受け持ち患者:消化器手術患者2名以上を受け持つ。指導医から指名がある。症例によってはほかの

医師からの指名がある。

3.  回診:5S病棟の回診を8時30分から指導医、上級医とともに行う。所見をカルテに記載する。

4.  外科検討会:毎週月曜日16時30分から医局研修室でおこなう。(毎週水曜日17時30分から)

5.  緩和ケアカンファレンス:毎週水曜日14時30分から医局研修室でおこなう。

6.  化学療法カンファレンス:毎週月曜日16時から医局研修室でおこなう。

7.  受け持ち患者については、プレゼンテーションを行う。

8.  手術:手術は、基本的にすべて助手として参加する。参加できないときは、外野で見学する。前日までに予定手術を確認し、かならず手術書を熟読しておくこと。糸縛り(鏡視下も含め)等を上級医師より教わり、常に練習しておく。

9.  たとえ受け持ち患者でなくても手術等にはいった患者さんには、退院まで積極的に診療にあたり、入院経過の中から外科治療に関する術後管理等を勉強する。

10. 手術摘出標本:取扱規約に従ってリンパ節を分類し、病理部に提出する。

11. 病理検査報告をみて次の治療方針を考える。

12. レポート:月1例 症例報告を書き、指導医に提出する。

13. 学会、研究会などに、機会があれば積極的に演題発表する。

 

Ⅳ 学習評価(Ev: Evaluation)

1. 知識:レポート、EPOC対応

2. 技能:診察、技術等に関して観察記録、スケールにて評価;指導医

3. 態度:観察記録評価;指導医、看護師、コメディカル

Ⅴ 研修スケジュール

消化器外科 週間スケジュール

 任意

総回診8:30

SBO3,8,-11

経験

総回診8:30

SBO3,8,-11

経験

総回診8:30

SBO3,8,-11

経験

 

総回診8:30

SBO3,8,-11

経験

 

総回診8:30

SBO3,8,-11

経験

 

レポート提出
SBO 1-11
(問解、態度)
省察ー学び

術前IC
受け持ち患者
SBO 1,3,4,10
経験

手術

SBO 1,2,5,6,10

経験

術後管理・病棟管理
SBO7,9,11,12

指導医講義

リポート作成

SBO1,2,3,8,9

手術
SBO1,2,5,6,10
経験

手術

SBO1,2,5,6,10

経験

指導医コメント
SBO 1-11
省察

手術
SBO1,2, 5,6,10
経験
化学療法カンファレンス
16:00-
SBO3,8,10
経験、学び

術前症例検討会16:30-
SBO1,2,10,11
経験、学び

入院症例検討会
17:30-
SBO1,2,11,12
経験、学び

NST12:30-

SBO2,3,10

術前IC13:30

受け持ち患者

SBO1,3,4,10

経験

緩和ケア14:30-
SBO3,6,10
経験、学び

17:30-
カンファレンス

手術

SBO1,2,5,6,10

経験

手術

SBO 10-11

経験

術後管理・病棟管理
SBO6,8,10,11

緊急手術
SBO1,2,4,5,
8-11
経験

初期臨床研修プログラム:脳神経外科

安曇野赤十字病院脳神経外科

コース責任者:宮岡 嘉就   指導医:宮岡 嘉就

コースの位置づけ:選択科目として4週間から

 

I.一般目標(GIO:General Instrumental Objective)

本研修プログラムは信州大学脳神経外科卒後研修カリキュラムに準じて行う。(期間は1ヶ月~)臨床医として脳神経外科医の役割を理解し、脳神経外科や神経救急の基本的な知識と技術を研修し、研修終了時には意識障害、脳血管障害、頭部外傷を中心とした神経救急、頭頚部疾患の診断や緊急対応、初期治療の理解と習熟を目標とする。

1. 意識障害(一過性を含む)患者の救急診療、初期治療を研修する。

的確な鑑別診断、画像等の補助的診断の選択、初期治療を行えるための研修を行う。

2. 脳血管障害患者の救急診療、初期治療を研修する。

救急処置、画像診断、治療計画やその指示、EBMに基づく手術を含めた治療適応の判断するための研修を行う。

3. 頭部外傷患者の救急医療、初期治療を研修する。

2と同様的確な診断とプライマリケアを研修する。

 

Ⅱ.行動目標(SBOs:Specific Behavioral Objectives)

1.  患者さんより適切な病歴聴取ができる。

2.  一般的な全身の観察、所見の記載、神経救急患者の診察ができる。

3.  担当症例について指導医のもとで診察・カルテ記載・検査指示・与薬指示ができる。

4.  頭部外傷、脳血管障害などの神経救急疾患に対して迅速な対応や治療方針を考慮し、適切に指導医や他診療科へのコンサルテーションを行うことを理解する。

5.  脳腫瘍、小児脳神経外科疾患の診察ができる。

6.  脳神経外科の代表的疾患について基本的検査(CT、MRI、脳血管撮影、髄液検査、脳波など)を自ら経験し読影や検査結果の評価ができる。

7.  脳神経外科での基本的処置、気管挿管、人工呼吸器管理、てんかん発作の処置を行うことができる。

8.  患者さん、御家族に検査、手術について適切に説明(病状、検査目的、内容、合併症)することができる。

9.  神経学的障害を持つ患者を理解し、医学的に支援することができる。

10. 脳神経外科手術について以下を目標とする。

慢性硬膜下血腫、脳室ドレナージ:  第一助手または術者

開頭術、急性硬膜下血腫、定位的手術:  助手

脊椎手術:  助手

11. 術後動画の活用により、微小脳解剖について理解できる。

 

Ⅲ 学習方略(LS: Learning Strategy)

1. 必須項目:       頭痛、めまい、失神、けいれん発作を有する症例を経験し、意識障害、

脳血管障害の患者の治療に参加する。

2. 入院患者の診療: 入院患者を中心に診断・治療などをチェックし、その適正判断修正を行う。

原則として病棟回診を指導医と共に毎日行う。

3. 外来患者の診療

〈一般外来〉

脳神経疾患の患者を指導医の支援を受けて、ともに初診にあたる。

〈救急外来〉

脳神経外科救急(頭部外傷、脳血管障害など)の患者を指導医の支援を受けて、ともに診療にあたる

救急部において、適切な診断のもと診療にあたる。

4. 処置・手術:脳神経外科処置・手術施行例においては、できる限り指導医の指導のもと、助手として手術に参加し、施行できるようにする。

 

Ⅳ 学習評価(Ev: Evaluation)

1. 知識:レポート、EPOC対応

2. 技能:診察、技術等に関して観察記録、スケールにて評価;指導医

3. 態度:観察記録評価;指導医、看護師、コメディカル

Ⅴ 研修スケジュール

脳神経外科 週間スケジュール

 
午前

8:00

ICCカンファランス

術前カンファランス・担当患者回診

SBO1-10

8:00 

ICCカンファランス

SBO6

8:00 

ICCカンファランス

SBO6

 

8:00

ICCカンファランス

抄読会

SBO6,8

8:00

ICCカンファランス

SBO6

 

手術
SBO11-12
ビデオカンファランス
SBO11-12
指導医と病棟回診・外来研修
SBO1-10
指導医と外来研修
SBO1-10
指導医と病棟回診
リポート作成
SBO1-10
指導医と外来研修
リポート完成
SBO1-10
午後術後管理・病棟管理
SBO1-10

病棟管理

SBO1-10

病棟回診
SBO1-10
病棟管理
SBO1-10
術後管理・指導医
チェック・担当患者回診
SBO1-10

補足

脳外科研修のポイント

○救急医療:脳卒中・脳外傷・・・・・救急患者搬入時から、指導医と共に患者に対応し、気道確保、

血圧コントロール、脳圧コントロールなどの救急処置に参加し、緊急画像診断(CT/MRI/脳血管造影など)

の進め方、手術、保存的治療の治療方針決定ができるように指導する。

○毎朝、ICCカンファレンスがあり、画像の読影能力の向上を図る。

○毎週、リハビリカンファレンスがあり、リハビリの進め方、社会復帰への流れを理解してもらう。

○隔週の抄読会に参加して、担当時は適当な題材のプレゼンも行ってもらう。

○習熟度に応じ指導医による直接指導下で、脳血管造影検査の一部カテーテル操作を行ってもらう。

○症例を選んで、指導医の下で入院患者を担当してもらい、継続的な診察・処置が出来るように指導する。

○担当患者のプレゼンテーションをPCプレゼンテーションで行なってもらうようにする。

○脳卒中・脳外傷のあらゆる症例の救急医療、緊急手術等を行なっており、脳血管障害、脳腫瘍、脊椎疾患の待機手術も幅広く行なっている。これらの手術において、顕微鏡下手術ではアシスタントスコープによる術野の観察・水掛・ワタ出しなどの簡単な助手の術操作にも参加してもらう。

○レポート作成時間は①その週間に経験した後述する行動目標の具体的内容とその関係症例名 ②下記の経験すべき症状、病態、疾患や研修項目の経験優先順位に示された目標症例について当てる。

 
A.経験すべき診察法・検査・手技
(1)基本的脳神経外科診療能力
 1)問診及び病歴の記載
患者、家族にたいし礼儀正しく、真摯な気持ちで的確な問診を行い、専門に限られることなく、また、患者の心理状態も考慮しながら総合的且つ全人的にpatient profileをとらえることができるようになる。
病歴の記載は問題解決志向型病歴(POMR: Problem Oriented MedicalRecord )を作るように工夫する。
①主訴
②現病歴
③既往歴
④家族歴
2) 脳神経外科診察法
脳神経外科診療に必要な診察知識、技能を身につける。
①バイタルサイン
②意識状態の把握 
③頭頚部の診察   
④神経学的検査
   
(2) 基本的脳神経外科臨床検査
脳神経外科診療に必要な種々の検査を実施あるいは依頼し、結果を評価して患者、家族にわかりやすく説明することが出来る。検査のリスクやそれぞれの病態で禁忌である検査法、避けた方が望ましい検査法であるか否かを十分に理解する。
 1) 髄液検査
 2) 神経放射線学的検査
① 単純X線検査
② X線CT検査
③ MRI検査
④ 脳血管造影検査
 3) 神経生理学的検査
 4) 神経耳科学、眼科学的検査(耳鼻科、眼科の協力依頼)
 
 (3) 基本的治療法
脳神経外科は、脳圧亢進や、脳虚血に対してクリティカルな薬物療法を行うが、それらによる効果の期待できない場合は、速やかな外科的処置を躊躇せず行わなければならない領域である。病態の十分な説明と外科的治療の必要性、そのリスクを含めた説明を患者・家族に行い了解を得て神経外科的治療を行う領域である。各疾患のEBMに基づいた外科的処置の適応を理解し判断を行う必要がある。主には専門医に必要とされる知識も時に研修医にあっても基本的な脳神経外科領域の緊急性の判断は初期研修において必要とされる能力と思われる。重症な脳疾患においては患者自身の判断が困難であるため、家族その他の第三者に治療方針が委ねられることも多く、特に高齢者については特に愛護的な対応を必要とされる。習熟すべき日常業務は一般診療科とも重複する部分もあるが、下記に示す。
1) 処方箋の発行(薬剤選択、薬用量、安全性など)
薬物の作用、副作用、相互作用について理解し、薬物治療(脳圧下降薬、抗てんかん剤、筋緊張
亢進や不随意運動に対する薬剤、脳虚血時脳保護薬、脳血栓溶解剤、抗凝固薬、抗血小板薬、
抗脳血管攣縮剤、降圧剤と昇圧剤(特に注射薬による))、呼吸促進薬剤、DIC治療薬、脳外科疾患によるストレス潰瘍や急性肺水腫治療薬、主に仮性球麻痺や神経因性膀胱により誘発される感染症に対する抗生剤や抗菌薬、パーキンソン症候群治療薬、脳障害によるせん妄、錯乱不穏、軽症鬱や不眠等に対する薬剤などが脳外科疾患にしばしば見られる薬物療法である。脳外科領域では麻薬の使用の機会は少ない。)が出来る。特に、名年齢、病態に合わせた投薬の問題、治療をする上での制限(相互作用、禁忌、禁忌など)等について学ぶ。
 2) 注射薬の施行
皮内、皮下、筋肉、静脈、中心静脈(中心静脈についてもカテーテル刺入が可能なよう指導)
 3) 副作用の評価ならびに対応
 4) 療養指導安静度、体位、食事、入浴、リハビリ、排泄、在宅療養時の環境整備、施設入所時療養方針を含む
 5) 基本的手技気道確保、人工呼吸、胸骨圧迫、ドレーン、チューブ類の管理、創部消毒とガーゼ交換、皮膚縫合などが実施できる。
 
B.経験すべき症状、病態、疾患
研修の最大の目的は、脳神経外科患者(特に脳血管障害と頭部外傷)の呈する症状と身体所見、簡単な検査所見に基づいた鑑別診断、初期治療を的確に行う能力を獲得することである。
 (1) 頻度の高い症状
 1) 頭痛、顔面痛、頚後頭部痛
 2) めまい、ふらつき、意識障害
 3) 嘔気、嘔吐
 4) 片麻痺(一過性を含む)、顔面麻痺、運動麻痺
 5) 四肢運動失調、振戦、不随意運動
 6) 四肢のしびれ等知覚障害(一過性を含む)
 7) 複視、眼瞼下垂、共同偏視
 8) 失語、呂律障害、嚥下障害
 9) 歩行障害
 10) 痙攣発作
 
(2) 緊急を要する症状、病態
 1) 意識障害
 2) 脳血管障害
 3) 外傷
指導医とともに初期治療に参加し、カルテにも記載する。
 (3) 経験が求められる疾患、病態(理解しなければならない基本的知識を含む)
 1) 脳、脊髄血管障害
 2) 頭部、脊椎脊髄外傷
 3) 髄膜炎、脳膿瘍、脳炎
 4) 変性疾患
 5) 認知症性疾患
 
C.脳神経外科研修項目(SBOの Bの項目)の経験優先順位
(1) 経験優先順位第一位(最優先)項目
脳血管障害の検査、診断、初期治療の管理
 →くも膜下出血、脳出血、脳梗塞の各1例を含む5例以上を経験し、
  うち各1例についてレポートを提出する。
頭部外傷の検査、診断、初期治療の管理
 →5例以上を経験し1例についてレポートを作成する。
 →必要な検査(神経放射線学的検査)の指示については出来るだけ自ら実施し診療に活用する。
(2) 経験優先順位第二位項目
認知症性疾患(特にTreatable Dementia)の検査、診断、治療計画の立案
髄膜炎、脳膿瘍、脳炎の検査、診断、治療計画の立案
→受け持ち患者として症例があれば積極的に経験する。
(3) 経験優先順位第三位項目
脊髄血管障害の検査、診断
脊椎・脊髄外傷の検査、診断
脊椎変性疾患の検査、診断
→機会があれば積極的に初期治療に参加し、出来るだけレポートにまとめる。
D.脳神経外科研修項目と「臨床研修到達目標」との対応
原則として金曜日の指導医チェック時に検討し、達成度を評価する(記録を残す)。
 
Ⅵ.指導体制 (研修医に対する研修、カリキュラムの質の保証をします。)
1. 指導医資格
10年以上の脳神経外科臨床経験を有する日本脳神経外科学会認定専門医であること
2. 指導施設資格
上記の資格を満たす指導医が2人以上勤務し、うち1名は15年以上の臨床経験があること
3. 指導医1人に対する研修医数原則として1人までとする
 
 

初期臨床研修プログラム:小児科

安曇野赤十字病院小児科

コース責任者:瀧澤 正浩   指導医:瀧澤 正浩

コースの位置づけ:必修科目として6週間,選択科目として4週間から 一般外来のブロック研修

 

I.一般目標(GIO:General Instrumental Objective)

1. 多くのこどもを診察する。

2. 当直をする際に必用な小児科の知識・技能を修得する。

3. 小児の成長の概略、頻度の高い疾患の診断と治療法、小児蘇生法、こどもの心の発達

等について概略を理解する。

 

Ⅱ.行動目標(SBOs:Specific Behavioral Objectives)

基本的小児科疾患および小児救急医療に対応できるようになるための診断・技術身につける。

1. 一般外来で小児(特に乳幼児)の問診・診察・治療が適切に実施できる。

2. 小児救急疾患に最低限対応できる。

3. 小児への投薬(薬用量)・処方が適切に実施できる。

4. 小児(特に乳幼児)の採血などの処置・血管確保・検査・適切な食事指導ができる。

5. 伝染性疾患(水痘など)を診断でき、他者への感染予防が適切におこなえる。

6. 小児の発達・発育を理解できる。

7. 保護者から適切に情報が得られ、良好な人間関係を築ける。

8. 診療録が適時・適切に記載できる。

9. 小児科において一般小児外来研修をブロック研修により、半日行う。

 

Ⅲ 学習方略(LS: Learning Strategy)

1. 外来診療;1~2年生共通で、小児科外来(一般外来・慢性疾患外来)に参加する。

指導医の指導のもとで外来受診患者の診療、処置を行う。

振り返り;診療録を作成し、診察時に診断・治療について指導医と検討する。

2. 入院診療;1~2年生共通で、入院患者診療に参加する。

指導医と病棟回診をいっしょに行う。指導医の指導のもとで小児科の全ての入院患者に対して検査・投薬などの指示をだす。必要な採血・点滴などの処置を行う。

振り返り;退院時サマリーを作成し、指導医と振り返りを行う。

3. 小児救急;午後の小児科救急患者、第3土曜日の小児科2次救急患者を診察し、診断・治療を行う。

振り返り;診療録を作成し、診察時に診断・治療について指導医と検討する。

4. その他;乳児健診、予防接種に指導医とともに参加する。

 

Ⅳ 学習評価(Ev: Evaluation)

1. 知識:レポート、EPOC対応

2. 技能:診察、技術などに関して観察記録、スケールにて評価;指導医

3. 態度:観察記録評価;指導医、看護師他コメディカル

*レポートすべき項目

咳・痰、嘔吐、便通異常、発疹、結膜の充血

必須項目;

A.一般外来にて小児の問診・診療・治療が適切に実施できる。

(1) 保護者・患児から必要な情報を上手に聞きだせる。

(2) 会話のできない患児からは、患児の状態(動きや泣き方など)から緊急性を察知できる。

(3) 患児にできるかぎり不安を与えずに接し、全身の診察ができ、主要な所見が把握できる。

(4) 基本的な臨床検査が適切に指示でき、その結果を解釈できる。

(5) 基本的な小児科の治療法(食事療法・薬剤の処方・輸液など)の適応決定ができ、実施できる。

B.小児救急疾患に最低限対応できる。

(1) 下記の注1の症状に対し、適切な処置・処方ができる。

(2) 緊急性を察知でき、入院の必要の有無を判断できる。

(3) 下記の注2の疾患が診断でき、適切な治療ができる。

C.小児への投薬(薬用量)・処方が適切に実施できる。

(1) 内服薬(抗生剤・解熱剤・鎮咳剤など)の適切な投与量を理解し、処方できる。

(2) 輸液・抗生剤の適切な投与量を理解し、処方できる。

D.小児(特に乳幼児)の採血などの処置・血管確保・適切な食事指導ができる。

(1) 消化器症状(主に下痢・嘔吐)があるとき、腎疾患(浮腫などのあるとき)、糖尿病の食事指導ができる。

(2) 採血・心電図・腰椎穿刺が実施できる。

E.小児の発達・発育を理解できる。

F.伝染性疾患(水痘など)を診断でき、他者への感染予防が適切におこなえる。水痘・麻疹・流行性耳下腺炎などの感染力の高い疾患を診断でき、自宅での生活・登園・登校の適切な指導ができる。

注1:発熱、嘔吐、下痢、腹痛、頭痛、痙攣、意識障害、咳、喘鳴、呼吸困難、チアノーゼ、耳痛、発疹

注2:急性気管支炎・肺炎、仮性クループ、流行性感染症(インフルエンザやRSウイルスなど)、気管支喘息、熱性痙攣、てんかん、髄膜炎、尿路感染症、急性胃腸炎、腸重積、急性虫垂炎、脱水症

Ⅴ 研修スケジュール

小児科 週間スケジュール

一般小児科外来を小児科研修中にブロック研修として行う

※半日研修を年間で20日間行う

 任意
午前

病棟研修

(8時30分~)

外来研修

(9時30分~)

SBO1~8

OMP

病棟研修

(8時30分~)

外来研修

(9時30分~)

SBO1~8

OMP

病棟研修

(8時30分~)

外来研修

(9時30分~)

SBO1~8

OMP

 

病棟研修

(8時30分~)

外来研修

(9時30分~)

SBO1~8

OMP

技能研修(心エコー、成長ホルモン分泌負荷試験など)

(8時30分~)

病棟研修

 

レポート提出
指導医コメント
午後外来研修
(慢性疾患外来、救急患者)
病棟研修
SBO1~8
外来研修
(慢性疾患外来、救急患者)
病棟研修
SBO1~8

外来研修

(救急患者)

SBO2~5,7,8

乳児健診、予防接種

SBO4,6

外来研修

(救急患者)

SBO2~5,7,8

乳児健診、予防接種

SBO4,6

小児科病棟

カンファレンス

(問題解決、態度)省察~学び

外来研修

(慢性疾患外来、救急患者)

SBO1~8

 
夕方以降 入退院カンファレンス
(問題解決)
省察~学び

抄読会(隔週)

学び

  ケースカンファレンス
(問題解決)
省察~学び
第3土曜日の小児科2次救急日直、当直
 
 

産科婦人科臨床カリキュラム

(信州大学医学部附属病院研修プログラム)
研修責任者:宮本 強

1.研修の特色

信州大学医学部附属病院産婦人科は長野県の基幹病院で、周産期、婦人科腫瘍、生殖医療などの領域で高度な治療を要する患者が多数集まり、県内随一、かつ全国的にみてもトップレベルの診療を経験することができる。年間の分娩は約700件、手術は約250件で、産科婦人科学会認定指導医が中心となり指導にあたる。研修期間中は産科および婦人科をそれぞれ半分ずつの期間で研修する。4週間研修の場合は産婦人科領域の臨床の基本の修得を目指し、それ以上の研修期間の場合は専門性の高い研修を行うなど、バランスのとれた研修ができるようにプログラムが組まれている。将来産婦人科専門医を志す方にはもちろんのこと、それ以外の研修医にも将来の診療科で役立つような研修内容を配慮し、産婦人科の全容を理解し実際の臨床で応用可能なカリキュラムとなっている。

2.研修目標

<一般目標 GIO>
(1)女性特有のプライマリ・ケアを研修する。女性特有の疾患による救急医療を研修する。
思春期、性成熟期、更年期の生理的、肉体的、精神的変化は女性特有のものである。女性の加齢と性周期に伴うホルモン環境の変化を理解するとともに、それらの失調に起因する諸々の疾患に関する系統的診断と治療を研修する。これら女性特有の疾患を有する患者や婦人科悪性腫瘍の患者を全人的に理解し対応する態度を学ぶことは、リプロダクティブヘルスへの配慮あるいは女性QOL向上を目指したヘルスケア等、これからの医療に対する社会からの要請に応えるもので、全ての医師にとって必要不可欠のことである。
 
(2)女性特有の疾患による救急医療を研修する。
卒後研修目標の一つに「緊急を要する病気を持つ患者の初期診療に関する臨床能力を身につける」とあり、女性特有の疾患に基づく救急医療を研修する必要がある。これらを的確に鑑別し初期治療を行うための研修を行う。
 
(3)妊産褥婦ならびに新生児の医療に必要な基本的知識を研修する。
妊娠分娩と産褥期の管理ならびに新生児の医療に必要な基礎知識とともに、育児に必要な母性とその育成を学ぶ。また産褥婦に対する投薬の問題、治療や検査をする上での制限等についての特殊性を理解することは全ての医師に必要不可欠なものである。特に妊娠出産は当科でしか研修できない領域であり、期間中に可能な限り多くの分娩および帝王切開の立ち合いを行う。
 
<行動目標 SBO>
1) 産科関係
1. 妊娠・分娩・産褥ならびに新生児の生理の基本の理解
2. 産科の基本的診察法を習得
3. 妊娠の検査・診断
4. 正常妊婦の外来管理
5. 正常分娩第1期ならびに第2期の管理
6. 正常頭位分娩における児の娩出前後の管理
7. 正常産褥の管理
8. 正常新生児の管理
9. 腹式帝王切開術の経験
10. 流・早産の管理
11. 産科出血に対する応急処置法の理解
12. 妊産褥婦に対する薬物療法の理解
 
2)婦人科関係
1.女性生殖器および骨盤内の解剖の理解
2.婦人科の基本的診察法の理解
3.視床下部・下垂体・卵巣系の内分泌調節系の理解
4.婦人科良性腫瘍の診断ならびに治療計画の立案
5.婦人科良性腫瘍の手術への第2助手としての参加
6.婦人科悪性腫瘍の診断法の理解
7.婦人科悪性腫瘍の手術への参加の経験
8.婦人科悪性腫瘍の集学的治療の理解
9.不妊症・内分泌疾患患者の検査と治療計画の理解
10.婦人科癌の終末期管理
11.婦人科性器感染症の検査・診断・治療計画の理解
12.婦人科救急(急性腹症)の理解
 
3)その他
1.回診やカンファレンスでの症例提示
2.産婦人科診察に関わる倫理的問題の理解
3.母体保護法関連法規の理解
4.家族計画の理解

3.研修方略

(研修期間が4週の場合)
1.婦人科良性疾患入院患者を担当する。(SBO:2)-1,2,4,5,3)-2)
2.婦人科悪性疾患入院患者を担当する。(SBO:2)-1,2,6,7,8,10,3)-2)
3.合併症妊娠を有する入院患者を担当する。(SBO:1)-1,2,3,10,11,12,3)-2)
4.初診時問診、外来見学を行う。(SBO:1)-2,3,4,12,2)-2,11,12,3)-2)
5.分娩症例を担当する。(SBO:1)-5,6,7,8,12,3)-2
6.分娩介助をシミュレーターで体験する。(SBO:1)-6)
7.正常新生児の診察を行う。(SBO:1)-8)
8.回診で症例提示を行う。(SBO:3)-1,2)
9.婦人科手術の助手として手術に参加する。(SBO:2)-4,5,6,7,8)
10.帝王切開の助手として手術に参加する。(SBO:1)-9,2)-1)
11.不妊症症例のカンファレンスに参加する。(SBO:2)-3,9)
12.産婦人科疾患の緊急受診患者の問診、診察を行う。(SBO:1)-10,11,12,2)-11,12,3)-2)
13.他診療科、他職種との合同カンファレンスに参加。(SBO:3) -1,2)
(Advanced (4週以上)の研修の場合追加される項目)
14.正常分娩での会陰裂傷縫合を上級医と共に行う。(SBO:1)-6)
15.選択的帝王切開を上級医指導のもと執刀する。(SBO:1)-9,2)-1)
16.上級医指導のもと子宮鏡検査を行う。(SBO:2) -1,2)
17.人工妊娠中絶症例の診察に参加する。(SBO:2) -2,11,12,3)-2,3,4)
18.羊水検査に参加する。(SBO:3)-2,3)

4.週間予定

(産科)
 
  その他

病棟回診

入院患者診察

分娩担当

初診問診

抄読会

病棟回診

入院患者診察

分娩担当

教授回診準備

病理カンファレンス

病棟回診

入院患者診察

分娩担当

羊水検査

病棟回診

入院患者診察

分娩担当

帝王切開

病理カンファレンス

病棟回診

入院患者診察

分娩担当

帝王切開

 

入院患者診察

分娩担当

帝王切開

外来見学

教授回診

入院患者診察

分娩担当

NICUとの合同カンファレンス

入院患者診察

分娩担当

帝王切開

   

17:15

以降

必要に応じ入院症例カンファレンス

必要に応じ入院症例カンファレンス

必要に応じ入院症例カンファレンス

必要に応じ入院症例カンファレンス

必要に応じ入院症例カンファレンス  

※(金)17:30-18:00 研修医クルスズ

(婦人科)

  その他

病棟回診

入院患者診察

手術

初診問診

抄読会

病棟回診

入院患者診察

教授回診準備

病理カンファレンス

病棟回診

入院患者診察

手術

病棟回診

入院患者診察

手術

初診問診

病理カンファレンス

病棟回診

入院患者診察

手術

 

入院患者診察

教授回診

入院患者診察

手術

外来見学

入院患者診察

手術

外来見学

入院患者診察

手術

 

17:15

以降

必要に応じ入院症例カンファレンス

必要に応じ入院症例カンファレンス

必要に応じ入院症例カンファレンス

必要に応じ入院症例カンファレンス

必要に応じ入院症例カンファレンス  

※(金)17:30-18:00 研修医クルスズ
希望に応じて妊孕部門の診察の見学をスケジュールに組み入れることも可能です。

5.評価

<研修期間の評価>

4週以上の研修が不足なく行われていること。また、研修医は研修において経験した項目について随時PG-EPOCに記録する必要がある。

<研修中の評価>

(形成的評価)

産科および婦人科の研修期間の中間時点と終了時点で、指導医・指導者は形成的評価となるフィードバックを行う。上記以外も必要と判断した場合には随時、指導医・指導者は形成的評価となるフィードバックを行う。

<研修後の評価>

研修医は、当該研修科の研修期間の最終日までに、PG-EPOCの該当項目について自己評価を行う。
自己評価が終了次第、当該科の指導医・指導者(看護師長)にその旨を報告し、評価を依頼する。
 研修中に経験した疾病、症例について病歴要約を作成・提出し、速やかに指導医へ評価を依頼すること。
(形成的評価)
 当該研修科の指導医、指導者は、研修評価表に記載された評価を用い、フィードバックを行う。
・研修医評価票Ⅰに基づく評価
 指導医がA-1からA-4の項目について評価し、印象に残るエピソードを記入する。
・研修医評価票Ⅱ(1-9)に基づく評価
 指導医が、1~9の項目について評価する。
・研修医評価票Ⅲに基づく評価
 指導者(看護師長)が、C-1からC-4の項目について評価し、印象に残るエピソードを記入する。
臨床研修評価表Ⅰ~Ⅲを基に、責任指導医は臨床研修の目標の達成度判定票を作成し、当該研修期間における目標の達成状況を判定する。
(再履修を要する場合)
・理由なく1/3以上の期間を欠勤した場合。
・著しく就労態度が悪い場合。
・その他、再履修の必要性を研修科が認めた場合。
(研修科の総括的)
 当該研修科を修了とするに不十分であると判断された場合、卒後臨床研修センター長と協議し、再履修とする。
※当科の臨床研修指導医は卒後臨床研修センターWebサイトにて確認してください。
 

信州大学医学部 産科婦人科学教室

■住所:〒390-8621 長野県松本市旭3-1-1 ■電話:0263-37-2719(直通)■FAX:0236-39-3160

■E-mail:ifujin@shinshu-u.ac.jp

■U R L:http://www.shinshu-u.ac.jp/faculty/medicine/chair/i-sanfu/

精神科臨床研修プログラム

(城西病院等、城西医療財団研修プログラム)
コースの位置づけ;必修選択科目として4週間、選択科目として4週間から

1.研修理念

将来の専門性にかかわらず,医学・医療の社会的ニーズを認識しつつ,日常診療で頻繁に遭遇する病気や病態に適切に対応できるよう,プライマリ・ケアの基本的な診療能力(態度,技能,知識)を身につけるとともに,医師としての人格を涵養する。


2.医療人としての基本的事項

(1)感性の練磨
患者や家族の苦痛を感じ取れる感性と,それを和らげる知識と技術を持つことは,医療に携わる者にとって重要な事項である。感性の訓練には,患者の訴えに耳を傾けて患者を理解することはもちろんであるが,患者をとりまく人間関係に働きかけて多くの情報を得るとともに,あらゆる角度からその情報を分析して,患者の問題点を明確にすることから始まる。
それを通して患者を深く理解し共感すると同時に,患者や周囲への対応策がみえてくる。これが全人的医療と考えることができる。

(2) コミュニケーション能力の獲得
医療人としてもっとも大事な資質のひとつはコミュニケーション能力である。医師単独で診療することは少なく,患者家族はじめ多くの職種の人々の協力のもとに診療が行われる。この場合に必要なのがコミュニケーション能力である。挨拶し,言葉を交わし話し合う。相手の気持ちを理解し尊重しつつ,自分の考えを述べることができる。相手を傷つけることなく謙虚な態度が必要である。

(3) 筋の通った医療
根拠に基づいた医療を行う。性急な結果だけを求めるのでなく,何故どういう理由で行うか,プロセスを大切にした医療を行う。そのために報告・連絡・相談などをきちんと行い,あるがままの現実を受けとめ,失敗を恐れず,どうしたら事が成せるかを前向きに考えていく態度を習得する。結果として情報開示にも耐えられる医療を行う覚悟が必要である。日常医療行為の中やカンファレンスでなどで質問を繰り返し訓練する。

3.研修の目標

(1) 一般目標(GIO : General Instructional Objectives)
全ての研修医が,研修終了後の各科日常診療の中でみられる精神症状を正しく診断し,適切に治療でき,
必要な場合には適時精神科への診察依頼ができるように,主な精神疾患患者を指導医とともに担当し治療する。
具体的項目
#1プライマリ・ケアに求められる,精神症状の診断と治療技術を身につける。
①精神症状の評価と記載ができる。
②診断(操作的診断法を含む),状態像の把握と重症度の客観的評価法を修得する。
③精神症状への治療技術(薬物療法,精神療法,心理社会療法,心理的介入方法)の基本を身につける。
#2医療コミュニケーション技術を身につける。
①初回面接のための技術を身につける。
②患者・家族の心理理解のための面接技術を身につける。
③インフォームド・コンセントに必要な技術を身につける。
④メンタルヘルスケアの技術を身につける。
#3身体疾患を有する患者の精神症状の評価と治療技術を身につける。
①対応困難患者の心理・行動理解のための知識と技術を身につける。
②精神症状の評価と治療技術(薬物療法,精神療法,心理社会療法,心理的介入方法)の基本を身につける。
③コンサルテーション・リエゾン精神医学の技術を身につける。
④緩和ケアの技術を身につける。
#4チーム医療に必要な技術を身につける。
①チーム医療モデルを理解する。
②他職種(コメディカルスタッフ)との連携のための技術を身につける。
③他の医療機関との医療連携をはかるための技術を身につける。
#5精神科リハビリテーションや地域支援体制を経験する。
①精神科デイケア(ナイトケア・デイナイトケアを含む)を経験する。
②訪問看護・訪問診療を経験する。
③社会復帰施設・居宅生活支援事業を経験し,社会資源を活用する技術を身につける。
④地域リハビリテーション(共同作業所,小規模授産施設)を経験し,医療と福祉サービスを一体的に
提供する技術を身につける。
⑤保健所の精神保健活動を経験する。
(2) 行動目標(SBO : Specific Behavioral Objectives)
1) 症例を担当し,診断(操作的診断法を含む),状態像の把握と重症度の客観的評価法を修得する。
2) 向精神薬(抗精神病薬,抗うつ薬,抗不安薬,睡眠薬等)を適切に選択できるように臨床精神薬理学的な基礎知識を学び,臨床場面で自ら実践できるようにする。同時に適切な精神療法,心理社会療法(生活療法)を身につけて実践する。
3) 家族からの病歴聴取,病名告知,疾患・治療法の患者家族への説明を実践する。
4) 病期に応じて薬物療法と心理社会療法をバランスよく組み合わせ,ノーマライゼーションを目指した包括的治療計画を立案する。
5) コメディカルスタッフや患者家族と協調し,インフォームド・コンセントに基づいて包括的治療計画を実践する。
6) 訪問看護や外来デイケアなどに参加し地域医療体制を経験するとともに,社会復帰施設を見学して福祉との連携を理解する。
7) 身体合併症を持つ精神疾患症例や精神症状を呈する身体疾患症例を体験し,基礎的なコンサルテーション・リエゾン精神医学を修得する。
8) 心身医学的診療を修得する。
9) 緩和ケア・終末期医療,遺伝子診断・治療,移植医療等を必要とする患者とその家族に対して配慮が
できる。

4.研修施設と指導責任者

研修施設 :城西病院
指導責任者 :関 健
研修施設 :神城醫院
指導責任者 :宮城 彰
指導体制 :研修医1名あたりの受け持ち患者を10名程度とし,研修医3名以内に指導医1名が責任をもって監督,指導を行う。

5.研修内容(別紙1参照)

城西病院並びにミサトピア小倉病院、及び関連施設で行う。
(1) 経験する疾患・病態:
A.(自ら受け持ちレポートを作成する)統合失調症(精神分裂病),気分障害(うつ病,躁うつ病),認知症(脳血管性認知症を含む)
B.(自ら受け持つ又は外来で経験する)身体表現性障害・ストレス関連障害
C.(自ら受け持つ又は外来で経験することが望ましい)症状精神病(せん妄),アルコール依存症,不安障害(パニック症候群),身体合併症を持つ精神疾患
D.(余裕があれば外来又は入院患者で経験する)てんかん,児童思春期精神障害,薬物依存症,精神科救急疾患

(2) クルズス:
週2回程度,午前または午後1.5時間のクルズスを受ける。

① 精神医療概論: 外来,入院治療を経て社会復帰に至る精神科医療の特徴を修得する。
② 心理面接法: 初回面接,支持的精神療法等,精神療法の基礎を修得する。
③ 臨床精神薬理: 向精神薬(抗精神病薬,抗うつ薬,抗不安薬,睡眠薬等)の作用・副作用・使用法について修得する。
④ 心理検査: 種類,意義,判読について修得する。
⑤ 脳波検査: 脳波記録法,判読について修得する。
⑥ 精神保健福祉法他: 精神保健福祉法を中心に法と精神医療について修得する。
⑦ 精神障害者福祉と社会復帰活動: 社会復帰施設の種類,地域支援の方法について概要を修得する。
<以下の疾患・病態について病状,治療法の概要を修得する>
⑧ 統合失調症
⑨ 気分障害
⑩ 不安障害(パニック症候群)等神経症圏の疾患
⑪ 睡眠障害
⑫ 認知症を含む器質性精神障害
⑬ ストレス関連障害
⑭ 児童思春期精神障害
⑮ 人格障害
⑯ 精神作用物質・アルコール依存症

(3) 経験する検査:
心理検査1;人格検査(ロールシャッハテスト,MMPI,TAT,バウムテスト等)
心理検査2;知能検査(WAIS-R,田中ビネー,コース立方体等)
その他(長谷川式,MAS等)
脳波検査(睡眠ポリグラフ)
頭部画像診断(CT,MRI)

(4) 経験する診察法
医療面接;初回面接技法,病歴聴取
精神症状の把握と記載
病名告知
インフォームド・コンセント

(5) 経験する治療法
薬物療法;副作用(錐体外路症状,悪性症候群を含む)についても経験する
精神療法;支持的精神療法,心理社会療法(生活療法),集団療法等
行動療法
作業療法
SST
電撃療法
その他;自律訓練法,バイオフィードバック等

(6) 研修概要
a.午 前
① オリエンテーション(1日目午前中のみ)
② 外来患者の診療
・新患患者の予診をとり,陪席する。
・複数の医師の外来を陪診し,多くの症例を経験する。
・入院に至った症例は,受け持つ。
・2週目以降,再来患者では治療の評価を行う。
・精神科専門外来(児童・青年期,てんかん,老年期等)を陪診する。
・1ヶ月程度の経験の後は,再来患者の数症例を受け持ち診療する。
・身体表現性障害,ストレス関連障害(B疾患)は必ず経験する。
・アルコール依存症,不安障害(パニック症候群)を経験する。
・二次救急輪番制当番日に指導医の元で副当直をし,精神科救急疾患の診療を経験する。

* 研修の一般目標
#1.プライマリ・ケアに求められる,精神症状の診断と治療技術を身につける。
#2.医療コミュニケーション技術を身につける。


b.午 後
① 入院患者の診療
・指導医のもとで,症例(10例程度)を担当し,診断(操作的診断法を含む),状態像の把握と重症度の客観的評価法を修得する。
・心理教育(病名告知,疾患・治療法の患者家族への説明)を実践するとともにインフォームド・コンセントを体得する。
・精神科薬物療法及び身体療法(電気けいれん療法等)並びに心理社会療法の基礎を修得する。
・認知症(血管性認知症を含む),気分障害(うつ病,躁うつ病),統合失調症(精神分裂病)(A疾患)は,レポートを提出する。
・症状精神病を経験する。
・身体合併症を持つ精神疾患患者,精神症状を合併した身体疾患患者を指導医並びに一般科医師とともに診療し,コンサルテーション・リエゾン精神医学を修得する。
・週1回程度指導医とともに病棟の当直(副当直)を体験する。
* 研修の一般目標
#3. 身体疾患を有する患者の精神症状の評価と治療技術を身につける。
② チーム医療への参加
・コメディカルスタッフ(薬剤師,看護師,作業療法士,精神保健福祉士,臨床心理技術者,管理栄養士等)と協力し治療(チーム医療)に当たる。
・作業療法・SST等リハビリテーション活動を体験する。
・病棟レクレーション活動及び行事に参加する。
・ケースカンファレンス,スタッフミーティングに参加し,チーム医療の基礎を修得する。
* 研修の一般目標
#4.チーム医療に必要な技術を身につける。
③ 社会復帰活動・地域リハビリテーション・地域ケアへの参加
・デイケア(ナイトケア,デイナイトケアを含む)に,週1回程度参加する。
・共同作業所,授産施設等での地域リハビリテーション活動を見学する。
・社会復帰施設を見学し,医療連携等を体験し,スタッフのカンファランスに出席し,社会資源の活用について修得する。
・指導医の訪問診療に同行する。
・訪問看護師・精神保健福祉士と同行訪問し,地域支援体制を経験する。
・訪問介護に同行する。
・知的障害者福祉施設への訪問診療(嘱託活動)を体験する。
・産業医活動(嘱託活動)を通して職場のメンタルヘルス活動を体験する。
・アルコール依存症集団精神療法に参加する。又,断酒会・AA等に出席し,地域ケアを体験する。

* 研修の一般目標
#5. 精神科リハビリテーションや地域支援体制を経験する。
④ まとめの作業
・中間期(1ヶ月後,2ヶ月後)に指導医の指導を受ける。
・最終週の午後は,レポートの作成,指導医との質疑,評価などに当てる。
⑤ その他
・クルズス,その他院内の研修会及び院外の研究会に参加する。又,管理型病院で開催されるCPCには極力参加する(自らの症例の発表が望ましい)。
・保健所,精神保健センターにおける地域精神保健活動(デイケア等)に参加する。

6.経験目標

A 経験すべき診察法・検査・手技
以下の項目については精神科研修以前に修得していることを前提としている。精神科において患者を受け持つ場合でも必要な項目であり,改めて記載する。
(1) 基本的な身体診察法
病態の正確な把握ができるよう,全身にわたる身体診察を系統的に実施し,記載するために,
① 全身の観察(バイタルサインと精神状態の把握,皮膚や表在のリンパ節の診察を含む)ができ,
記載できる。
② 頭頸部の診察(眼瞼・結膜,眼底,外耳道,鼻腔口腔,咽頭の観察,甲状腺の触診を含む)ができ,
記載できる。
③ 胸部の診察ができ,記載できる。
④ 腹部の診察ができ,記載できる。
⑤ 神経学的診察ができ,記載できる。
(2) 基本的な臨床検査
病態と臨床経過を把握し,医療面接と身体診察から得られた情報をもとに必要な検査の適応が判断でき,結果の解釈ができる。
① 一般尿検査(尿沈渣顕微鏡検査を含む)
② 便検査(鮮血,虫卵)
③ 血算・白血球分画
④ 血液型判定・交差適合試験
⑤ 心電図(12誘導),負荷心電図
⑥ 動脈血ガス分析
⑦ 血液生化学的検査
⑧ 血液免疫血清学的検査(免疫細胞検査,アレルギー検査を含む)
⑨ 細菌学的検査・薬剤感受性検査・検体の採取(痰,尿,血液など)
⑩ 単純X線検査
⑪ X線CT検査
⑫ MRI検査
⑬ 神経生理学的検査(筋電図など)

(3) 基本的手技
基本的手技の適応を決定し,実施するために,
① 気道確保を実施できる。
②人工呼吸を実施できる(バッグ・バルブ・マスクによる徒手換気を含む)
③胸骨圧迫を実施できる。
④圧迫止血法を実施できる。
⑤注射法(皮内,皮下,筋肉,点滴,静脈確保)を実施できる。
⑥採血法(静脈血,動脈血)を実施できる。
⑦穿刺法(腰椎)を実施できる。
⑧導尿法を実施できる。
⑨ドレーン・チューブ類の管理ができる。
⑩胃管の挿入と管理ができる。
⑪局所麻酔法を実施できる。
⑫気管挿管を実施できる。
⑬除細動を実施できる。

(4) 基本的治療法
基本的治療法の適応を決定し,適切に実施するために,
①療養指導(安静度,体位,食事,入浴,排泄,環境整備を含む)ができる。
②薬物の作用,副作用,相互作用について理解し,薬物治療ができる。
③輸液ができる。
④輸血(成分輸血を含む)による効果と副作用について理解し,輸血が実施できる。

(5) 医療記録
チーム医療や法規との関連で重要な医療記録を適切に作成し,管理するために,
①診療録(退院時サマリーを含む)を記載し管理できる。
②処方箋,指示箋を作成し,管理できる。
③診断書,死亡診断書(死体検案書を含む),その他の証明書を作成し,管理できる。
④CPCレポートを作成し,症例呈示できる。
⑤紹介状と,紹介状への返信を作成でき,それを管理できる。

B 経験すべき症状・病態・疾患
研修の最大の目的は,患者の呈する症状と身体所見,簡単な検査所見に基づいた鑑別診断,初期治療を的確に行う能力を獲得することにある。以下の(1)及び(2)については精神科研修以前に修得していることを前提としている。精神科において患者を受け持つ場合でも必要な項目であり,改めて記載する。
(1)頻度の高い症状
1)全身倦怠感
※ 2)不眠
3)食欲不振
4)体重減少,体重増加
5)浮腫
6)発熱
7)頭痛
8)めまい
9)失神
10)けいれん発作
11)視力障害,視野狭窄
12)胸痛
13)動悸
14)呼吸困難
15)嘔気・嘔吐
16)嚥下困難
17)腹痛
18)便通異常(下痢,便秘)
19)腰痛
20)歩行障害
21)四肢のしびれ
22)排尿障害(尿失禁・排尿困難)
23)尿量異常
※ ≪不眠≫については研修修了までにレポートを作成し、提出する。
(2)緊急を要する症状・病態
1) 意識障害
2)急性中毒

C 特定の医療現場の経験
(1) 精神保健・医療
精神保健・医療を必要とする患者とその家族に対して,心身両面及び社会的視点に立って対応するために,
1)精神症状の捉え方の基本を身につける。
2)精神疾患に対する初期的対応と治療の実際を学ぶ。
3)デイケアなどの社会復帰施設や地域支援体制を理解する。
必修項目 精神保健センター,精神病院等の精神保健・医療の現場を経験すること
(2) 緩和・終末期医療
緩和・終末期医療を必要とする患者とその家族に対して,心身両面及び社会的視点に立って対応するために,
1)心理社会的側面への配慮ができる。
2)緩和ケア(WHO方式がん疼痛治療法を含む)に参加できる。
3)告知を巡る諸問題への配慮ができる。
4)死生観・宗教観への配慮ができる。
必修項目 臨終の立ち会いを経験すること

初期臨床研修プログラム:救急科

安曇野赤十字病院救急部

コース責任者:藤田 正人   指導医:藤田 正人・路 昭遠・望月 勝徳・一之瀬 修

コースの位置づけ:必修科目として16週間、選択科目として4週間から

 

I.一般目標(GIO:General Instrumental Objective)

救急というと「救命救急」や「心肺蘇生」などを思い浮かべるかも知れません。しかし、救急現場で提供する医療とは単に救命や疾患治療だけを目的とするのではなく、患者の置かれた生活背景や人生観にも配慮したり、患者自身のみならず家庭や家族、そして時には地域でのニーズを的確に捉えたものでなければなりません。本コースでの救急初期研修ではこのような広い視野を持った医師となることを目指します。

Ⅱ.行動目標(SBOs:Specific Behavioral Objectives)

本コースの幹である救急部での外来診療では内因性・外因性を問わず、全ての救急患者の気道、呼吸、循環、意識といった生命維持に直結する異常をいち早く見極め、同時にそれら異常に対する蘇生処置を遅滞なく行う能力を習得する事にあります。

1. 緊急度と重症度の違いを見極めた基本的な診療が出来る

2. 緊急度が高い気道、呼吸、循環、意識の異常に速やかに対応出来る

3. 訴えの背景にある心理的、社会的な問題に適切に対応出来る

4. 患者および家族との間に適切な人間関係を構築出来る

5. 他科の医師、他の医療機関、各医療職との連携の重要性を学ぶ

6. 指導を受けた事項を速やかに振り返り、自らの研修を改善出来る

7. 診療録を適切に作成出来る

 

Ⅲ 学習方略(LS: Learning Strategy)

救急部での外来診療

・毎日朝8時30分~17時までの日勤帯の救急車や紹介患者、直接来院患者の診療

を担当する。

入院患者診療

・救急部が担当する入院患者の病棟回診、検査計画、治療、退院調整、

家族への病状経過説明などを指導医とともに行う。

夜勤診療

・救急部に限らず、どの診療科をローテーション中であっても月5回前後

の17~23時までの夜勤帯を指導医とともに従事する。日勤帯以上に問診

から検査立案、診断について主体的に関わる。指導医に必ず症例の提示

を行い治療について指導を受ける。

カンファレンス出席

・ICC合同カンファレンス:平日毎朝8時30分からICCにて

・救急部カンファ:平日毎朝ICCカンファ終了後 ER室にて受け持ち入院患者のプレゼンテーションをするため、カンファレンス前に担当患者の診察を済ませておく事。

・内科合同カンファレンス:毎週火曜日16:30~ 医局カンファレンス室にて。救急部ローテーション中は、救急症例のうち最低1例を提示する。

各種教育コースの受講

・必修:ICLS、JPTEC

・任意:ACLS、JATEC、ISLS

1.経験すべき診察法・検査・手技

A.基本的救急診療能力

(1) 問診および病歴の記載

患者との間に良いコミュニケーションを保って問診を行い、総合的に病態を把握できるようになる。病歴の記載は、問題解決志向型病歴を原則とする。

(2) 救急初療診察法

救急診療に必要な基本的態度と技能を身に付ける。

①バイタルサイン ②意識状態の把握 ③内因性疾患の診察法 ④外因性疾患の診察法 ⑤必要に応じて全身をくまなく観察することの重要性を理解し実践する ⑥患者の状態が刻々と変化する場合があることを理解し、経過を追って診察する習慣を身に付ける。

B.基本的救急臨床検査

(1) 放射線検査

1) X線単純撮影検査(指示を的確に出し、正しく読影できる)

2) X線CT検査(指示を的確に出し、正しく読影できる)

3) MRI検査

4) 造影検査

(2) 生理学的検査(指示を的確に出し、結果を正しく判定できる)

(3) 検体検査(指示を的確に出し、結果を正しく判定できる)

(4) 感染症検査

C.基本的治療法

(1) 処方箋の発行

(2) 注射の施行(皮内、皮下、筋肉、静脈)

(3) 副作用の評価ならびに対応

(4) 療養指導(安静度、体位、食事、入浴、排泄、環境整備)

(5) 基本的手技

気道確保、人工呼吸、心肺蘇生法、ドレーン・チューブ類の管理、創部消毒手技、皮膚縫合(局所麻酔を含む)などを実施できる。

2. 経験すべき症状・病態・疾患

A.頻度の高い症状

(1) 意識障害

(2) めまい

(3) 呼吸困難

(4) 胸痛・腹痛

(5) 痙攣発作

(6) 失神

(7) 心肺停止

B.経験が求められる疾患・病態 (基本的知識を含む)

(1) 脳・脊髄血管疾患

(2) 循環器疾患(急性冠症候群、急性心不全、大動脈解離、致死性不整脈)

(3) 呼吸器疾患(肺炎、急性呼吸不全、慢性呼吸不全の急性増悪)

(4) 消化器疾患(急性腹症、吐血、下血、血便を来す疾患、急性膵炎、胃腸炎)

(5) 腎、泌尿器科疾患(急性・慢性腎障害、尿閉、尿管結石、水腎症)

(6) 内分泌疾患(高血糖性・低血糖性昏睡、甲状腺・副腎クリーゼ)

(7) 急性感染症

C.経験が求められる外傷、外因疾患

(1) 頭部外傷

(2) 脊椎・脊髄外傷

(3) 胸部外傷

(4) 腹部外傷

(5) 骨盤外傷

(6) 四肢外傷

(7) 熱傷

(8) 耳鼻科領域、眼科領域外傷

(9) 急性薬物中毒

(10) 偶発性低体温症、熱中症

(11) 気道、消化管異物

3. 2の項目の経験優先順位

A.経験優先順位第一位(最優先)項目

心肺停止患者の蘇生治療、検査・鑑別診断、蘇生後治療計画の立案

外傷患者の初期診療(JATECに準ずる)、治療優先順位の判断

・合計4例以上を経験し、うち1例についてレポートを提出する。

B.経験優先順位第二位項目

脳血管疾患、循環器疾患、呼吸器疾患、消化器疾患の初期治療、検査・鑑別診断、治療計画の立案

・それぞれについて1例ずつレポートを提出する。

C.経験優先順位第三位項目

薬物中毒患者の初期治療、検査・鑑別診断、治療計画の立案

Ⅳ 学習評価(Ev: Evaluation)

1. 知識:レポート、EPOC対応

2. 技能:診察、技術等に関して観察記録、スケールにて評価;指導医

3. 態度:観察記録評価;指導医、看護師、コメディカル

*レポート対応項目:発熱・肺癌・肺炎・気管支喘息・慢性閉塞性肺疾患・呼吸困難

Ⅴ 指導体制

当院救急部は救急医学会指導医1名と専門医3名、非常勤医1名

Ⅵ 研修スケジュール

救急科 週間スケジュール

 
午前

担当患者回診

8:30

ICCカンファレンス、救急カンファレンス

SBO5

担当患者回診

8:30

ICCカンファレンス、救急カンファレンス

SBO5

担当患者回診

8:30

ICCカンファレンス、救急カンファレンス

SBO5

 

担当患者回診

8:30

ICCカンファレンス、救急カンファレンス

SBO5

担当患者回診

8:30

ICCカンファレンス、救急カンファレンス

SBO5

 

救急外来診療

病棟回診

SBO1-7

 

救急外来診療

病棟回診

SBO1-7

救急外来診療

病棟回診

SBO1-7

救急外来診療

病棟回診

SBO1-7

救急外来診療

病棟回診

SBO1-7

午後救急外来診療
病棟回診
SBO1-7

救急外来診療
病棟回診
SBO1-7

内科カンファレンス

救急外来診療

病棟回診

SBO1-7

救急外来診療

病棟回診

SBO1-7

救急外来診療

病棟回診

SBO1-7

 省察~学び省察~学び省察~学び省察~学び省察~学び

地域医療臨床研修プログラム

コースの位置づけ;必修科目として2年次に4週間

地域医療の展開には保健・福祉との連携が欠かせない。市立大町総合病院および穂高病院は,予防・治療・療養・終末期等それぞれのステージの医療を提供しており、また、関連の社会福祉法人で施設・在宅介護サービスを提供している。地域医療はプライマリ・ケアの担い手であり、家庭医、かかりつけ医等様々な側面を持つ総合(診療)医である。短い研修期間ながら、病者に寄り添う医療を学ぶと共に、生活を支える社会資源を認識する。
 
1. 一般目標(GIO:General Instrumental Objective) 
疾病は人の生活を蝕み、生涯を左右する。病を得た人に寄り添い、有用な生き方を支援するために、
(1)診療所における診療を体験し、その役割を理解する。
(2)訪問看護・訪問介護に同行し、アウトリーチ活動を認識する。
(3)急性期・亜急性期・回復期・慢性期(療養)医療の治療ストラテジーを理解し、診療情報を提供できる。
(4)地域包括ケア、ケアマネジメントを理解し、医療保健福祉の多職種からなるチーム医療を認識する。
(5)介護保険施設における医療を体験し、また、終末期医療を認識する。
 
2. 行動目標(SBOs:Specific Behavioral Objectives) 
(1)外来に陪席し、生活習慣病の患者教育を体験する。
(2)介護予防プログラムを体験する。
(3)指導医の下で、外来診療を体験する。
(4)訪問看護師に同行し、訪問看護を見学する。
(5)訪問介護師に同行し、訪問介護を見学する。
(6)介護支援専門員のケアプラン作成を見学し、地域包括ケアの現状を学ぶ。
(7)かかりつけ医との連携を図るため、診療情報提供書を作成できる。
(8)介護老人福祉施設の嘱託医に同行し、嘱託医業務を体験する。
(9)産業医に同行し、産業医活動を体験する。
(10)在宅での看取りを体験する。
(11)健康増進・疾病予防プログラムに参加し、指導法を見学する。
(12)認知症の地域ケアプログラムに参加し、在宅医療を体験する。
(13)介護老人保健施設のデイケアに参加し、高齢者のケアを体験する。
(14)認知症高齢者グループホームを見学し、生活支援を体験する。
(15)ケアハウスを見学し、生活支援を体験する。
 
3. 学習方略(LS: Learning Strategy)
各診療場面に相応しい学習方法を選択し、また、組み合わせて効果的に学ぶ。自習・講義・見学・実習(含陪席)・実地訓練・カンファレンス・討論
 
4.評価(Ev: Evaluation) 
・ 各施設の評価基準に則って、指導医および指導者からの評価を受ける。また、研修医が指導医および指導者を評価する。
・ 研修評価表に自己評価すると共に指導医の評価を受ける。

総合診療科(一般外来)

安曇野赤十字病院一般外来(内科・総合診療科、小児科、地域医療、その他内科領域)

コース責任者:内川慎一郎   指導医:内川慎一郎

コースの位置づけ:必修科目として4週間,基本的に2年次の総合診療科でブロック研修とする。平行研修として小児科・地域医療研・その他内科領域で外来研修する。

 

I.一般目標(GIO:General Instrumental Objective)

総合診療科で並行研修として行われる一般内科外来研修において、症候・病態について適切な臨床推論プロセスを経て解決に導き、頻度の高い慢性疾患の継続診療を行うために、特定の症候や疾病に偏ることなく、主に初診患者の診療に参加できる。

 

Ⅱ.行動目標(SBOs:Specific Behavioral Objectives)

1. 一般内科外来では、指導医の外来を見学しつつ呼び入れ、診療録作成補助、各種オーダー作成補助など担当できる。

2. 一般内科外来では問診票当の情報を元に初診患者の医療面接、身体診察を行い、指導医に報告でき、指導医の指導を理解、実践できる。

3. 一般内科外来では前項2,3のトレーニングを経た後、初診患者、慢性患者を有する再来通院患者の全診療過程(検査、治療、患者への説明、関連する医療行為、他科へのコンサルテーション等、必要な処方薬)について指導されることを理解できる。

4. 一般内科外来では、前項3のトレーニングを経た後、指導医が研修医の診療能力に応じて適切な患者を選択し、前項40の診療過程を単独で行うことができる。(必要に応じて指導医がすぐに相談できる体制をとる)。研修医は診察したすべての患者について指導医に報告することができる。

 

Ⅲ 学習方略(LS: Learning Strategy)

1. 外来診療

・臨床研修2年目で内科研修中は、週1回の外来診療に参加する。また、並行研修として総合診療科において半日または1日の一般内科外来診療を行う。

・指導医のもとで診察、処置を行う。

2. 内科合同カンファレンスへの参加とプレゼンテーション

・担当医として関わっている入院患者について症例提示を行う。

・各診療科からの症例提示から学ぶ。

3. 勉強会

・週1回の勉強会で診断推論、医療安全、コミュニケーション、医の倫理などについて学ぶ。

 

Ⅳ 学習評価(Ev: Evaluation)

1. 知識:カンファレンスでのプレゼンテーション、レポート、EPOC

2. 技能:診察、手技に関して指導医によるスケール評価

3. 態度:指導医、他職種による評価

 

Ⅴ 研修スケジュール

一般外来(並行研修)週間スケジュール(研修医の診療科プログラムの予定で研修日を選択)

※半日ならば年間で20日間、一日ならば年間で10日研修する

 任意
午前または
午後

外来研修

SBO1~4

経験

OMP

SBO1~4

省察〜学び

外来研修

SBO1~4

経験

OMP

SBO1~4

省察〜学び

外来研修

SBO1~4

経験

OMP

SBO1~4

省察〜学び

 

外来研修

SBO1~4

経験

OMP

SBO1~4

省察〜学び

外来研修

SBO1~4

経験

OMP

SBO1~4

省察〜学び

 

レポート提出
 
 

初期臨床研修プログラム:耳鼻咽喉科

安曇野赤十字病院耳鼻咽喉科

コース責任者:佐々木 由美   指導医:佐々木 由美

コースの位置づけ:選択科目として4週間から

 

I.一般目標(GIO:General Instrumental Objective)

一般的な耳鼻咽喉科疾患の病態を理解する。

診療手技を身につけ適切な確定診断・治療計画が出来るようになる。

 

Ⅱ.行動目標(SBOs:Specific Behavioral Objectives)

1. 外来・入院患者を通じて、一般的な耳鼻咽喉科疾患の病態を理解する

2. 適切な病歴聴取ができ、診療録に適切に記載できる

3. 耳鼻咽喉科の診察器具が使えるようになる

4. 耳鼻咽喉科における各種検査・基本的な処置・手術の手技を習得する

5. 耳鼻咽喉科領域について基本的な画像診断評価ができる

6. 症例について関連科に適切なコンサルテーションができる

7. 耳鼻咽喉科的な基本的処置が適切にできる

8. 耳鼻咽喉科的な救急疾患に対して指導医のもと迅速・的確な応急対応を行うことができる

 

Ⅲ 学習方略(LS: Learning Strategy)

1. 必須事項

末梢性めまい 中耳炎 聴覚障害,アレルギー性鼻炎 鼻出血 急性・慢性上気道疾患 頸部腫瘤 頚部リンパ節腫脹を有する症例を経験する。

 

2. 病棟業務

指導医の担当する患者を中心に、指導医とともに診療に携わり、疾患の病態を把握する。検査計画、治療計画の立案をともに立て、検査の指示、処方・点滴の指示が出来るようにする。研修期間中に指導医の支援を受けて外来診療にあたる。

 

3. 各種検査・治療手技

A.各種検査・治療手技についてその適応を理解し、指導医の介助にあたりつつ、検査の流れを体験する。

B.一般的な耳鼻科処置・手術例においては、指導医のもと外科的手技を経験する。

 

Ⅳ 学習評価(Ev: Evaluation)

1. 知識:レポート、EPOC対応

2. 技能:診察、技術等に関して観察記録、スケールにて評価;指導医

3. 態度:観察記録評価;指導医、看護師、他コメディカルⅤ.研修スケジュール

 

Ⅴ 研修スケジュール

耳鼻咽喉科 週間スケジュール

 
午前

外来研修

SBO1〜8

経験

OMP

SBO1〜8

省察〜学び

外来研修

SBO1〜8

経験

OMP

SBO1〜8

省察〜学び

外来研修

SBO1〜8

経験

OMP

SBO1〜8

省察〜学び

 

外来研修

SBO1〜8

経験

OMP

SBO1〜8

省察〜学び

外来研修

SBO1〜8

経験

OMP

SBO1〜8

省察〜学び

 

午後外来研修
病棟研修
手術研修
SBO1~8

 

OMP
SBO1~8
省察~学び

外来研修
手術研修
SBO1~8

OMP
SBO1~8
省察~学び
外来研修
手術研修
SBO1~8

OMP
SBO1~8
省察~学び
外来研修
手術研修
SBO1~8

OMP
SBO1~8
省察~学び
外来研修
病棟研修
(手術研修)
SBO1~8

OMP
SBO1~8
省察~学び
 
 

初期臨床研修プログラム:整形外科

安曇野赤十字病院整形外科

コース責任者:泉水 邦洋   指導医:泉水 邦洋・林 大右・鎌仲 貴之

コースの位置づけ:選択科目として4週間から

 

I.一般目標(GIO:General Instrumental Objective)

整形外科特有の脊椎・四肢の骨・関節系の外傷、変性疾患、腫瘍、炎症性疾患、代謝疾患、先天性疾患などについて学び、プライマリ・ケアに必要とされる基本的知識と診療手技・技術の習得

 

Ⅱ.行動目標(SBOs:Specific Behavioral Objectives)

1. 整形外科治療に必要な基本知識の習得

A.運動器の基礎知識習得

B.骨・関節・軟骨・神経・筋・腱・脈管の解剖、生理習得

2. 整形外科の基本診断と治療に必要な問題解決方法の習得

A.問診と病歴記載

患者の権利を尊重し、良いコミュニケーションを保った問診を行い、問題志向システム(POS)に基づいた診療録(POMR)の記載につとめる

B.整形外科診察法

(1) 視診

(2) 触診

(3) 関節可動域評価

(4) 深部腱反射、筋力評価、知覚評価

(5) 神経症候学

(6) 各疾患特有の誘発テスト

3. 基本的整形外科臨床検査の理論と評価法の習得

A.単純X線

B.CT

C.MRI

D.関節造影検査

E.脊髄造影検査

F.神経根造影検査

G.椎間板造影検査

H.電気生理学的検査

I.骨密度測定

4. 整形外科の基本的処置・治療法の習得

A.適切な薬剤の選択、用量・用法の指示による処方箋発行

B.無菌的処置

C.関節穿刺・関節内注射

D.各種神経ブロック(トリガーポイント・硬膜外ブロック・神経根ブロックなど)

E.骨折・脱臼の徒手整復、ギプス固定、包帯固定、各種補助固定

F.鋼線牽引

G.開放創の処置

H.麻酔法(局所麻酔・伝達麻酔・静脈麻酔・腰椎麻酔など)

I.義肢、装具の処方と適合性の判定

5. 整形外科の一般的な急患に対する迅速かつ的確な処置法の習得

 

Ⅲ 学習方略(LS: Learning Strategy)

1. 必須事項

末梢性めまい 中耳炎 聴覚障害,アレルギー性鼻炎 鼻出血 急性・慢性上気道疾患 頸部腫瘤 頚部リンパ節腫脹を有する症例を経験する。

 

2. 病棟業務

必須項目である腰痛、関節痛、歩行障害、四肢のしびれを有する患者を診療し、骨折、関節靭帯損傷、脊椎疾患、慢性関節リウマチなどの関節疾患、骨粗鬆症などを経験する

外来研修:指導医・上級医の支援を受け共に診療を行う

病棟研修:指導医の担当患者を中心に入院患者の診療を指導医・上級医と共に行う

検査研修:指導医・上級医の指導の下、一般的な検査は施行できるようにする

手術研修:指導医・上級医の指導の下、一般的な整形外科処置・手術は施行できるようにする

カンファレンス:症例検討会に参加し、積極的に討論に参加する

 

Ⅳ 学習評価(Ev: Evaluation)

1. 知識:レポート、EPOC対応

2. 技能:診察、技術等に関して観察記録、スケールにて評価(指導医)

3. 態度:観察記録評価(指導医・看護師他コメディカル)


Ⅴ 指導体制

7年以上の整形外科臨床経験を有する日本整形外科学会認定医あるいは各専門学会の専門医


Ⅵ 整形外科研修医の必要性
厚生労働省の平成22年国民生活基礎調査において、有訴率の割合は、腰痛・肩こり・関節の痛みが男女ともにベスト5に入っており、非常に整形外科的症状を有する人が多いことが分かります。また、要介護・支援が必要になった原因は整形外科疾患で約21.1%を占めております。今後さらに高齢化が進むわが国においては、高齢者の有病率が高い整形外科的疾患の知識はすべての科の医師に必要となると考えます。救急外来診療において、整形外科的知識がほとんどない研修医が多くみられ、その先生方の将来が危惧されます。


Ⅶ 研修スケジュール

整形外科 週間スケジュール

 
午前

病棟回診

SBO1-4

(手  術)

外来診療

SBO1-5

(手  術)

外来診療

SBO1-5

病棟回診

SBO1-4

(手  術)

外来診療

SBO1-5

午後

手  術

SBO1,4

検  査
SBO1,3,4
(手  術)
手  術
SBO1,4
検  査
SBO1,3,4
病棟カンファレンス
SBO1-3
手  術
SBO1,4
 整形外科研修のポイント
○脊椎疾患の症例が多い
○外傷は、多発外傷を含み多種多様で、緊急手術を要する重症患者も多い
○他診療科との横の連携を密にしている

初期臨床研修プログラム:泌尿器

安曇野赤十字病院泌尿器科

コース責任者:村田 靖   指導医:村田 靖

コースの位置づけ:選択科目として4週間から

 

I.一般目標(GIO:General Instrumental Objective)

泌尿器科の研修により、“尿道カテーテル留置の技の習得” “尿路の緊急事態を理解し必要時は泌尿器科医をコールできる” “将来の一般診療にも役に立つ尿路の知識を学び尿路の理解を深め習得する” “腰椎麻酔を実施する”ことを目指します。

主に、“解説と実践”を繰り返しフィードバックしながら経験値を上げる事を目標にしており“自己評価”で成長を実感していただければ幸いです。

また、エコーを使うなどして様々な手技の“見える化”を心がけています。患者様の季節変動も多く、研修期間や季節によっては体験できない場合や腰椎麻酔などは経験症例が少ない場合もありますがご了承ください。

以下については、項目ごとにまとめて記載しました。

 

Ⅱ.行動目標(SBOs:Specific Behavioral Objectives)

 

Ⅲ 学習方略(LS: Learning Strategy)

 

Ⅳ 学習評価(Ev: Evaluation)

1. SBOs;男性に尿道カテーテルを留置、あるいは、留置せず撤退し泌尿器科医をコールできるようにする。

LS;腰椎麻酔時に、経直腸エコーガイド下に尿道カテーテルを留置することにより、尿道のどこを通過するとどんな手ごたえがあるか視覚と触覚で確認する。また、尿道のどこで通過障害が起きるかなども解説。

Ev;指導医がエコー画像を共有し説明しながら観察し、研修医が手ごたえを実感できたか、理解できたか評価する。

2. SBOs;尿路感染症のEmergencyに対応できる。

LS;尿路閉塞を伴う尿路感染症の過去症例を検討し、ドレナージしなかった場合とドレナージした場合の経過を確認する。尿のグラム染色と抗生剤の選択について、“熱病”の表をもとに解説。

Ev;研修医自身が理解できたか、自己評価。(指導医と研修医が会話を通して、必要に応じて追加説明をしながら理解できる事を目指しています)

3. SBOs;その他の泌尿器科のEmergencyを理解する。

LS;症例があれば、腎後性腎不全、急性陰嚢症、尿閉などの診察をする事により評価と初期治療を学ぶ。

Ev; 研修医自身による自己評価。

4. SBOs;外来受診患者の“現在の問題点”に対する“鑑別診断”を考えることができる。

LS;書籍“5-minute urology consult” に基づき、“現在の問題点”に対する“鑑別診断”を列挙し、尿路の訴えに対する診断へ至るまでの考え方の糸口を提示する。

EV;研修医による自己評価。その後の診療時に、“現在の問題点”に対する“鑑別診断”を考える(または書籍を見る)ことができるようになったか、自己評価。 

5. SBOs;尿路、男性生殖器の解剖を画像、診察、手術時に理解できる。解剖に基づき、生理を理解する。

LS;実際の患者様のCTやエコー所見とともに系統解剖、膜解剖の書籍を確認、腰椎麻酔時の診察、エコーガイド下の直腸診、術前の画像と手術時の所見の比較などを通して、できるかぎり “見える化”を図り尿路の理解を深める。

EV;画像や診察、実際の身体所見の解説時にまず研修医に説明を求め、指導医が理解度を評価しながら説明を繰り返すことにより理解を深める。最終的には研修医による自己評価。

6. SBOs;腰椎麻酔ができる。

LS;腰椎麻酔の手技を解説し、腰椎麻酔の手術の機会を利用し実践する。

EV;経験と説明を重ねて上手くいかない場合はその理由を説明するなどフィードバックを繰り返し、腰椎麻酔が適切にできるようになった時点でOKとする。


初期臨床研修プログラム:麻酔科

安曇野赤十字病院麻酔科

コース責任者:坪川 和範   指導医:坪川 和範

コースの位置づけ:選択科目として4週間から

 

I.一般目標(GIO:General Instrumental Objective)

周術期管理を通じて、麻酔科医の役割を理解し、基本知識および手技を見につける。臨床におけるいかなる緊急時にも即応できる医師を育成する。手術患者の術前診察、麻酔計画、手術麻酔、術後診察を通じて、プライマリ・ケアに必須の診察態度・全身状態の評価、各種臓器不全状態の評価と対策ならびにその有効について検証し、診断・治療の基本を学習する。

1. 手術時の各種麻酔法の習得

2. 術前術後の患者管理法の習得

3. 蘇生の基本的手技の習得

 

Ⅱ.行動目標(SBOs:Specific Behavioral Objectives)

1. 術前の病歴聴取・身体診察から全身状態を評価し、適切な術前準備を行うことができる。

2. 患者や家族に麻酔の目的・方法・合併症について説明することができる。

3. 患者の術前状態、手術侵襲を考慮し、適切な麻酔方法を選択することができる。

4. 適切な術後疼痛管理を行うことができる。

 

Ⅲ 学習方略(LS: Learning Strategy)

手術に参加し麻酔領域における基本知識および技能を習得する。 

1. 基本的麻酔科診察法

A.診療記録の作成

(1) 術前回診と全身状態の評価

(2) 麻酔の説明と同意取得

(3) 麻酔記録

(4) 術後回診と合併症管理

(5) 副作用・合併症経過

B.麻酔科診察法

(1) 視診:皮膚(色・浮腫・皮疹)、爪床(色・血流)、粘膜(色・湿潤度)、

目(瞳孔の大きさ、反応性)、胸郭の動き(対称性・呼吸パターン・呼吸数)、

術野(血液の色・出血量)

(2) 触診:皮膚(湿度・浮腫)、動脈拍動(大きさ・拍数・リズム・アレンテスト)

(3) 聴診:呼吸音(強弱・雑音・喘鳴・左右差)、心音、血圧(非観血的血圧測定法)、

経鼻胃管(挿入・胃内空気の吸引または注入)

2. 基本的麻酔科臨床検査

A.血液検査:貧血、凝固系異常、肝機能障害、糖尿病など

B.胸部X線写真:気胸、血胸、無気肺、片肺挿管

C.心電図:心房細動、心室性期外収縮、房室ブロック

3. 基本的治療法

A.局所麻酔、腰椎麻酔、各種吸入麻酔剤による全身麻酔

 

Ⅳ 学習評価(Ev: Evaluation)

1. 知識:レポート、EPOC対応

2. 技能:診察、技術等に関して観察記録、スケールにて評価;指導医

3. 態度:観察記録評価;指導医、看護師、他コメディカルⅤ.研修スケジュール


Ⅴ 研修スケジュール

麻酔科 週間スケジュール

 
午前

麻酔機器準備

症例検討会

術後回診

術前回診

麻酔管理

麻酔機器準備

症例検討会

術後回診

術前回診

麻酔管理

麻酔機器準備

症例検討会

術後回診

術前回診

麻酔管理

麻酔機器準備

症例検討会

術後回診

術前回診

麻酔管理

麻酔機器準備

症例検討会

術後回診

術前回診

麻酔管理

午後

麻酔管理

術後回診

麻酔管理

術後回診

麻酔管理

術後回診

麻酔管理

術後回診

麻酔管理

術後回診


小児科臨床研修プログラム

(信州大学医学部付属病院研修プログラム)

選択科として4週間から

研修責任者 中沢 洋三

 

1.研修科の特色

小児科は、専門診療から保健・予防医療まで幅広く包括的な知識と技能、人間性が求められる総合診療科です。長野県内を中心とする地域と国内外の小児医療・成育医療の発展のために、健診や予防接種、育児相談などのプライマリーケア、救急・集中治療、高度専門医療、新生児・周産期医療、病態や治療方法の研究、遺伝子診断などに幅広く取り組んでいます。

 臨床研修においては、小児を総合的に診るための態度と知識と技能を身につけることが大切であると考え、小児期特有の生理学、成長・発達の基本を踏まえた上での基礎的な診療技術を学びます。

 大学病院という特色上、難治性疾患が多いことから、一人一人の患者さんにじっくりと関わり、病態生理や鑑別診断、治療の基本から発展について広い視野を持ち、幅広く学ぶことを目的とします。当科には八の専門診療グループがあり、それぞれ高度な専門的診療を行っていますが、入院診療においてはチーム制を導入し、異なった専門分野の担当医がグループ診療を行っています。研修医は診療チームの一つに所属し、担当患者さんの日々の診療を通して、総合診療能力を高めることができます。

 院外研修として教育関連病院を選択した場合、第一線の緊張感のある小児医療を経験できます。また、長野県立こども病院での研修も希望により可能です。

 こどもたちと向き合い、成長・発達を支えることで、やりがいをしっかりと体験できるのが当科の研修の大きな魅力です。

 

2.研修目標

<一般目標 GIO>

小児の基本的な診療が可能となるために、小児の特性について把握し、小児期特有の疾患について幅広く学び、患者の発達段階に応じた診察技術を習得する。

 
<行動目標 SBO>

1. 患者の発達段階に配慮して保護者も交えたコミュニケーションを図り、病歴や症状、家族歴を適切に聴取できる。

2. 好発年齢を考慮した鑑別疾患を列挙できる。

3. 小児・新生児のスムーズな診察を行うことができる。

4. 身体的成長や運動・精神発達を評価し、病態との関連性を解釈できる。

5. 患者の発達段階に応じたわかりやすい表現を用いて、病態や検査の必要性などについて患者本人・保護者へ説明ができる。

6. 小児に特有の病態をアセスメントし、鑑別診断に必要な検査を系統立てて選択できる。

7. 成人との相違点に注意しながら検査結果を評価し、指導医・上級医の下で患者本人・保護者へ説明できる。

8. 指導医・上級医の指導の下で、採血、末梢静脈路確保、胃チューブ挿入、導尿、浣腸、腰椎穿刺、骨髄穿刺などの手技を実施できる。

9. 検査および処置時の鎮静・鎮痛に関して、安全性を確保しながら適切な方法を選択できる。

10. 新生児・小児の蘇生法について理解し、シミュレーターを用いて実践できる。

11. 発熱、不機嫌、発疹、頭痛、腹痛、気道症状など、小児に頻度の高い症状について診察ができる。

12. 小児救急において尿路感染症、中耳炎、化膿性髄膜炎、急性脳炎、腸重積、虫垂炎、心筋炎などの見逃してはならない疾患について想起できる。

13. 川崎病、てんかん、肥満、糖尿病、腎炎、悪性腫瘍、炎症性腸疾患、新生児の呼吸障害・黄疸・周産期感染症など主要な小児疾患の病態を理解し、指導医・上級医の下で基本的な診療ができる。

14. 小児の希少・難治性症例について最新の知識を検索することができ、実臨床と関連づけられる。

15. 小児の輸液や抗菌薬・抗けいれん薬など基本的な薬剤について、適切な投与量を計算し投与できる。

16. 診療について診療録に正確かつ過不足無く記載できる。

17. 乳幼児健診について理解し、指導医・上級医の下で実施できる。

18. 予防接種の適応と禁忌について理解し、指導医・上級医の下で実施できる。

19. 他職種と情報を適切に共有し、良好な役割分担を行い、協働してチーム医療ができる。


3.研修目標

(研修期間が4週の場合)

1. (SB01~9,11,13~16,19)様々な年齢層、発達レベルにある入院患者の診療を担当する

2. (SB02~9,11,13~16,19)チームカンファレンスや総回診で担当患者の評価と検査・治療方針を発表する

3. (SB03,5,6,8,9,15,16,19)小児の採血、末梢静脈確保、胃チューブ挿入、導尿、浣腸、腰椎穿刺、

骨髄穿刺などの侵襲性を伴う診療手技については、見学ののち上級医の指導の下で実践する

4. (SB05,6,7,9,16)心エコー、腹部エコー、脳波判読について、上級医の指導の下で経験する

5. (SB01,2,4,5,7,14)担当した患者について症例レポートおよび退院時サマリを作成する

6. (SB03,4,6,7,17,19)1か月健診を上級医の指導の下で行う

7. (SB06,8,18)予防接種を上級医の指導の下で行う

8. (SB01~4,11,12,16,19)上級医の夜間急病センター勤務に帯同し、指導の下で小児救急疾患の診療を

行う

9. (SB01~7,11~14)上級医とともに専門外来の診療にあたる

10. (SB010)新生児の心肺蘇生についてシミュレーション研修を受講する

11. (SB014)診療に関連性のある学術論文を検索し、必要な医学情報を取得する

12. (SB014)抄読会にて精読した学術論文についてプレゼンテーションを行う

13. (SB014)担当した症例について学会等で発表する

(Advanced (4週以上)の研修の場合追加される項目:本人の希望による)

14. (SB01~10,13~16,19)新生児病棟(NICU)での臨床研修を行う


4.週間予定

  その他
午前

病棟研修

処置

診療録記載

外来処置

または

小児科外来

病棟研修

処置

診療録記載

外来処置

または

小児科外来

病棟研修

処置

診療録記載

外来処置

または

小児科外来

病棟研修

処置

診療録記載

外来処置

または

小児科外来

病棟研修

処置

診療録記載

外来処置

または

小児科外来

休日は受け持ち患者の状態に合わせて、上級医とともに診療
(任意)
午後 追加診察
検査・処置
16時チームカンファレンスラウンド
追加診察
13時半総回診
16時チームカンファレンス
17時 抄読会

外来研修

(救急患者)

SBO2~5,7,8

乳児健診、予防接種

SBO4,6

外来研修

(救急患者)

SBO2~5,7,8

乳児健診、予防接種

SBO4,6

追加診察

1か月健診

16時チームカンファレンス

ラウンド

 
17:15
以降
 


   
月に1回
(主に月曜日)
市内の初期急病センターにて診療
 ※(金)17:30~18:00 研修医クルズス
注1;外来処置は週に1回程度
注2:小児科外来研修は期間中に1~2回程度、希望により複数回も可
注3:午後の追加診察は患者の状態に合わせて実施


5.評価

 <研修期間の評価>
4週以上の研修が不足なく行われていること。また、研修医は研修において経験した項目について随時PG-EPOCに記録する必要がある。

<研修中の評価>
(形成的評価)
1. 日々の診療で評価し実施したことについてチームカンファレンスで報告し、指導医・上級医の指導を受ける
2. 侵襲的な処置などを行う際には指導医・上級医に報告の上で行い、終了後に行った手技の適否についてフィードバックをうける
3. 診療録に記載した内容は全て指導医・上級医の確認・指導を受ける
4. 患者やその家族の関係の持ち方について、看護師長や看護チームリーダーからの観察内容を指導医が報告を受け、その適否について研修医へフィードバックする

<研修後の評価>

研修医は、当該研修科の研修期間の最終日までに、PG-EPOCの該当項目について自己評価を行う。
自己評価が終了次第、当該科の指導医、指導者(看護師長)にその旨を報告し、評価を依頼する。
研修中に経験した疾病、症状について病歴要約を作成・提出し、速やかに指導医へ評価を依頼すること。
(形成的評価)
 当該研修科の指導医、指導者は、研修医評価票に記載された評価を用い、フィードバックを行う。
・研修医評価票Ⅰに基づく評価
指導医・指導者(看護師長)が、A-1からA-4の項目について評価し、印象に残るエピソードを記入する。
・研修医評価票Ⅱ(1-9)に基づく評価
 指導医・指導者(看護師長)が1~9の項目について評価する。
・研修医評価票Ⅲに基づく評価
 指導医・指導者(看護師長)が、C-1からC-4の項目について評価し、印象に残るエピソードを記入する。
臨床研修評価票Ⅰ~Ⅲを基に、責任指導医は臨床研修の目標の達成度判定票を作成し、当該研修期間における目標の達成状況を判定する。
(再履修を要する場合)
・著しく欠勤した場合
・その他、再履修の必要性を当科が認めたもの
(研修科の総括的評価)
 当該研修科を修了とするに不十分であると判断された場合、卒後臨床研修センター長と協議し、再履修とする。
※当科の臨床研修指導医は卒後臨床研修センターWebサイトにて確認してください。

信州大学医学部 小児医学教室

■住所:〒390-8621 長野県松本市旭3-1-1 ■電話:0263-37-2642(直通)■FAX:0263-37-3089

■E-mail:child@shinshu-u.ac.jp

■U R L : http://www.shinshu-u.ac.jp/faculty/medicine/chair/i-shoni/



臨床検査部・病理診断科 臨床研修プログラム

(信州大学医学部付属病院研修プログラム)

選択科として4週間から

研修責任者 上原 剛

 

1.研修科の特色

当科では研究業務と診断業務の両方に力を注いでいます。

診断業務に関しては外科病理医、臨床検査医それぞれの立場から各科と関わっています。

外科病理医(Anatomical Pathologist)は癌をはじめとする多くの疾患の確定診断に欠くことのできない

存在となっています。臨床医の求めている情報を的確に提供しなければならない為、豊富な知識が要求されます。当科では遺伝子診断をはじめとし、あらゆる最先端の技術をとり入れて外科病理学に応用し、的確で有用な診断を提供しています。また臨床各科と様々な検討会を開催し診断精度の向上や要求に応えられるよう努力しています。

臨床検査医(Clinical Pathologist)もまた適切な検査の施行、検査の精度管理および臨床医のアドバイスなど、効率よく正しい検査を行うためになくてはならない存在となっています。当科でも感染制御など多くの部門で臨床検査医が各科と密な連携をとり、医療の質の向上に努めています。

研究分野では消化管粘液の研究、様々な分野での臨床医とのコラボレーションが行われています。また当科には30名以上の臨床検査技師がおり様々な技術や知見を有しています。彼らとの共同研究も盛んに行われています。

 

2.研修目標

<一般目標 GIO>

医療を適切に行ってゆく上で病理検査や臨床検査が必要不可欠であることを理解する。

臨床像と病理所見、検査所見を一連の流れで理解し、自身の病態理解や診断能力の向上につなげる。

<行動目標 SBO>

病理検査:病理診断の役割と適応、限界を理解している

1. 臨床的事項と病理診断との関連性を説明できる

2. 臨床医に対して、病理診断に必要かつ十分な病歴を求めることができる

3. 一般的な悪性腫瘍のstaging,gradingを理解し、切り出しの意義を説明できる

4. 一般的な外科病理検体の病理診断について、鑑別診断を含めて説明できる

5. 一般的な外科病理検体に対して、適切な病理診断報告書を作成できる

6. 病理診断における一般的な特殊染色の必要性を理解している

7. 疾患の診断に関連する分子病理学について基礎的な原理と適応を知っている

8. 術中迅速組織診断の適応(意義)、手技、問題点、診断の限界を知っている

9. 細胞診の適応、長所、限界を知っている

10. 病理解剖で観察すべき臓器所見について述べることができる

臨床検査:臨床検査の役割と適応、限界を理解している

1. 臨床的事項と検査との関連性を説明できる

2. 各種検査の測定法の原理を説明できる


3.研修方略

(研修期間が4週の場合)

1. (SB0 1,6,7) 病理部門、検査部門の業務の理解と臨床との関連性について学ぶ

2. (SB0 2,3,8,9) 外科材料受付、切り出し、迅速診断実習

3. (SB0 1,6,7)特殊染色、電子顕微鏡など実習

4. (SB0 3,4,5,6,10)病理診断業務ローテーション参加

* 臨床検査をさらに学ぶことも可能

** また最初から検査部門のみも可能


(Advanced(4週以上)の研修の場合追加される項目)

* 臓器を絞って追加研修可能

** 学会での報告可能 


 

4.週間予定

  その他
午前

症例検討会

切り出し

症例検討会

切り出し

症例検討会

切り出し

迅速診断

症例検討会

切り出し

症例検討会

切り出し

症例検討会

切り出し

午後 病理診断 病理診断
部検症例検討会
抄読会

病理診断

迅速診断

病理診断

病理診断

 部検研修
各種セミナー
17:15
以降
  各種検討会
CPC(18:00-19:00)
   各種検討会  
 ※(金)17:30~18:00 研修医クルズス

5.評価

 <研修期間の評価>

4週以上の研修が不足なく行われていること。また、研修医は研修において経験した項目について随時PG-EPOCに記録する必要がある。

<研修中の評価>

(形成的評価)
 研修中に当科内で研修医が担当した症例の報告会を行い、スタッフ、医員を含め全員で研修内容の評価を行う。その際に不足部分を話し合って、残りの研修内容を修正する。

<研修後の評価>

研修医は、当該研修科の研修期間の最終日までに、PG-EPOCの該当項目について自己評価を行う。
自己評価が終了次第、当該科の指導医、指導者(看護師長)にその旨を報告し、評価を依頼する。
研修中に経験した疾病、症状について病歴要約を作成・提出し、速やかに指導医へ評価を依頼すること。
(形成的評価)
 当該研修科の指導医、指導者は、研修医評価票に記載された評価を用い、フィードバックを行う。 
・研修医評価票Ⅰに基づく評価
 指導医・指導者(看護師長)が、A-1からA-4の項目について評価し、印象に残るエピソードを記入する。
・研修医評価票Ⅱ(1-9)に基づく評価
 指導医・指導者(看護師長)が、1~9の項目について評価する。
・研修医評価票Ⅲに基づく評価
 指導医・指導者(看護師長)が、C-1からC-4の項目について評価し、印象に残るエピソードを記入する。
臨床研修評価票Ⅰ~Ⅲを基に、責任指導医は臨床研修の目標の達成度判定票を作成し、当該研修期間における目標の達成状況を判定する。
(再履修を要する場合)
・就業時間内に必要十分な業務を行わない場合
・病理検査の意義を理解できない、適切な診断を行えない場合
・臨床検査の意義を理解できない、適切な判断を行えない場合
・臨床検査部医師、コメディカルと適切なコミュニケーションが取れない場合
(研修科の総括的評価)
当該研修科を修了とするに不十分であると判断された場合、卒後臨床研修センター長と協議し、再履修とする。
※当科の臨床研修指導医は卒後臨床研修センターWebサイトにて確認してください。

信州大学医学部付属病院 臨床検査部・病理診断科

■住所:〒390-8621 長野県松本市旭3-1-1 ■電話:0263-37-2805(直通)■FAX:0263-37-5316

■U R L : http://www.shinshu-u.ac.jp/hp/bumon/i-chuken/index.html


放射線科(診断・IVR)臨床研修プログラム

(信州大学医学部付属病院研修プログラム)

選択科として4週間から

研修責任者 藤永 康成

 

1.研修科の特色

近年、放射線診療を担う医療機器の発展・進歩はめざましく、臨床の現場において必要不可欠なツールとなっている。超音波検査(US)は無侵襲でリアルタイムに病変の評価が可能である。CTは高速かつ広範囲な撮影が可能で、詳細な解剖学的情報を得ることができる。MRIは、組織コントラストに優れており、解剖学的な情報のみならず、組織の血流や水分子の拡散などの血流や機能情報も得ることが可能である。核医学検査では、臓器や疾患の代謝に関わる情報が得られ、機能診断が可能である。疾患に対して各モダリティーの適応や画像所見を総合的に考えて、適切に画像診断を進めるには修練が必要である。

IVRでは、細径のカテーテルを血管内に挿入して行う肝癌に対する肝動脈化学塞栓療法、外傷や手術後、分娩後の出血、喀血や動脈瘤に対する動脈塞栓術などを行える。また、画像誘導下で穿刺し施行する組織生検、膿瘍ドレナージ、経皮的椎体形成術、血管腫・血管奇形に対する硬化療法、中心静脈カテーテル留置なども施行可能である。このように、IVRの手技や適応は多岐にわたる。

当科を研修することで、多様な症例を通して画像診断の基本を習得し、IVRについては基本的な手技の適応を習得するとともに実際の手技を経験できる。

 

2.研修目標

<一般目標 GIO>

医師として基本的な態度・習慣を身に付ける。

各種画像診断法(X線撮影、CT・MRI・核医学検査・超音波検査)の適切な検査の実施および読影の進め方を身につける。

画像下治療(interventional radiology;IVR)に必要な知識および手技を身につける。


<行動目標 SBO>

全般

1. 診察所見、医療行為を診療録に記載できる

2. 医療チーム内での情報共有ができる

3. 適切な医師患者関係を形成できる

診断

4. 各種画像診断法の基本原理、基本的な撮像法、適応、禁忌を理解する

5. 各種画像診断法で用いる造影剤の特徴、副作用、適応、禁忌を理解する

6. 適切な造影ルートの確保ができる

7. 読影装置の操作ができる

8. 正常解剖、代表的な正常差異を理解する

9. 代表的疾患における異常像、画像所見を理解する

10. 読影レポート作成方法を理解する

IVR

11. 各種IVR手技の基本原理、手順、適応、禁忌を理解する

12. 動脈穿刺および止血ができる

13. 基本的なカテーテル操作、塞栓物質の取り扱いができる

 

3.研修方略

(研修期間が4週の場合)

1. (SBO  1~13) 画像診断研修を週10コマ(1コマは午前9:00~12:00もしくは午後13:00~17:30の

診療時間)行う。これにはX線写真・CT・MRIの読影研修、CT・MRIの検査実施研修、超音波検査研

修、IVR研修、核医学検査研修が含まれる。

2. (SBO 2,7,8,9,11) 朝カンファランス(毎朝8:00)、IVR症例検討会(毎週月曜日 19:30)に参加し、

症例検討および症例提示を行う。

3. (SBO  2,7,8,9) 臨床各科との合同カンファランスに参加し、症例検討を行う。


(Advanced(4週以上)の研修の場合追加される項目)

4. 後期臨床研修予定科に特化した画像診断・IVR研修

5. 希望に応じて放射線治療研修を任意の期間選択

 

 

4.週間予定

  その他
午前

朝C

(8:00~9:00)

CT

朝C

(8:00~9:00)

MRI

朝C

(8:00~9:00)

核医学

朝C

(8:00~9:00)

CT

朝C

(8:00~9:00)

超音波

緊急IVR

午後 MRI

X線写真読影
CT

X線写真

IVR

MRI


X線写真

CT

X線写真

緊急IVR
17:15
以降
 医局会
IVR 症例検討会
(毎週19:30~20:00)
脳神経C
(隔週17:30~19:00)
精神科C
(隔週17:30~19:00)
婦人科C
(隔週17:30~19:00)
 肝胆膵C
(隔週19:30~20:30)
病理C
(毎月19:30~20:30)
 呼吸器C
(毎週17:00~18:00)
 研修医クルスズ
(17:30~18:00)
 緊急IVR
 C: conference
各科とのconference、緊急IVRは任意。
医局会、conferenceは場合によってオンライン開催になる可能性あり。

5.評価

 <研修期間の評価>

4週以上の研修が不足なく行われていること。また、研修医は研修において経験した項目について随時PG-EPOCに記録する必要がある。

<研修中の評価>

(形成的評価)
・指導医および上級医が適宜口頭で試問し、研修者の理解が適切であるかを確認する。
・研修者が手技を行った際には、指導医または上級医が終了直後に評価を行う。
・看護師や技師に、医療チームの一員としての基本動作を評価してもらう。
・研修終了前に、当科研修中に経験した症例に基づき、15分間のまとめを朝カンファランスで発表する。

<研修後の評価>

研修医は、当該研修科の研修期間の最終日までに、PG-EPOCの該当項目について自己評価を行う。
自己評価が終了次第、当該科の指導医、指導者(看護師長)にその旨を報告し、評価を依頼する。
研修中に経験した疾病、症状について病歴要約を作成・提出し、速やかに指導医へ評価を依頼すること。
(形成的評価)
 当該研修科の指導医、指導者は、研修医評価票に記載された評価を用い、フィードバックを行う。 
・研修医評価票Ⅰに基づく評価
 指導医・指導者(看護師長)が、A-1からA-4の項目について評価し、印象に残るエピソードを記入する。
・研修医評価票Ⅱ(1-9)に基づく評価
 指導医・指導者(看護師長)が、1~9の項目について評価する。
・研修医評価票Ⅲに基づく評価
 指導医、指導者(看護師長)が、C-1からC-4の項目について評価し、印象に残るエピソードを記入する。
臨床研修評価票Ⅰ~Ⅲを基に、責任指導医は臨床研修の目標の達成度判定票を作成し、当該研修期間における目標の達成状況を判定する。
(再履修を要する場合)
・病欠等を含め、研修期間が大幅に短い場合
・その他、再履修の必要性を研修科が認めたもの
(研修課の総括的評価)
当該研修科を修了とするに不十分であると判断された場合、卒後臨床研修センター長と協議し、再履修とする。
※当科の臨床研修指導医は卒後臨床研修センターWebサイトにて確認してください。

信州大学医学部 画像医学教室

■住所:〒390-8621 長野県松本市旭3-1-1 ■電話:0263-37-2650(直通)■FAX:0263-37-3087

■E-mail: radiol@shinshu-u.ac.jp

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放射線科(放射線治療)臨床研修プログラム

(信州大学医学部付属病院研修プログラム)

選択科として4週間から

研修責任者 藤永 康成

 

1.研修科の特色

放射線治療は、全ての悪性腫瘍に何らかの適応があると言っても過言ではない治療法である。悪性腫瘍の診療において放射線治療は重要な治療法のひとつであり、根治、術前、術後、緩和等の様々な目的で用いられている。本治療をどのように用いられるのかを知ることは悪性腫瘍に関わる臨床医にとって重要である。近年の放射線治療は定位放射線治療や強度変調放射線治療といった高精度な最新技術を駆使して行われており、その適応も拡大している。当科を研修することで放射線治療の実際を経験でき、症例を通して実臨床での放射線治療のあり方を学ぶことができる。

 

2.研修目標

<一般目標 GIO>

がん治療の中で放射線治療が果たす役割について学び、終末期を含めた、個々の症例に対して放射線治療に関する基本的な判断ができること

<行動目標 SBO>

1. 放射線生物学および物理学について、基本事項を述べることができる

2. 適切な放射線治療方針を提示し、その根拠を述べることができる

3. 放射線治療による急性期有害反応、晩期有害反応を予測できる

4. 基本的疾患について指導医とともに放射線治療計画を立案することができる

5. 上級医、指導医の指導のもと、担当患者へ十分な病状を説明できる

6. 診察所見や医行為を診療録に記載できる

7. 医療チーム内での情報共有ができる

 

3.研修方略

(研修期間が4週の場合)

1. (SBO 4~7) 外来にて、指導医の指導のもと、放射線治療に関する基本的診療を行う。

2. (SBO 4,7) 医師、放射線技師、看護師が参加する放射線治療部門内のカンファレンスに、医療チームの一員として参加する。

3. (SBO 1~4) 放射線治療計画カンファレンスに参加し、治療方針の決定プロセスや放射線治療計画の立案法を学習する。

4. (SBO 7) 合同カンファレンス(脳神経外科、産科婦人科、呼吸器内科、呼吸器外科、耳鼻咽喉科、歯科口腔外科、消化器内科、消化器外科)に参加し、各診療科との連携に関する見識を深める。

5. (SBO 1~3) 毎朝行われるミニレクチャーにて放射線診療の基本事項を学習する。少なくとも一回は自らが講師となり、自ら決めたテーマについて発表する。

6. (SBO 1~4,6,7) 放射線治療計画装置の取り扱いを学び、指導医とともに実際に計画を立案する。


(Advanced (4週以上)の研修の場合追加される項目)

7. 密封、非密封小線源を用いた治療を行う。

8. 入院患者に対し、上級医、指導医とともに処方や処置などを行う。


4.週間予定

  その他
午前

朝C

治療朝C

(8:00~9:00)

外来業務

(病棟業務)

朝C

治療朝C

(8:00~9:00)

外来業務

(病棟業務)

朝C

治療朝C

(8:00~9:00)

外来業務

(病棟業務)

朝C

治療朝C

(8:00~9:00)

外来業務

(病棟業務)

朝C

治療朝C

(8:00~9:00)

外来業務

(病棟業務)


午後

ヨード内用療法、前立腺癌永久挿入療法

放射線治療

計画


(腔内照射)

放射線治療

計画


(腔内照射)

放射線治療

計画


(腔内照射)

放射線治療

計画


(腔内照射)


17:15
以降
治療計画C

部門全体C
(毎週)
(12:30~13:30)
医局会
(19:00~20:00)
治療計画C

脳神経外科C
(隔週)
(17:30~18:00)
産科婦人科C
(毎週)
(19:00~19:30)
治療計画C

脳神経内科C
(毎週)
(17:00~17:30)
頭頚部癌C
(18:30~19:00)
治療計画C

呼吸器外科内科C
(毎週)
(17:00~18:00)
乳腺外科C
(月1回)
(18:00~19:00)
品質管理会議
(月1回)
(18:00~19:00)
治療計画C

内視鏡C
(毎週)
(18:00~18:30)

研修医クルスズ
(17:30~18:00)
 
 C: conference
 

5.評価

 <研修期間の評価>

4週以上の研修が不足なく行われていること。また、研修医は研修において経験した項目について随時PG-EPOCに記録する必要がある。

<研修中の評価>

(形成的評価)
・指導医および上級医が適宜口頭で試問し、研修者の理解が適切であるかを確認する。
・研修者が手技を行った際には、指導医または上級医が終了直後に評価を行う。
・看護師や放射線技師に、医療チームの一員としての基本動作を評価してもらう。
・研修終了前に、当科研修中に経験した症例に基づき15分間のまとめを朝カンファランスで発表する。

<研修後の評価>

研修医は、当該研修科の研修期間の最終日までに、PG-EPOCの該当項目について自己評価を行う。
自己評価が終了次第、当該科の指導医、指導者(看護師長)にその旨を報告し、評価を依頼する。
研修中に経験した疾病、症状について病歴要約を作成・提出し、速やかに指導医へ評価を依頼すること。
(形成的評価)
当該研修科の指導医、指導者は、研修医評価票に記載された評価を用い、フィードバックを行う。
・研修医評価票Ⅰに基づく評価
 指導医・指導者(看護師長)が、A-1からA-4の項目について評価し、印象に残るエピソードを記入する。
・研修医評価票Ⅱ(1-9)に基づく評価
 指導医・指導者(看護師長)が、1~9の項目について評価する。
・研修医評価票Ⅲに基づく評価
 指導医・指導者(看護師長)が、C-1からC-4の項目について評価し、印象に残るエピソードを記入する。
   臨床研修評価票Ⅰ~Ⅲを基に、責任指導医は臨床研修の目標の達成度判定票を作成し、当該研修期間における目標の達成状況を判定する。
(再履修を要する場合)
・病欠等を含め、研修期間が大幅に短い場合
・その他、再履修の必要性を研修科が認めたもの
(研修科の総括的評価)
当該研修科を修了とするに不十分であると判断された場合、卒後臨床研修センター長と協議し、再履修とする。

※当科の臨床研修指導医は卒後臨床研修センターWebサイトにて確認してください。
 

信州大学医学部 画像医学教室

■住所:〒390-8621 長野県松本市旭3-1-1 ■電話:0263-37-2650(直通)■FAX:0263-37-3087

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 *その他希望により、選択科目として信州大学医学部附属病院の診療科で全診療科研修可能。

内科(3)(脳神経内科、リウマチ・膠原病内科)臨床研修プログラム

(信州大学医学部付属病院研修プログラム)

選択科として4週間から

研修責任者 関島 良樹

 

1.研修科の特色

当科は、①脳神経内科 ②リウマチ・膠原病内科 の2つの専門領域において診療と研究活動を行っています。神経疾患、リウマチ・膠原病は共に症状が全身の広い部位に生じ、あらゆる臓器に障害が生じうる特徴があります。疾患の重症度や経過もさまざまで、慢性疾患から救急疾患まで幅広い対応が必要となります。特定の臓器にこだわることなく全身を診る広い視野を身につけ、幅広く内科一般の研鑽を積むことができます。当科での研修はすべての診療領域の基礎になります。

また、当科は豊富な診療経験を持つ指導医を中心にチーム制をとっているため、神経内科疾患やリウマチ・膠原病の多彩な症例を経験することが出来ます。

 

2.研修目標

<一般目標 GIO>

内科診療の基本を身につける。主な神経筋疾患およびリウマチ・膠原病疾患について診察、検査、治療を幅広く研修し、基本的な診療法を習得する。

<行動目標 SBO>

1. 病歴を聴取し、一般身体所見を正確に取ることができる。

2. 神経筋疾患の神経診察の所見から正常と異常の違いを判断し、大まかな局在診断と鑑別診断が行える。

3. 脳脊髄画像検査の正常像を理解し、神経筋疾患における異常所見を指摘できる。

4. 神経筋疾患における神経生理学検査の適応判断と検査結果の解釈ができる。

5. 神経筋疾患における腰椎穿刺による髄液検査の適応判断と検査結果の解釈ができる。

6. 神経筋疾患の判断に応じた治療や支持療法を理解し、在宅生活に必要な福祉支援について学習する。

7. リウマチ膠原病疾患の一般身体所見や関節所見、皮膚所見から鑑別診断を行える。

8. 胸部腹部CT検査の正常像を理解し、リウマチ膠原病疾患における臓器障害を指摘できる。関節MRIの正常と異常所見が理解できる。

9. 血液検査結果からリウマチ膠原病疾患に特異的な臓器障害を評価できる。

10. リウマチ膠原病疾患における関節穿刺の適応と関節液性状、検査結果が評価できる。

11. リウマチ膠原病疾患の治療薬(副腎皮質ステロイド、免疫抑制剤、生物学的製剤、分子標的製剤など)の適応と副作用について理解する。

12. 採血検査や静脈ルート確保が正確に実施できる。

13. 他科への紹介状を、経過や問題点、他科への要望を明確にして記載できる。

14. 経過と所見のまとめ、検査計画をカンファレンスや総回診で論理的にプレゼンテーションできる。

15. 有用な文献を検索し、診断・治療の妥当性を上級医とディスカッションできる。

16. 他の医療スタッフと協力して診療を進めるための適切な意思疎通ができる。

17. 内科疾患の入院から退院、さらに療養まで視野に入れた診療計画を策定できる。

 

3.研修方略

(研修期間が4週の場合)

1.(SB01)入院患者を担当医として受け持ち、入院初日に詳しく病歴、家族歴、既往歴、嗜好歴などを聴取する。家族構成や生活状況にも注意して確認を取る。

2. (SB01,2)診察を行って一般身体所見を確認し、入院までの経過をまとめ入院時病歴を作成する。

3. (SB01,2)神経筋疾患では、詳細な神経診察を行い病歴内に記載する。特に異常所見に関しては系統的にまとめて記載する。

4. (SB07)リウマチ膠原病疾患では、関節所見や皮膚所見にも注意して診察(視診、触診)を行い、所見を病歴に記載する。

5. (SB01,17)毎日バイタルサインや診察所見、検査所見をSOAP形式に則り電子カルテに記載し、Problemlistに従って所見の評価と今後の診療計画を確認する。

6. (SB01)毎日2回(朝夕)の病棟カンファレンスで、担当患者全員の状態を報告する。入院初日の患者は、入院までの経過について要点をまとめて報告する。

7. (SB014)週1回(火曜日午前中)の総合回診の際に、担当患者の現病歴、診察所見、検査結果、診断、治療などをプレゼンテーションし、以後の方針についてディスカッションする。

8. (SB012)担当患者の採血と末梢静脈穿刺を行う(研修開始早期は上級医の指導の下で行う)、動脈採血の場合は上級医の監視の下で行う。

9. (SB03,14)神経筋疾患では、頭部CT・MRI、脊髄MRIなどの画像検査を上級医確認の下でオーダーし、結果を評価する。教科書の正常像と照らして異常所見を抽出し、上級医とのディスカッションを行う。

10. (SB08,14)リウマチ膠原病疾患では、胸部腹部CT画像で疾患特異的な異常所見の有無を評価し、上級医と確認を行う。

11. (SB09)リウマチ膠原病疾患の血液検査結果から臓器障害の有無を推測する。疾患特異的な臓器障害について、教科書で復習しておく。

12. (SB04,5)担当患者または他の入院患者の神経生理検査(伝導速度検査、筋電図検査、脳波検査)、腰椎穿刺による髄液採取を見学し、結果を上級医と確認する。検査前に適応や正常と異常の違いを予習しておく。

13. (SB011,14)担当患者(神経筋疾患・リウマチ膠原病疾患)の診断結果から必要な治療を考え(教科書や論文を参考にする)、上級医とディスカッションする。生活状況を踏まえて、入院中から退院後まで含めた治療計画を策定する。

14. (SB06)上級医の指導監督のもと、患者、患者支援者、病棟看護師、ソーシャルワーカー等と連絡を取り合い、退院支援会議が開かれる際には主体的に参加して、在宅退院支援を行う。

15. (SB013)他科への紹介状、退院時の他の医療機関への情報提供書を要求や要点をまとめて記載する。内容については上級医の確認と修正を受ける。

16. (SB016)内服薬投与指示や注射薬投与指示、検査依頼は上級医の確認を受け、看護師を含むメディカルスタッフにわかりやすく伝達する。

(Advanced (4週以上)の研修の場合追加される項目)

17. (SB05)担当患者の髄液採取(腰椎穿刺)を上級医監視の下で行う。

18. (SB08,15)リウマチ膠原病疾患で、関節MRIの検査を上級医確認の下でオーダーし、教科書の正常像と照らして異常所見を抽出し、上級医とのディスカッションを行う。

19. (SB010)担当患者または他の入院患者(リウマチ膠原病疾患)の関節穿刺を見学する。検査前に検査適応や正常と異常の違いを予習しておく。

20. (SB03,9)神経生検・筋生検を見学し、検査の適応と予測される病理学的変化について教科書で確認する。


4.週間予定

  その他
午前

朝カンファレンス

病棟回診

新患紹介

症例検討

総回診

朝カンファレンス

病棟回診

朝カンファレンス

病棟回診

朝カンファレンス

病棟回診

午後

神経生理検査

(筋電図・脳波など)

神経生検

筋生検

骨髄穿刺

腰椎穿刺

など

神経生理検査

(筋電図・脳波など)

関節穿刺

神経生検筋生検

骨髄穿刺

腰椎穿刺

など

骨髄穿刺

腰椎穿刺

膠原病勉強会

など

 
17:15
以降

夕カンファレンス

総回診準備

脳波判読
学会予行
抄読会
など
夕カンファレンス

夕カンファレンス

夕カンファレンス

膠原病カンファレンス

(17:30-18:00)

画像医学・第三内科カンファレンス(月1回、17:30-18:30)

研修医クルズス(17:30-18:00)

 
  

5.評価

 <研修期間の評価>

4週以上の研修が不足なく行われていること。また、研修医は研修において経験した項目について随時PG-EPOCに記録する必要がある。

<研修中の評価>

(形成的評価)
研修医はPG-EPOCにより自己の研修内容を記録する。指導医は研修医の観察・指導を行い、目標達成状況をPG-EPOCにより記録・評価する。研修医はカンファレンスにて担当症例のプレゼンテーションを行い、症例に関する考察と討議を行う。また、研修医は担当症例の病歴要約を作成し、指導医の評価を受ける。

<研修後の評価>

研修医は、当該研修科の研修期間の最終日までに、PG-EPOCの該当項目について自己評価を行う。
自己評価が終了次第、当該科の指導医、指導者(看護師長)にその旨を報告し、評価を依頼する。
研修中に経験した疾病、症状について病歴要約を作成・提出し、速やかに指導医へ評価を依頼すること。
(形成的評価)
当該研修科の指導医、指導者は、研修医評価票に記載された評価を用い、フィードバックを行う。
・研修医評価票Ⅰに基づく評価
 指導医・指導者(看護師長)が、A-1からA-4の項目について評価し、印象に残るエピソードを記入する。
・研修医評価票Ⅱ(1-9)に基づく評価
 指導医・指導者(看護師長)が、1~9の項目について評価する。
・研修医評価票Ⅲに基づく評価
 指導医・指導者(看護師長)が、C-1からC-4の項目について評価し、印象に残るエピソードを記入する。
   臨床研修評価票Ⅰ~Ⅲを基に、責任指導医は臨床研修の目標の達成度判定票を作成し、当該研修期間における目標の達成状況を判定する。
(研修科の総括的評価)
当該研修科を修了とするに不十分であると判断された場合、卒後臨床研修センター長と協議し、再履修とする。

※当科の臨床研修指導医は卒後臨床研修センターWebサイトにて確認してください。
 

信州大学医学部 内科学第三教室

■住所:〒390-8621 長野県松本市旭3-1-1 ■電話:0263-37-2673(直通)■FAX:0263-37-3427

■E-mail: sannai@shinshu-u.ac.jp

■U R L : https://www.shinshu-u.ac.jp/faculty/medicine/chair/i-3nai/


 

皮膚科 臨床研修プログラム

(信州大学医学部付属病院研修プログラム)

選択科として4週間から

研修責任者 奥山 隆平 

 

1.研修科の特色

1)皮膚に異常のあるすべての疾患が皮膚科の診療対象です。

感染症、炎症性疾患、腫瘍、自己免疫疾患、遺伝性疾患、アレルギー性疾患、薬疹など幅広い疾患を診ます。皮疹を診て、診断を終え、治療法を組み立てていくシャーロックホームズのような広い視野と深い洞察力が大切です。

2)高い専門性を持つことができます。

ひとつひとつの皮疹はそれぞれ特徴的な所見を呈しています。一定の研修期間が必要ですが皮疹を診て1)にあるような疾患を診断できるようになります。

生涯、臨床医として現役で活躍し続けられる科です。

3)幅広い分野で活躍できます。

一般的な診療はもとより、病理診断、ダーモスコープなどの画像診断、皮膚外科、美容、最近では人工知能(AI)など興味がある分野についてさらに高い専門性を高めていくことができます。

4)Quality of Life を高く保つことができます。

様々な人生のステージにおいて、自分の生活スタイルに適した勤務体系をとることが可能です。

5)信州大学皮膚科について

すべての医局員が炎症性疾患や腫瘍性病変を分けることなく診療し、皮膚科全般について専門的なスキルが習得できるような教育体制がとられています。特に悪性黒色腫の診断、治療において国内有数の施設であり、臨床・研究ともに力を入れています。また、炎症性角化症である乾癬について県内から紹介患者を受け入れ、外用療法、光線療法、内服治療、生物製剤治療まで症状に合わせた治療を行っています。


 

2.研修目標

<一般目標 GIO>

皮膚疾患における所見の表現法および診断法の基本技術を身につけることにより、日常診療で見られる皮膚疾患に対して適切に対応できることを目的とする。

<行動目標 SBO>

1. 発疹や一般所見の診察、評価ができ診療録に記載できる。

2. 皮膚科の検査法 真菌直接鏡検(KOH)、皮膚アレルギー検査、ダーモスコープ検査などを上級医の助言を得ながら自ら実施し結果を解釈できる。

3. 皮膚疾患に対する外用剤、創傷被覆剤、内服薬の使用法を理解し、上級医の助言を得ながら自ら実施できる。

4. 皮膚縫合や皮膚生検について理解し、上級医の助言を得ながら自ら実施できる。

5. 代表的な皮膚疾患の鑑別、治療法を理解し、患者の実情にあった治療を上級医とともに行うことができる。

6. 皮膚病理組織診断の基礎を理解する。

7. 皮膚悪性腫瘍の手術法、化学療法などの治療法を理解する。

8. 簡単な腫瘍切除、簡単な植皮について理解し、上級医とともに治療ができる。

9. 終末期患者に対する治療やICを学ぶ。

 

3.研修方略

(研修期間が4週の場合)

1. (SBO 1,4,5,7,8,9)入院患者の診療を担当する。

2. (SBO 1)病棟回診(週5日)上級医、後期研修医とともに入院患者を毎朝回診する。

3. (SBO 5)総回診(木曜)で担当患者についてプレゼンテーションを行い、治療方針を発表する。

4. (SBO 5)病棟カンファレンス(月曜)で担当患者についてプレゼンテーションを行い、治療方針を発表する。

5. (SBO 7,8)中央手術室で手術助手として手術に参加し、簡単な縫合を行う。

6. (SBO 1,2,3)外来診察の補助、検査の補助を行う。

7. (SBO 6)症例カンファレンス、病理組織カンファレンスに参加し、疾患及び診断について理解する。

8. (SBO 9)上級医について終末期の患者のICに同席、薬物療法を理解する。


(Advanced (4週以上)の研修の場合追加される項目)

9. (SBO 4)簡単な腫瘍切除、簡単な植皮を上級医の指導の下で行う。

10. (SBO 1,2)水疱症、薬疹などの治療について理解し、上級医の指導の下で治療を行う。

11. (SBO 2)パッチテスト、ブリックテスト、光線テストなどを上級医の指導の下で行う。

 

4.週間予定

 
午前

病棟回診

外来

病棟回診

外来

病棟回診

外来

8:30~

総回診

病棟回診

外来

病棟回診

外来

 
午後

病棟業務

手術

病棟業務

病棟業務

手術

 
17:15
以降


手術 病棟業務

16:30~18:00

医局カンファレンス

(臨床写真・病理組織、症例カンファ)

手術


17:30~

クルズス

(不定期)

 
※(金)17:30~18:00 研修医クルスズ
 

5.評価

 <研修期間の評価>

4週以上の研修が不足なく行われていること。また、研修医は研修において経験した項目について随時PG-EPOCに記録する必要がある。

<研修中の評価>

(形成的評価)
 PG-EPOCによる評価を行う。
 指導医及び看護師による評価を行い不備な点を指導する。
 

<研修後の評価>

研修医は、当該研修科の研修期間の最終日までに、PG-EPOCの該当項目について自己評価を行う。
自己評価が終了次第、当該科の指導医、指導者(看護師長)にその旨を報告し、評価を依頼する。
研修中に経験した疾病、症状について病歴要約を作成・提出し、速やかに指導医へ評価を依頼すること。

(形成的評価)
当該研修科の指導医、指導者は、研修医評価票に記載された評価を用い、フィードバックを行う。
・研修医評価票Ⅰに基づく評価
 指導医・指導者(看護師長)が、A-1からA-4の項目について評価し、印象に残るエピソードを記入する。
・研修医評価票Ⅱ(1-9)に基づく評価
 指導医・指導者(看護師長)が、1~9の項目について評価する。
・研修医評価票Ⅲに基づく評価
 指導医・指導者(看護師長)が、C-1からC-4の項目について評価し、印象に残るエピソードを記入する。
   臨床研修評価票Ⅰ~Ⅲを基に、責任指導医は臨床研修の目標の達成度判定票を作成し、当該研修期間における目標の達成状況を判定する。
(再履修を要する場合)
 出席日数が不足した場合

(研修科の総括的評価)
当該研修科を修了とするに不十分であると判断された場合、卒後臨床研修センター長と協議し、再履修とする。

※当科の臨床研修指導医は卒後臨床研修センターWebサイトにて確認してください。
 

信州大学医学部 皮膚科学教室

■住所:〒390-8621 長野県松本市旭3-1-1 ■電話:0263-37-2647(直通)■FAX:0263-37-2646

■E-mail: derma@shinshu-u.ac.jp

■U R L : https://www.shinshu-u.ac.jp/faculty/medicine/chair/i-hifu/

 

信州がんセンター(緩和ケア)臨床研修プログラム

(信州大学医学部付属病院研修プログラム)

選択科として4週間から

研修責任者 間宮 敬子 

 

1.研修科の特色

信州大学の緩和ケアは、緩和ケアチームの活動と緩和ケア外来とで構成されます。緩和ケアチームには年間300例近くの新規患者紹介があり、また、緩和ケア外来では年間のべ600~700例の症例が経験でき、がんだけでなく、心不全や神経難病など様々な症例を経験することができます。信州大学では現在日本で発売されている、オピオイドをすべて処方することが可能で、各々のオピオイドの特徴を具体的に学ぶことができます。

緩和ケアチームのメンバーは身体担当医師、精神担当医師(精神科医)、歯科医師、歯科衛生士、看護師、薬剤師、管理栄養士、理学療法士、医療ソーシャルワーカーなどたくさんの職種から成っています。緩和ケアチームは、週に1回、他職種カンファレンスを行っており、カンファレンスに参加することにより、横断的医療を経験することができます。

研修責任者の間宮は、信州大学で唯一の日本東洋医学会の漢方専門医、指導医でもあり、患者の症状緩和に対する漢方治療も学ぶことができます。

 

2.研修目標

<一般目標 GIO>

生命の危機に直面している疾患に罹患した患者またはその家族の全人的苦痛を同定し、多面的かつ包括的な評価を行い、治療計画を立てることができる。

他の職種と協力して、患者やその家族の苦痛を多面的に評価し、他職種で行えるアプローチ法を用いて、患者や家族の苦痛を和らげることができる。


<行動目標 SBO>

1. がん患者の痛みの評価、治療を提案することができる。

2. がん患者の痛み以外の身体症状の評価、治療を提案することができる。

3. がん患者の精神症状の評価、治療を提案することができる。

4. がんの治療による副作用を同定し、それに対する治療を提案することができる。

5. 家族ケア、遺族ケア(グリーフケア)ができる。

6. がん以外の疾患に対して緩和ケアを提供できる。

7. 横断的医療を経験し、推進することができる。

8. 症状緩和のための代替療法を提案することができる。


 

3.研修方略

(研修期間が4週の場合)

12. (SBO1) がんの痛みを評価することができる。

13. (SBO1) がんの痛みの治療を提案することができる。

14. (SBO1) 痛みの治療による副作用を評価し治療することができる。

15. (SBO2) がん患者の痛み以外の身体症状を評価することができる。

16. (SBO2) がん患者の痛み以外の身体症状の治療することができる。

17. (SBO4) がんの治療による副作用を同定することができる。

18. (SBO4) がんの治療による副作用に対して治療することができる。

19. (SBO6) がん以外の緩和ケア対象患者の苦痛の評価ができる。

20. (SBO3) 患者の気持ちのつらさに対応ができる。

21. (SBO3) 患者のせん妄を評価し対応ができる。

(Advanced (4週以上)の研修の場合追加される項目)

22. (SBO6) がん以外の緩和ケア対象患者の治療を提案することができる。

23. (SBO5) 家族ケアを行うことができる。

24. (SBO7) 他職種のカンファレンスを企画し、司会をすることができる。

25. (SB05) グリーフケアを行うことができる。

26. (SBO8) 症状緩和に対する漢方薬を挙げることができる。

 

4.週間予定

  その他
午前

カルテチェック

他職種カンファレンス

総回診

カルテチェック

コアメンバー

カンファレンス

病棟回診

カルテチェック

コアメンバー

カンファレンス

病棟回診

カルテチェック

コアメンバー

カンファレンス

カルテチェック

コアメンバー

カンファレンス

病棟回診

必要に応じてカンファレンス

病棟でのカンファレンス
午後

総回診

症例カンファレンス(他職種)

病棟回診

外来

病棟回診

外来

病棟回診

外来

病棟回診

外来

 
17:15
以降


手術

17:30~18:00

研修医クルズス

 
 

5.評価

 <研修期間の評価>

4週以上の研修が不足なく行われていること。また、研修医は研修において経験した項目について随時PG-EPOCに記録する必要がある。

<研修中の評価>

(形成的評価)
指導医は研修医が、毎日のカンファレンスに積極的に参加して、意見を述べられているかどうかを評価する。
指導医は研修医が、患者や家族と面談し、苦痛を傾聴し、評価し、的確なケアを提案できるかどうかを評価する。
指導医は研修医が、新規介入患者の医療面談を行い、カルテをまとめ、苦痛を評価し、ケアを提案できるかどうかを評価する。

<研修後の評価>

研修医は、当該研修科の研修期間の最終日までに、PG-EPOCの該当項目について自己評価を行う。
自己評価が終了次第、当該科の指導医、指導者(看護師長)にその旨を報告し、評価を依頼する。
研修中に経験した疾病、症状について病歴要約を作成・提出し、速やかに指導医へ評価を依頼すること。
 
(形成的評価)
当該研修科の指導医、指導者は、研修医評価票に記載された評価を用い、フィードバックを行う。
・研修医評価票Ⅰに基づく評価
 指導医、指導者(看護師長)が、A-1からA-4の項目について評価し、印象に残るエピソードを記入する。
・研修医評価票Ⅱ(1-9)に基づく評価
 指導医、指導者(看護師長)が、1~9の項目について評価する。
・研修医評価票Ⅲに基づく評価
 指導医、指導者(看護師長)が、C-1からC-4の項目について評価し、印象に残るエピソードを記入する。
   臨床研修評価票Ⅰ~Ⅲを基に、責任指導医は臨床研修の目標の達成度判定票を作成し、当該研修期間における目標の達成状況を判定する。

(再履修を要する場合)
研修期間中の欠席が多い場合
研修態度が著しく悪い場合
その他、再履修の必要性を研修科がみとめたもの

(研修科の総括的評価)
当該研修科を修了とするに不十分であると判断された場合、卒後臨床研修センター長と協議し、再履修とする。

※当科の臨床研修指導医は卒後臨床研修センターWebサイトにて確認してください。
 

信州大学医学部付属病院 信州がんセンター緩和部門 緩和ケアセンター

■住所:〒390-8621 長野県松本市旭3-1-1 ■電話:0263-37-3562(直通)■FAX:0263-37-3562

■E-mail: keiko@shinshu-u.ac.jp

■U R L : https://wwwhp.md.shinshu-u.ac.jp/cancer-center/about/care-message.html

     https://wwwhp.md.shinshu-u.ac.jp/cancer-center/patient/palliative.html

 

その他

信州大学医学部付属病院(内科専門科・外科専門科・その他の診療科)

長野県立こども病院(2年次に4週から、総合小児科・小児集中治療科)

にて研修できます。

医師臨床研修プログラムの研修分野別マトリックス票

到達目標(研修単元)の研修分野を示す

「◎」:最終責任を果たす分野
「○」:研修が可能な分野

 研修分野オリエンテーション一般外来内科外科整形外科脳神経外科小児科産婦人科精神科救急部門地域医療麻酔科耳鼻咽喉科泌尿器科
 ◎の個数 2113594120088145512000
1到達目標              
2医師としての基本的価値観(プロフェッショナリズム)
3社会的使命と公衆衛生への寄与 
4利他的な態度 
5人間性の尊重 
6自らを高める姿勢 
7資質・能力              
8医学・医療における倫理性
9医学知識と問題対応能力
10診療技能と患者ケア 
11コミュニケーション能力 
12チーム医療の実践 
13医療の質と安全管理 
14社会における医療の実践  
15科学的探究  
16生涯にわたって共に学ぶ姿勢 
17基本的診療業務
18一般外来診療         
19症候・病態についての臨床推論プロセス         
20初診患者の診療         
21慢性疾患の継続診療         
22病棟診療     
23入院診療計画の作成     
24一般的・全身的な診療とケア     
25地域医療に配慮した退院調整      
26幅広い内科的疾患に対する診療         
27幅広い外科的疾患に対する診療       
28初期救急対応       
29状態や緊急度を把握・診断       
30応急処置や院内外の専門部門と連携       
31地域医療     
32概念と枠組みを理解     
33種々の施設や組織と連携     
34実務研修の方略
35臨床研修を行う分野・診療科
36オリエンテーション
37臨床研修制度・プログラムの説明            
38医療倫理            
39医療関連行為の理解と実習 
40患者とのコミュニケーション  
41医療安全管理  
42多職種連携・チーム医療  
43地域連携  
44自己研鑽:図書館、文献検索、EBMなど  
45内科分野(24週以上)
46入院患者の一般的・全身的な診療とケア            
 研修分野オリエンテーション一般外来内科外科整形外科脳神経外科小児科産婦人科精神科救急部門地域医療麻酔科耳鼻咽喉科泌尿器科
47幅広い内科的疾患の診療を行う病棟研修            
48外科分野(4週以上)              
49一般診療にて頻繁な外科的疾患への対応           
50幅広い外科的疾患の診療を行う病棟研修           
51小児科分野(4週以上)              
52小児の心理・社会的側面に配慮             
53新生児期から各発達段階に応じた総合的な診療             
54幅広い小児科疾患の診療を行う病棟研修             
55産婦人科分野(4週以上)              
56妊娠・出産             
57産科疾患や婦人科疾患             
58思春期や更年期における医学的対応            
59頻繁な女性の健康問題への対応             
60幅広い産婦人科領域の診療を行う病棟研修             
61精神科分野(4週以上)              
62精神科専門外来             
63精神科リエゾンチーム             
64急性期入院患者の診療             
66頻度の高い症候と疾患            
67緊急性の高い病態に対する初期救急対応          
68(麻)気管挿管を含む気道管理及び呼吸管理          
69(麻)急性期の輸液・輸血療法          
70(麻)血行動態管理法           
71一般外来(4週以上必須、8週以上が望ましい)              
72初診患者の診療          
73慢性疾患の継続診療          
74地域医療(4週以上。2年次。)              
75へき地・離島の医療機関             
76200床未満の病院又は診療所             
77一般外来            
78在宅医療           
79病棟研修は慢性期・回復期病棟           
80医療・介護・保健・福祉施設や組織との連携          
81地域包括ケアの実際           
82選択研修(保険・医療行政の研修を行う場合)
83保健所
84介護老人保健施設
85社会福祉施設
86赤十字社血液センター
87健診・検診の実施施設
88国際機関
89行政機関
90矯正機関
 研修分野オリエンテーション一般外来内科外科整形外科脳神経外科小児科産婦人科精神科救急部門地域医療麻酔科耳鼻咽喉科泌尿器科
91産業保健の事業場
921)全研修期間 必須項目
93感染対策(院内感染や性感染症等)     
94予防医療(予防接種を含む)            
95虐待            
96社会復帰支援         
97緩和ケア            
98アドバンス・ケア・プランニング(ACP)            
99臨床病理検討会(CPC)           
101児童・思春期精神科領域            
102薬剤耐性菌            
103ゲノム医療            
104診療領域・職種横断的なチームの活動            
106ショック           
107体重減少・るい痩           
108発疹          
109黄疸          
110発熱          
111もの忘れ            
112頭痛           
113めまい           
114意識障害・失神           
115けいれん発作           
116視力障害            
117胸痛           
118心停止           
119呼吸困難           
120吐血・喀血            
121下血・血便           
122嘔気・嘔吐           
123腹痛           
124便通異常(下痢・便秘)           
125熱傷・外傷            
126腰・背部痛            
127関節痛           
128運動麻痺・筋力低下           
129排尿障害(尿失禁・排尿困難)           
130興奮・せん妄           
131抑うつ           
132成長・発達の障害            
133妊娠・出産             
134終末期の症候            
136脳血管障害            
 研修分野オリエンテーション一般外来内科外科整形外科脳神経外科小児科産婦人科精神科救急部門地域医療麻酔科耳鼻咽喉科泌尿器科
137認知症           
138急性冠症候群            
139心不全            
140大動脈瘤            
141高血圧          
142肺癌           
143肺炎            
144急性上気道炎            
145気管支喘息            
146慢性閉塞性肺疾患(COPD)            
147急性胃腸炎           
148胃癌           
149消化性潰瘍           
150肝炎・肝硬変           
151胆石症           
152大腸癌           
153腎盂腎炎           
154尿路結石           
155腎不全             
156高エネルギー外傷・骨折            
157糖尿病            
158脂質異常症            
159うつ病           
160統合失調症           
161依存症(ニコチン・アルコール・薬物・病的賭博)            
164退院時要約      
165診療情報提供書     
166患者申し送りサマリー     
167転科サマリー         
168週間サマリー     
169外科手術に至った1症例(手術要約を含)          
172緊急処置が必要な状態かどうかの判断         
173診断のための情報収集    
174人間関係の樹立    
175患者への情報伝達や健康行動の説明    
176コミュニケーションのあり方    
177患者へ傾聴    
178家族を含む心理社会的側面    
179プライバシー配慮    
182診察手技(視診、触診、打診、聴診等)を用いた全身と局所の診察    
183倫理面の配慮    
184産婦人科的診察を含む場合の配慮           
186検査や治療を決定    
 研修分野オリエンテーション一般外来内科外科整形外科脳神経外科小児科産婦人科精神科救急部門地域医療麻酔科耳鼻咽喉科泌尿器科
187インフォームドコンセントを受ける手順    
188Killer diseaseを確実に診断    
190体位変換          
191移送       
192皮膚消毒      
193外用薬の貼布・塗布      
194気道内吸引・ネブライザー       
195静脈採血     
196胃管の挿入と抜去      
197尿道カテーテルの挿入と抜去         
198注射(皮内、皮下、筋肉、静脈内        
199中心静脈カテーテルの挿入           
200動脈血採血・動脈ラインの確保       
201腰椎穿刺        
202ドレーンの挿入・抜去      
203全身麻酔・局所麻酔・輸血     
204眼球に直接触れる治療             
205①気道確保     
206②人工呼吸(バッグ・バルブ・マスクによる徒手換気含)       
207③胸骨圧迫           
208④圧迫止血法         
209⑤包帯法            
210⑥採血法(静脈血、動脈血)       
211⑦注射法(皮内、皮下、筋肉、点滴、静脈確保、中心静脈確保)       
212⑧腰椎穿刺         
213⑨穿刺法(胸腔、腹腔)          
214⑩導尿法         
215⑪ドレーン・チューブ類の管理       
216⑫胃管の挿入と管理       
217⑬局所麻酔法       
218⑭創部消毒とガーゼ交換       
219⑮簡単な切開・排膿        
220⑯皮膚縫合        
221⑰軽度の外傷・熱傷の処置          
222⑱気管挿管       
223⑲除細動等           
225血液型判定・交差適合試験        
226動脈血ガス分析(動脈採血を含む)         
227心電図の記録       
228超音波検査          
230もの忘れ           
231けいれん発作           
232心停止          
233腰・背部痛          
 研修分野オリエンテーション一般外来内科外科整形外科脳神経外科小児科産婦人科精神科救急部門地域医療麻酔科耳鼻咽喉科泌尿器科
234抑うつ           
235妊娠・出産             
236脳血管障害           
237認知症           
238心不全         
239高血圧         
240肺炎            
241慢性閉塞性肺疾患           
242腎不全         
243糖尿病        
244うつ病            
245統合失調症            
246依存症            
248日々の診療録(退院時要約を含む)    
249入院患者の退院時要約(考察を記載)    
250各種診断書(死亡診断書を含む)         

① 研修プログラムの特色

本プログラムの特徴(研修に関連した当院の紹介を兼ねて)

○ 安曇野赤十字病院は、松本市から約12kmの地、間近に北アルプスの山並みを仰ぐ安曇野のほぼ中央にあり、自然環境と交通の便に恵まれた環境の中で臨床研修ができます。

○ 当院の救急車応需件数は年間約2,800件(松本広域圏全体の約16%)を占め、松本広域医療圏内二番目の二次救急病院です。また、安曇野市で唯一の公的医療機関として地域の基幹病院の機能を担っている病床数316の急性期型病院であり、その診療守備範囲は安曇野市全域、北安曇郡南部、東筑摩郡北部の1市2郡にまたがり、対象人口は10万人余りです。年間救急患者数は、一次対応患者を含めると約12,000人余りを数えています。

このため、救急疾患(脳血管系疾患、骨折・胸部外傷・腹部外傷・熱傷・凍傷・山岳遭難を含めた各種損傷、急性心筋梗塞・不安定狭心症等の循環器系疾患、呼吸器疾患、腹部救急等)の疾患ならびにそれらの重傷度は多岐にわたり、当院は、救急医療のプライマリ・ケア研修の場としても相応しい医療機関です。

○ 当院は、各診療科間の横の連携を特に大切にしているので、内科系・救急医療の必修科目、外科・麻酔・小児科科の選択必須科目それぞれにおいて効率的に研修を積むことが可能です。なお、選択必須科目の、産婦人科は当院の協力病院(信州大学医学部附属病院)で、精神科ならびに地域医療は、当院の協力病院(城西病院、ミサトピア小倉病院)と協力施設(城西医療財団:白馬メディア・神城病院)で行われます。

○ 毎月1回、医局(総合医局)主催の「医局臨床研究会」、毎週1回の内科合同カンファレンス、臨床研修カンファレンスが開催され、若手医師の発表の場ならびに病院を去る医師、あるいは外部講師の講演会も兼ねています。

○ 病院ならびに委員会主催の各種研修会・講演会・大会(医療安全管理大会・クリニカルパス大会)等も盛んで、また、安曇野市医師会との共催による「安曇野病診連携懇話会」も開かれ、地域医療機関との緊密な連携を保っています。これらに参加することは、研修医が医療人としての基本姿勢・資質を培う上でも有効です。

学 会 認 定 施 設

日本内科学会認定教育関連病院、日本循環器学会循環器専門医研修施設、日本消化器内視鏡学会認定指導施設、日本神経学会認定准教育施設、日本外科学会認定修練施設、日本消化器外科学会認定専門医修練施設、日本消化器病学会認定施設、日本整形外科学会認定研修施設、日本脳神経外科学会専門医制度研修施設、日本救急医学会専門医指定施設、日本麻酔科学会認定病院、日本泌尿器科学会専門医基幹教育施設、日本がん治療認定医機構認定研修施設、日本肝臓学会肝臓専門医関連施設、日本透析学会専門医制度認定施設、日本不整脈学会・日本心電学会認定研修施設

② 臨床研修の目標

・ 研修理念

医師は、病める人の尊厳を守り、医療の提供と公衆衛生の向上に寄与する職業の重大性を深く認識し、医師としての基本的価値観(プロフェッショナリズム)及び医師としての使命の遂行に必要な資質・能力を身に付けなくてはならない。医師としての基盤形成の段階にある研修医は、基本的価値観を自らのものとし、基本的診療業務ができるレベルの資質・能力を修得する。

<研修の到達目標>

医師としての基本的価値観
1.社会的使命と公衆衛生への寄与  2.利他的な態度 3.人間性の尊重  4.自らを高める姿勢

B 資質・能力
1.医学・医療における倫理性
診療、研究、教育に関する倫理的な問題を認識し、適切に行動する。
① 人間の尊厳を守り、生命の不可侵性を尊重する。
② 患者のプライバシーに配慮し、守秘義務を果たす。
③ 倫理的ジレンマを認識し、相互尊重に基づき対応する。
④ 利益相反を認識し、管理方針に準拠して対応する。
⑤ 診療、研究、教育の透明性を確保し、不法行為の防止に努める。

2.医学知識と問題対応能力
最新の医学及び医療に関する知識を獲得し、自らが直面する診療上の問題に対して、科学的根拠に経験を加味して解決を図る。
① 頻度の高い症候について、適切な臨床推論のプロセスを経て、鑑別診断と初期対応を行う。
② 患者情報を収集し、最新の医学的知見に基づいて、患者の意向や生活の質に配慮した臨床判断を行う。
③ 保健・医療・福祉の各側面に配慮した診療計画を立案し、実行する。

3.診療技能と患者ケア
臨床技能を磨き、患者の苦痛や不安、考え・意向に配慮した診療を行う。
① 患者の健康状態に関する情報を、心理・社会的側面を含めて、効果的かつ安全に収集する。
② 患者の状態に合わせた、最適な治療を安全に実施する。
③ 診療内容とその根拠に関する医療記録や文書を、適切かつ遅滞なく作成する。

4.コミュニケーション能力
患者の心理・社会的背景を踏まえて、患者や家族と良好な関係性を築く。
① 適切な言葉遣い、礼儀正しい態度、身だしなみで患者や家族に接する。
② 患者や家族にとって必要な情報を整理し、分かりやすい言葉で説明して、患者の主体的な意思決定を支援する。
③ 患者や家族のニーズを身体・心理・社会的側面から把握する。

5.チーム医療の実践
医療従事者をはじめ、患者や家族に関わる全ての人々の役割を理解し、連携を図る。
① 医療を提供する組織やチームの目的、チームの各構成員の役割を理解する。
② チームの構成員と情報を共有し、連携を図る。

6.医療の質と安全管理
患者にとって良質かつ安全な医療を提供し、医療従事者の安全性にも配慮する。
① 医療の質と患者安全の重要性を理解し、それらの評価・改善に努める。
② 日常業務の一環として、報告・連絡・相談を実践する。
③ 医療事故等の予防と事後の対応を行う。
④ 医療従事者の健康管理(予防接種や針刺し事故への対応を含む。)を理解し、自らの健康管理に努める。

7.社会における医療の実践
医療の持つ社会的側面の重要性を踏まえ、各種医療制度・システムを理解し、地域社会と国際社会に貢献する。
① 保健医療に関する法規・制度の目的と仕組みを理解する。
② 医療費の患者負担に配慮しつつ、健康保険、公費負担医療を適切に活用する。
③ 地域の健康問題やニーズを把握し、必要な対策を提案する。
④ 予防医療・保健・健康増進に努める。
⑤ 地域包括ケアシステムを理解し、その推進に貢献する。
⑥ 災害や感染症パンデミックなどの非日常的な医療需要に備える。

8.科学的探究
医学及び医療における科学的アプローチを理解し、学術活動を通じて、医学及び医療の発展に寄与する。
① 医療上の疑問点を研究課題に変換する。
② 科学的研究方法を理解し、活用する。
③ 臨床研究や治験の意義を理解し、協力する。

9.生涯にわたって共に学ぶ姿勢
医療の質の向上のために省察し、他の医師・医療者と共に研鑽しながら、後進の育成にも携わり、生涯にわたって自律的に学び続ける。
① 急速に変化・発展する医学知識・技術の吸収に努める。
② 同僚、後輩、医師以外の医療職と互いに教え、学びあう。
③ 国内外の政策や医学及び医療の最新動向(薬剤耐性菌やゲノム医療を含む。)を把握する。

 

  1. 基本的診療業務

コンサルテーションや医療連携が可能な状況下で、以下の各領域において、単独で診療ができる。

1.一般外来診療 頻度の高い症候・病態について、適切な臨床推論プロセスを経て診断・治療を行い、主 な慢性疾患については継続診療ができる。

2.病棟診療 急性期の患者を含む入院患者について、入院診療計画を作成し、患者の一般的全身的 な診療とケアを行い、地域医療に配慮した退院調整ができる。

3.初期救急対応 緊急性の高い病態を有する患者の状態や緊急度を速やかに把握・診断し、必要時には応 急処置や院内外の専門部門と連携ができる。

4.地域医療 地域医療の特性及び地域包括ケアの概念と枠組みを理解し、医療・介護・保健福祉に 関わる種々の施設や組織と連携できる。

③ プログラム責任者

プログラム責任者 (第二消化器内科部長) 一條 哲也

 

④ 研修スケジュール

(一年次)

病院・施設研修分野暦   月
~4週~8週~12週~16週~20週~24週~28週~32週~36週~40週~44週~48週~52週

安曇野赤十字病院

内 科333          
               

安曇野赤十字病院

救急科    111111   
               

安曇野赤十字病院

外 科      111    
               
城西病院精神科         111 
               

安曇野赤十字病院

選 択   3221111223
               

(二年次)

病院・施設研修分野暦   月
~4週~8週~12週~16週~20週~24週~28週~32週~36週~40週~44週~48週~52週

安曇野赤十字病院

内 科111111111    
               

安曇野赤十字病院

救急科       111111
               

安曇野赤十字病院

小児科11110.5        
               
信州大学医学部附属病院産婦人科 111         
               
神城醫院

地域

医療

    111      
               
安曇野赤十字病院・信州大学医学部附属病院・市立大町総合病院・城西病院選 択1   0.511112222
               

 

 

臨床研修月別タイムテーブル(研修科目の順番は、研修医数によって適宜変更する)

1年次分野目標備考 (SBOs)
~4週

全般・各科オリエンテーション

医療記録の書き方(診療報酬制度の説明を含む)

基本的診察法・医療面接

●他職種業務の経験、死体検案見学を含む

●各科外来(救急外来診療を含む)の見学、模擬患者(SP)実習を含む

8週

内 科○患者の呈する症状と身体所見、簡単な検査所見に基づいた鑑別診断、初期治療を的確に行う能力を獲得するために、頻度の高い症状、緊急を要する患者の病態の観察観察、基本的臨床検査、基本的内科的手技、内科的処置・治療の実際の経験(プライマリ・ケアに対応するための基本的技能・知識・態度を習得する)。

●病態の正確な把握のために、全身の系統的な身体診察及び医療面接を適切に実施できること。また、その適切な記載ができること。

●病態と臨床経過から、必要な検査について、その適応を判断し、結果の解釈ができること。

●様々な基本的手技を経験し、自ら適切に実施できること。

●基本的治療法の適応を決定し、適切に実施できること。

12週

16週

20週

外科

外科

○基本的外科的手技、外科的処置の実際を経験する。

●一般外科を中心に、外科の基本的治療法と臨床検査の選択と解釈、初歩的手術手技、術後の基本的治療・全身管理を経験する

24週

救 急○重篤患者の救急管理、救命、蘇生法を確実に習得する

●救急外来における初期治療を含めて、二次から三次救急疾患を経験する(救急車への乗車経験を含む)

●当直・準夜当直・日直の経験(週4回を限度とし、指導医の直接指導下に限る。)

28週

32週精神科プライマリ・ケア医に求められる、精神症状の診断と治療技術および医療コミュニケーション技術の習得、および地域精神保健の経験

●患者全般に対して、生物学的、心理・社会的側面からも対応できるために、精神科の基本的な診断及び治療ができ、必要な場合には適時精神科への診察依頼ができる技術の習得。

●主要な精神疾患・精神状態像、とくに研修医が将来、各科の日常診療で遭遇する機会の多い患者の基本的診察法、治療一般(精神療法、薬物療法など)の経験及び入院患者の退院へ向けたソーシャルワーク及び退院患者の地域ケアの経験

1年次分野目 標(GIO)備 考(SBOs)

36週

選 択○一般内科、循環器科、消化器科、神経内科、一般外科、整形外科、脳神経外科、泌尿器科、耳鼻咽喉科、小児科、麻酔科、救急科、産婦人科、精神科より選択●左記の専門科目の中から選び、これまでに修得した基本的技能・知識・態度を生かしてより深く研修する。(研修期間は1診療科目4週間以上とする)

40週

44週

48週

52週

臨床研修月別タイムテーブル(研修科目の順番は、研修医数によって適宜変更する)

2年次分野目 標(GIO)備 考(SBOs)
~4週内科○内科系(一般内科、循環器科、消化器科、神経内科 等)

●左記の専門科目の中から選び、これまでに修得した基本的技能・知識・態度を生かしてより深く研修する。(研修期間は1診療科目1か月以上とする)

※一般外来を週一回半日並行研修を行う

8週

12週

16週

地域○地域医療(病診連携・在宅医療・へき地医療)について理解し現場を経験する。●診療所、中小病院における地域医療の経験(指導医による直接指導下に限る)

20週

産婦人科

産婦人科

○女性特有の疾患に対する救急医療、プライマリ・ケアおよび妊産褥婦ならびに新生児の医療に必要な基本的知識の修得

●産科・婦人科の基本的診察法

●正常及びハイリスク妊娠の鑑別診断とその管理及び分娩の取り扱い方の経験

24週

救 急○重篤患者の救急管理、救命、蘇生法を確実に習得する

●救急外来における初期治療を含めて、二次から三次救急疾患を経験する(救急車への乗車経験を含む)

●当直・準夜当直・日直の経験(週4回を限度とし、指導医の直接指導下に限る。)

28週

32週

小児科

小児科

○小児科および小児科医の役割を理解し、小児医療を適切に行うために必要な基礎知識・技能・態度を修得する

●入院患者を中心に未熟児、新生児、急性乳幼児、慢性学童の持つ各病態について、小児の基本的診察法、検査および治療法(小児救急、小児保健を含む)の経験

●成長・発達についての知識を深め、子ども・家族に対する態度と臨床技能を修得する

●(小児科二次輪番日の)指導医の直接指導下での夜間小児救急の経験

34週

    
2年次分野目 標(GIO)備 考(SBOs)

40週

選択○一般内科、循環器科、消化器科、神経内科、一般外科、整形外科、脳神経外科、泌尿器科、耳鼻咽喉科、小児科、麻酔科、救急科、産婦人科、精神科より選択●左記の専門科目の中から選び、これまでに修得した基本的技能・知識・態度を生かしてより深く研修する。(研修期間は1診療科目4週間以上とする)

44週

48週

52週

研修医による自己評価

指導医による評価

研修管理委員会による最終評価

●習得に自信のない分野を重点的に補強

○安曇野赤十字病院群卒後臨床研修プログラム(別表1)

研修期間:(週数)

卒 後 1 年 次卒 後 2 年 次

内科

(12)

外科

(4)

精神

(4)

救 急(8)

選択

(24)

内科

(12)

地域

医療

(4)

産婦人科

(4)

小児科

(6)

救急

(8)

選 択

(18)

           
  • 産婦人科の研修は、信州大学医学部附属病院で行われる。
  • 精神科の研修は、城西医療財団 城西病院で行われる。
  • 地域医療の研修は、城西医療財団 神城醫院・城西病院・ミサトピア小倉病院で行われる。
  • このプログラムは、信州大学病院と関連病院による長野県統一研修プログラムのいわゆる「たすきがけ方式」にも対応している(次表:別表2)。
  • 二年次内科選択の場合、安曇野赤十字病院または市立大町総合病院で行う。
  • 一般外来は2年次、内科・小児科で並行研修を行う。(実質20日以上)

○信州大学病院との連携による卒後1年次ならびに2年次の研修プログラム  (別表 2)

研修期間:(週数)

 卒後1年次卒後2年次
信州大学病院安曇野赤十字病院

選択

(22)

内科

(24)

救急

(6)

内科

(12)

地域

医療

(4)

産婦人科

(4)

小児科

(6)

救急

(8)

選 択

(18)

安曇野赤十字病院信州大学病院

内科

(12)

外科

(4)

精神

(4)

救 急(8)

選択

(24)

地域医療(4)必修科目(8)救急(1.5)

選択科目

(30)

                

※選択科目(必修科目等)については過不足等あればその都度協議し臨機応変に対応を行う

※外来研修については基本2年次に行う

 

⑤ 研修医の指導体制

各科、原則として臨床経験7年以上の上級医若しくは指導医による研修指導が行われる。

⑥ 研修医の募集定員:2名

募集方法    :公募(マッチングに参加)

採用方法    :面接、その他(小論文)

⑦ 研修医の処遇

(ⅰ)初期研修医の身分は常勤嘱託職員とする。

プログラム明記以外の業務を禁止する。(アルバイト禁止)

(ⅱ)研修手当   (1年次)年額 約6,200,000円(諸手当込)

(2年次)年額 約6,800,000円(諸手当込)

勤務時間    基本的な勤務時間 8:30~17:00

時間外勤務    あり

休憩時間    12:15~13:00

休暇      有給休暇     1年次 10日・2年次 11日

夏季休暇     あり

年末年始     あり

その他の休暇   5月1日(赤十字社創立記念日)

(ⅲ)時間外勤務及び当直

時間外手当あり、休日手当あり、当直手当あり

当直回数     約1~2回 / 月

(救急カリキュラム中は、4回程度)

当直手当

1年次  10,000円

2年次  16,000円

(ⅳ)研修医のための宿舎 なし(病院で斡旋)  住宅手当:28,500円

病院内の個室    あり(研修医室に、個々の机を確保する)

(ⅴ)社会保険・労働保険

公的医療保険  日本赤十字社健康保険組合

公的年金保険  厚生年金

労働者災害補償保険法の適用    あり

雇用保険    あり

(ⅵ)健康管理に関する事項  年に1回職員健康診断を実施

(ⅶ)医師賠償責任保険の扱い 個人において加入する

(ⅷ)外部の研修活動     学会、研究会への参加 可

学会、研究会への参加費用支給 あり

⑧ 研修カリキュラム

安曇野赤十字病院卒後臨床研修カリキュラム(平成16年度スタート)

【信州大学と関連病院による長野県内統一研修プログラムとして】

はじめに(本プログラムの特徴)

○ 当院は、信州大学の関連病院として、長野県内統一研修プログラムに沿ったカリキュラムを策定しています。

○ 当院は、松本市(信州大学)から約15kmの地、間近に北アルプスの山並みを仰ぐ安曇野のほぼ中央に位置しており、自然環境と交通の便に恵まれた中で臨床研修ができます。

○ 当院の救急車応需件数は年間約2,900件(松本広域圏全体の約16%)で、その数は松本広域医療圏内二番目の二次救急病院です。また、安曇野市で唯一の公的医療機関として地域の基幹病院の機能を担っている病床数321の急性期型病院であり、その守備範囲は安曇野市全域、北安曇郡南部、東筑摩郡北部の1市2郡にまたがり、対象人口は10万人余りです。年間救急患者数は、一次対応患者を含めると約12,000人余りを数えています。

このため、救急疾患(脳血管系疾患、骨折・胸部外傷・腹部外傷・熱傷・凍傷等の山岳遭難を含めた各種損傷、急性心筋梗塞・不安定狭心症等の循環器系疾患、呼吸器疾患、腹部救急等)の疾病ならびに重症度は多岐にわたり、当院は、救急医療の研修の場としても相応しい医療機関です。

○ 当院は、各診療科間の横の連携をとくに大切にしているので、内科系、外科系それぞれにおいて、効率的に研修を積むことが可能なプログラムも検討しています。

○ 毎月1回、医局(総合医局)主催の「医局臨床研究会」、毎週1回の内科合同カンファレンス、臨床研修カンファレンスが開催され、若手医師の発表の場ならびに病院を去る医師、あるいは外部講師の講演会も兼ねています。

○ 病院ならびに委員会主催の各種研修会・講演会・大会(医療安全管理大会・クリニカルパス大会)等も盛んで、また、安曇野市医師会との共催で「安曇野病診連携懇話会」も開かれ、地域医療機関との緊密な連携を保っています。これらに参加することは、研修医が医療人としての基本姿勢・資質を培う上でも有効と思われます。

学 会 認 定 施 設

日本内科学会認定教育関連病院、日本循環器学会循環器専門医研修施設、日本消化器内視鏡学会認定指導施設、日本神経学会認定准教育施設、日本外科学会認定修練施設、日本消化器外科学会認定専門医修練施設、日本消化器病学会認定施設、日本整形外科学会認定研修施設、日本脳神経外科学会専門医制度研修施設、日本救急医学会専門医指定施設、日本麻酔科学会認定病院、日本泌尿器科学会専門医基幹教育施設、日本がん治療認定医機構認定研修施設、日本肝臓学会肝臓専門医関連施設、日本透析学会専門医制度認定施設、日本不整脈学会・日本心電学会認定研修施設

診療科別初期臨床研修カリキュラム

初期臨床研修プログラム:(共通)

A医師としての基本的価値観

1.社会的使命と公衆衛生への寄与

社会的使命を自覚し、説明責任を果たしつつ、限りある資源や社会の変遷に配慮した公正な

医療の提供及び公衆衛生の向上に努める。

2.利他的な態度

患者の苦痛や不安の軽減と福利の向上を最優先し、患者の価値観や自己決定権を

尊重する。

3.人間性の尊重

患者や家族の多様な価値観、感情、知識に配慮し、尊敬の念と思いやりの心を持って接する。

4.自らを高める姿勢

自らの言動及び医療の内容を省察し、常に資質・能力の向上に努める。

 

B 資質・能力

1.医学・医療における倫理性

診療、研究、教育に関する倫理的な問題を認識し、適切に行動する。

① 人間の尊厳を守り、生命の不可侵性を尊重する。

② 患者のプライバシーに配慮し、守秘義務を果たす。

③ 倫理的ジレンマを認識し、相互尊重に基づき対応する。

④ 利益相反を認識し、管理方針に準拠して対応する。

⑤ 診療、研究、教育の透明性を確保し、不法行為の防止に努める。

2.医学知識と問題対応能力

最新の医学及び医療に関する知識を獲得し、自らが直面する診療上の問題に対して、科学的

根拠に経験を加味して解決を図る。

① 頻度の高い症候について、適切な臨床推論のプロセスを経て、鑑別診断と初期対応を行う。 ② 患者情報を収集し、最新の医学的知見に基づいて、患者の意向や生活の質に配慮した

臨床判断を行う。

③ 保健・医療・福祉の各側面に配慮した診療計画を立案し、実行する。

3.診療技能と患者ケア

臨床技能を磨き、患者の苦痛や不安、考え・意向に配慮した診療を行う。

① 患者の健康状態に関する情報を、心理・社会的側面を含めて、効果的かつ安全に収集する。

② 患者の状態に合わせた、最適な治療を安全に実施する。

③ 診療内容とその根拠に関する医療記録や文書を、適切かつ遅滞なく作成する。

4.コミュニケーション能力

患者の心理・社会的背景を踏まえて、患者や家族と良好な関係性を築く。

① 適切な言葉遣い、礼儀正しい態度、身だしなみで患者や家族に接する

② 患者や家族にとって必要な情報を整理し、分かりやすい言葉で説明して、患者の主体的

な意思決定を支援する。

③ 患者や家族のニーズを身体・心理・社会的側面から把握する。

5.チーム医療の実践

医療従事者をはじめ、患者や家族に関わる全ての人々の役割を理解し、連携を図る。

① 医療を提供する組織やチームの目的、チームの各構成員の役割を理解する。

② チームの構成員と情報を共有し、連携を図る。

6.医療の質と安全管理

患者にとって良質かつ安全な医療を提供し、医療従事者の安全性にも配慮する。

① 医療の質と患者安全の重要性を理解し、それらの評価・改善に努める。

② 日常業務の一環として、報告・連絡・相談を実践する。

③ 医療事故等の予防と事後の対応を行う。

④ 医療従事者の健康管理(予防接種や針刺し事故への対応を含む。)を理解し、自らの

健康管理に努める。

7.社会における医療の実践

医療の持つ社会的側面の重要性を踏まえ、各種医療制度・システムを理解し、地域社会と

国際社会に貢献する。

① 保健医療に関する法規・制度の目的と仕組みを理解する。

② 医療費の患者負担に配慮しつつ、健康保険、公費負担医療を適切に活用する。

③ 地域の健康問題やニーズを把握し、必要な対策を提案する。

④ 予防医療・保健・健康増進に努める。

⑤ 地域包括ケアシステムを理解し、その推進に貢献する。

⑥ 災害や感染症パンデミックなどの非日常的な医療需要に備える。

8.科学的探究

医学及び医療における科学的アプローチを理解し、学術活動を通じて、医学及び医療の

発展に寄与する。

① 医療上の疑問点を研究課題に変換する。

② 科学的研究方法を理解し、活用する。

③ 臨床研究や治験の意義を理解し、協力する。

9.生涯にわたって共に学ぶ姿勢

医療の質の向上のために省察し、他の医師・医療者と共に研鑽しながら、後進の育成にも

携わり、生涯にわたって自律的に学び続ける。

① 急速に変化・発展する医学知識・技術の吸収に努める。

② 同僚、後輩、医師以外の医療職と互いに教え、学びあう。

③ 国内外の政策や医学及び医療の最新動向(薬剤耐性菌やゲノム医療を含む。)を把握する。

 

  1. 基本的診療業務

コンサルテーションや医療連携が可能な状況下で、以下の各領域において、単独で診療が

できる。

1.一般外来診療 頻度の高い症候・病態について、適切な臨床推論プロセスを経て診断・

治療を行い、主 な慢性疾患については継続診療ができる。

2.病棟診療 急性期の患者を含む入院患者について、入院診療計画を作成し、患者の一般的

全身的 な診療とケアを行い、地域医療に配慮した退院調整ができる。

3.初期救急対応 緊急性の高い病態を有する患者の状態や緊急度を速やかに把握・診断し、

必要時には応 急処置や院内外の専門部門と連携ができる。

4.地域医療 地域医療の特性及び地域包括ケアの概念と枠組みを理解し、医療・介護・保健

福祉に 関わる種々の施設や組織と連携できる。

 

経験すべき症候-29症候

ショック、体重減少・るい痩、発疹、黄疸、発熱、もの忘れ、頭痛、めまい、

意識障害・失神、けいれん発作、視力障害、胸痛、心停止、呼吸困難、吐血・喀血、

下血・血便、嘔気・嘔吐、腹痛、便通異常(下痢・便秘)、熱傷・外傷、腰・背部痛、

関節痛、運動麻痺・筋力低下、排尿障害(尿失禁・排尿困難)、興奮・せん妄、抑うつ、

成長・発達の障害、妊娠・出産、終末期の症候

経験すべき疾病・病態-26疾病・病態-

脳血管障害、認知症、急性冠症候群、心不全、大動脈瘤、高血圧、肺癌、肺炎、

急性上気道炎、気管支喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、急性胃腸炎、胃癌、消化性潰瘍、

肝炎・肝硬変、胆石症、大腸癌、腎盂腎炎、尿路結石、腎不全、高エネルギー外傷・骨折、

糖尿病、脂質異常症、うつ病、統合失調症、依存症(ニコチン・アルコール・薬物・病的賭博)

 

その他(経験すべき診察法・検査・手技等)

① 医療面接

② 身体診察

③ 臨床推論

④ 臨床手技

1)大学での医学教育モデルコアカリキュラム(2016年度改訂版)では、学修目標として、

体位変換、移送、皮膚消毒、外用薬の貼布・塗布、気道内吸引・ネブライザー、静脈採血、胃管の挿入と抜去、尿道カテーテルの挿入と抜去、注射(皮内、皮下、筋肉、静脈内)を実施できることとされている。また、中心静脈カテーテルの挿入、動脈血採血・動脈ラインの確保、腰椎穿刺、ドレーンの挿入・抜去、全身麻酔・局所麻酔・輸血、眼球に直接触れる治療については、見学し介助できることが目標とされている。

2)研修開始にあたって、各研修医が医学部卒業までに上記手技をどの程度経験してきたのか確認し、研修の進め方について個別に配慮することが望ましい。

3)具体的には、①気道確保、②人工呼吸(バッグ・バルブ・マスクによる徒手換気を含む。)、③胸骨圧迫、④圧迫止血法、⑤包帯法、⑥採血法(静脈血、動脈血)、⑦注射法(皮内、皮下、筋肉、点滴、静脈確保、中心静脈確保)、⑧腰椎穿刺、⑨穿刺法(胸腔、腹腔)、⑩導尿法、⑪ドレーン・チューブ類の管理、⑫胃管の挿入と管理、⑬局所麻酔法、⑭創部消毒とガーゼ交換、⑮簡単な切開・排膿、⑯皮膚縫合、⑰軽度の外傷・熱傷の処置、⑱気管挿管、⑲除細動等の臨床手技を身に付ける。

検査手技

血液型判定・交差適合試験、動脈血ガス分析(動脈採血を含む)、心電図の記録、超音波検査等を経験する。

地域包括ケア・社会的視点

症候や疾病・病態の中には、その頻度の高さや社会への人的・経済的負担の大きさから、社会的な視点から理解し対応することがますます重要になってきているものが少なくない。例えば、もの忘れ、けいれん発作、心停止、腰・背部痛、抑うつ、妊娠・出産、脳血管障害、認知症、心不全、高血圧、肺炎、慢性閉塞性肺疾患、腎不全、糖尿病、うつ病、統合失調症、依存症などについては、患者個人への対応とともに、社会的な枠組みでの治療や予防の重要性を理解する必要がある。

診療録

日々の診療録(退院時要約を含む)は速やかに記載し、指導医あるいは上級医の指導を受ける。入院患者の退院時要約には、病歴、身体所見、検査所見、アセスメント、プラン(診断、治療方針、教育)、考察等を記載する。退院時要約を症候および疾病・病態の研修を行ったことの確認に用いる場合であって考察の記載欄がない場合、別途、考察を記載した文書の提出と保管を必要とする。 なお、研修期間中に、各種診断書(死亡診断書を含む)の作成を必ず経験すること

 

 

初期臨床研修プログラム:内科・腎臓内科

安曇野赤十字病院内科・腎臓内科

コース責任者:小林則善   指導医:小林則善・ 村山秀喜・石井宏明

コースの位置づけ:必修科目として4週間,内科系選択科及び選択科目として4週間から

 

I.一般目標(GIO:General Instrumental Objective)

一般的な内科疾患の中から腎疾患,糖尿病の病態を理解し,問診,理学所見,各種検体検査,画像検査に基づいて適切に診断し治療を行うべく初期診療能力を習得する.その他,呼吸器疾患,血液疾患,膠原病の中でcommon diseaseとしての診療ができる.各種ガイドラインを理解できる.

高齢者社会を反映した高齢患者に対する内科全体的な診療ができる.また患者・家族と良好な関係を築き,病棟スタッフと協力して病状安定後の診療について地域の医療機関と連携をとりながら進めることができる.

Ⅱ.行動目標(SBOs:Specific Behavioral Objectives)

1.腎臓病の主要徴候に留意して的確な病歴聴取ができる.

2.腎臓病の初期診療を述べ,指導医の下で実施,評価ができる.

3.腎障害の鑑別診断に必要な検査項目や管理に必要な検査を挙げることができ,指導医のもと適切な検査・治療計画を立てることができる.膠原病等全身性疾患に合併した腎病変の診断と治療ができる.

4.指導医と共に,患者や家族の立場を理解した病状説明ができる.特に腎代替療法(透析治療)に関しては患者や家族のライフ・スタイルまで影響が及ぶことを考慮できる.

5.腎臓病の病態に応じた生活指導や食事療法の必要性を理解し,説明できる.

6.腎障害の有無を正しく理解できる.特に急性腎不全と慢性腎不全の差異について理解でき,また腎前性・腎性・腎後性腎不全の鑑別ができる.

7.腎生検の適応と禁忌を説明でき,その手技を指導医と共に理解できる.

8.各種血液浄化療法の概略が理解できる.さらに緊急透析の適応となる病態を説明でき,指導医と

ともに透析用カテーテル留置と管理ができる.

9.血液透析用バスキュラーアクセス手術や透析シャントPTAの適応等の概略が理解でき,指導医と

ともに治療に加わることができる.

10.腎臓病の主要徴候や合併症に留意した入院指示を出すことができる.

11.他科へのコンサルテーションを的確に行うことができる.診療情報提供書を適切に書くことができる.

12.カンファレンスで受け持ち患者を適切に呈示でき,診療録,退院サマリーを適切に遅滞なく記載できる.

さらに稀少例に対しては,指導医の指導のもとで学会報告を実施できる.

13.腎臓病に対する主要な薬物療法の適応と副作用について述べることができる.

14.主要な薬物に関しては腎機能に応じた投与量・方法を理解し,実施できる,また腎機能低下例で避けるき薬剤を理解できる.

15.糖尿病の主要徴候に留意しつつ的確に病歴を聴取できる

16.糖尿病の成因(発症機序)と病態(病気)を理解できる.

17.糖尿病に関する各種指標を述べ,実施,記載ができる.

18.糖尿病の診断のための検査を理解でき,指導医とともに実施し,診断できる,

19.糖尿病のコントロール指標を理解でき,指導医と共に患者の病態に応じて指導できる

20.インスリン依存状態と非依存状態を理解し,指導医と共に治療方針を立てることができる。

21.他の病棟スタッフとともにチーム医療を行い,糖尿病患者教育を行うことができる

22.食事療法,運動療法を理解し,患者の病態に応じて指示できる.

23.経口薬物療法を特徴,適応を理解し,指導医と共に選択・調整ができる.

24.インスリン療法の適応を理解できる.また他の注射薬の特徴,適応を理解し,指導医と共に選択・調整ができる.

25.糖尿病に合併しやすい高血圧や脂質異常症を評価し,指導医と共に薬物療法を指導できる.

26.低血糖の症状,誘因を理解し,適切な対応ができる.また対策を立てることができる,

27.シックデイを理解し,適切な指示,対応ができる.

28.糖尿病急性合併症(ケトアシドーシス,高浸透圧高血糖症候群)を理解し,指導医と共に素早い対応ができる.

29.各種慢性合併症を理解し,必要に応じて他科にコンサルトできる.合併症のための検査ができる.

30.指導医と共に合併症を有する患者の治療方針をたて,実施できる.

31.指導医と共に周術期の血糖管理ができる.

32.その他,呼吸器疾患,血液疾患,代謝内分泌疾患等の中でcommon diseaseとしての診療(診察,検査,診断,治療)ができる.必要に応じて専門医へ適切にコンサルトできる.

33.呼吸器疾患:肺炎/気管支炎,気管支喘息,COPD,間質性肺疾患,等.また急性呼吸不全・慢性呼吸不全の急性増悪の管理ができる.在宅酸素療法の適応を理解し,指導・指示できる.

34.血液疾患:貧血,多発性骨髄腫,等.指導医と共に必要に応じて骨髄穿刺を含めた検査と治療を行う.

35.代謝内分泌疾患:甲状腺疾患,脂質異常症,痛風,等.必要な検査を行い,評価し,治療できる,

36.その他:各種アレルギー性疾患,膠原病(SLE),発熱疾患,等

Ⅲ 学習方略(LS: Learning Strategy)

1. 入院診療

・朝自ら病棟回診を行い、SOAPに沿って診療録を記載し、その後指導医にプレゼンテーションの上で一緒に回診を行う。指導医からのフィードバックを受ける。

・各種検査の指示、処方を行い、指導医の承認を得る。

・指導医のもとで病棟での処置に参加する。

・多職種カンファレンスに参加する。

2. 外来診療

・臨床研修2年目で内科研修中は、週1回の外来診療に参加する。

・指導医のもとで診察、処置を行う。

3. 透析業務

・指導医とともに、透析患者の回診を行う。

・指導医とともに、シャント血管造影、経皮的血管拡張術(PTA)を行う。

・指導医とともに、シャント作成術に加わる。

4. 内科合同カンファレンスへの参加とプレゼンテーション

・担当医として関わっている入院患者について症例提示を行う。

・各診療科からの症例提示から学ぶ。

5. 勉強会

・週1回の朝の勉強会で診断推論、医療安全、コミュニケーション、医の倫理などについて学ぶ。

Ⅳ 学習評価(Ev: Evaluation)

1. 知識:カンファレンスでのプレゼンテーション、レポート、EPOC

2. 技能:診察、手技に関して指導医によるスケール評価

3. 態度:指導医、他職種による評価

Ⅴ 研修スケジュール

週間スケジュール

 任意

外来研修

SBO1〜8

経験

OMP

SBO1〜8

省察〜学び

透析回診

SBO8

病棟研修

SBO1−6,10, 13-20 ,22-28, 30-36

経験

病棟研修

SBO1−6,10, 13-20 ,22-28, 30-36

経験

技能研修

(シャント造影など)

SBO 7, 9

病棟研修

SBO1−6,10, 13-20 ,22-28, 30-36

経験

病棟研修

SBO1−6,10, 13-20 ,22-28, 30-36

経験

レポート提出

SBO 12

病棟研修

SBO1−6,10, 13-20 ,22-28, 30-36

経験

技能研修

(内シャント手術など)

SBO 7, 9

チームカンファレンス

SBO11, 12, 21

技能研修

(シャントPTA,腎生検など)

SBO 7, 9

チームカンファレンス

SBO11, 12, 21

病棟研修

SBO1−6,10, 13-20 ,22-28, 30-36

経験

病棟研修

SBO1−6,10, 13-20 ,22-28, 30-36

経験

技能研修

(シャントPTAなど)

SBO 7, 9

技能研修

SBO 34

(技能)

 

内科全体の合同

カンファレンス

SBO 11,12

学び

 

内科症例

カンファレンス

SBO 11, 12, 29

学び

 

症例発表会

死亡症例検討会

当直研修

初期臨床研修プログラム:循環器内科

安曇野赤十字病院循環器内科

責任者:内川慎一郎

指導医:木下 修・内川慎一郎・神吉雄一

コースの位置づけ:必修科目として4週間,内科系選択科及び選択科目として4週間から

 

Ⅰ.一般目標(GIO)

内科一般を研修する上で必要な循環器領域の疾患に対し、指導医とともに実際に診断及び治療を行うことにより、疾患に対する知識及び治療技術を習得する。

Ⅱ.行動目標(SBOs)

1.高血圧の診断及び治療;二次性高血圧の鑑別・病態に応じた降圧薬の選択・患者教育の実際など

2.うっ血性心不全の病態把握;病歴聴取・診察による理学的所見の収集・胸部X線/心電図検査/心臓超音波検査の読影及び理解・検査結果の評価、上記を総合して得られる病態の把握及び基礎心疾患の診断、病態ごとのガイドラインに沿った適切な治療。

3.虚血性心疾患の診断及び治療;心電図/心臓超音波検査/運動負荷心電図の読影及び理解・急性期の心筋逸脱酵素の変化を評価・心臓カテーテル検査及び血行再建術の見学・適切な薬物療法の選択・補助循環法の見学及び急性期の集中治療室管理を実際に行うこと・心臓リハビリテーションの評価、心リハチームカンファへの参加

4.日常よく遭遇する不整脈の診断及び治療;心房細動及び上室性頻拍など。心電図並びにHolter心電図の読影・評価。薬物療法及び非薬物療法(除細動およびカテーテルアブレーション):前者は実際に行う、後者は見学

5.徐脈性不整脈の診断と治療;基礎疾患の評価や二次性徐脈の評価(虚血によるものや医原性徐脈の鑑別)・永久ペースメーカ植込みの助手など

6.肺塞栓症・下肢深部静脈血栓症の診断・治療;下大静脈フィルタ植え込み術の見学

7.末梢血管疾患(閉塞性動脈硬化症など)の診断・治療;至適薬物療法及び血行再建術(見学)

Ⅲ.学習方略(LS : Learning Strategy)

1.初診及び初療;循環器外来にて指導医が初診・入院させた患者の初期対応を指導医と共に行い、適切な診断治療計画を立案する。

2.救急外来にて救急指導医・循環器指導医とともに救急患者の初期対応を指導医と共に行い、適切な診断治療計画を立案する。

3.病棟業務;患者担当医となり、指導医と共に回診を行い、実際に指示を出し診断・治療を行う。

4.集中治療室業務;一般病棟とは異なる、濃密な集中治療室での患者管理を指導医と共に行う

5.daily conferenceへの参加;毎朝8時より行われている集中治療室カンファレンスへの参加、及びその後引き続いて行う循環器カンファレンスへ参加。週一回行われるコメディカルとのカンファレンス及び月2回の心臓リハビリカンファレンスに参加。それ以外にも毎週火曜日夕方の内科総合カンファレンスに出席。毎週木曜日昼の心電図ランチョンセミナーへの参加など。

6.Ⅱの行動目標に示された種々の検査・侵襲的/非侵襲的手技の習得(ないし見学)、鼠径部からの中心静脈確保手技の習得

Ⅳ.学習評価(Ev : Evaluation)

1.知識:レポート・EPOC対応・カンファレンスでのプレゼンテーションなど

2.技能:指導医による評価(スケール評価)

3.態度:指導医のみならず他職種による評価も勘案

*レポート対応項目;胸痛・浮腫・動悸・呼吸困難・循環不全

Ⅴ.研修スケジュール

週間スケジュール

 任意
8:00ICCカンファICCカンファICCカンファICCカンファICCカンファ 
8:15循環器カンファ循環器カンファ循環器カンファ循環器カンファ循環器カンファ 
午前

病棟回診

病棟業務

心エコー見学(内川)

病棟回診

病棟業務

病棟回診

病棟業務

病棟回診

病棟業務

病棟回診

病棟業務

 
   ECGランチョンセミナー  
午後

トレッドミル見学

病棟回診

病棟業務

心カテ

病棟回診

病棟業務

心カテ

病棟回診

病棟業務

病棟回診

病棟業務

心カテ

病棟回診

病棟業務

 
17:00 内科カンファ    

初期臨床研修プログラム:消化器内科

安曇野赤十字病院消化器内科

コース責任者:一條哲也  指導医:一條 哲也・中村 直・北原 桂・須藤 貴森・樋口 和男

コースの位置づけ:必修科目として4週間,内科系選択科及び選択科目として4週間から

Ⅰ.一般目標(GIO )

一般的な消化器疾患の病態を理解し、問診、理学所見、各種検査に基づいて確定診断するとともに、治療計画をたてることが出来る。また、患者、家族と良好な関係を築き、平穏な入院生活が出来るように病棟スタッフと協力し、さらに病状安定後の診療について地域の医療関係と連携を取りつつ進めることができる。

Ⅱ.行動目標 (SBOs )

1.入院患者を通じて、一般的な消化器疾患の病態を理解する。

2.消化器疾患の一般的な検査、治療手技(腹腔穿刺、経鼻胃管挿入、中心静脈カテーテル挿入など)を理解し、実施出来るようにする。

3.消化器関連検査(内視鏡検査、透視検査、腹部超音波検査)の適応を理解し、患者さんに対しての適切な説明を行い指導医のもと実施出来るように努力する。

4.内視鏡治療や肝がんの局所療法に助手として入り、基本的創傷処置技術と清潔操作を習得する。

5.患者および家族と良好な人間関係を確立するように努力する。

6.患者の医学的・心理的・社会的諸問題の把握と解決に努める

7.看護師、薬剤師、リハビリスタッフなどと協力し、診察することができる。

8.診療録に適切に記載出来る。

Ⅲ 学習方略(LS )

1.必須事項

食欲不振、悪心・嘔気、胸焼け、嚥下困難、腹痛、黄疸、排便異常(便秘、下痢)をもつ患者、およびcommon diseaseとして胃十二指腸潰瘍、胆石症、腸炎、肝機能異常患者の経験を積む。

2.病棟業務

指導医の担当する患者を中心に、指導医とともに診療に携わり、疾患の病態を把握する。検査計画、治療計画の立案をともに立て、検査の指示、処方・点滴の指示が出来るようにする。指導医による病状説明を見学して経験を積み、研修期間中に良性疾患の患者の経過説明を指導医が立ち会いのもとで出来るようにする。

3.各種検査・治療手技

A.各種検査・治療手技についてその適応を理解し、指導医の介助にあたりつつ、検査の流れを体験する。

B.上部消化管内視鏡検査については、指導医のもとモデルによる練習で基本操作を取得した上で、主に鎮静をかけた入院患者を対象にスクリーニング検査を経験する。また研修医同士で術者、被験者となり患者の検査時の苦痛も体験する。

C.内視鏡治療や肝がん局所治療を受けた患者の術後の管理についても習得する。

D.消化器疾患の緊急入院や緊急処置(緊急内視鏡、PTCDなど)には可能な限り参加して、緊急時の診療を経験する。

4.検討会

A.毎週火曜日:内科合同カンファレンス。

受け持ち患者については、プレゼンテーションを行う。患者の病態理解を

深めながら、症例呈示や要約が適切にできるようにする。

B.毎週木曜日:消化器内科カンファレンス

(1)担当入院患者の疾患の理解と現状に対する診療計画の立案を経験し、より疾患の理解を深める。

(2)受け持ち患者以外の消化器疾患の病態も学び幅広い消化器内科診療に関する病棟管理等を勉強する。

(3)文献検索を含めた情報の収集管理を学ぶ。

(4)Common diseaseの内視鏡画像や放射線画像、検査データを検証し病態の理解を図る。

C.毎週水曜日:緩和ケアカンファレンス

受け持ち患者が関与する際は参加し、プレゼンテーションを行う。

D.学会、研究会などに、機会があれば指導医の指導のもと演題発表する。

Ⅳ.学習評価(Ev )

知識:レポート、EPOC対応

技能:診察、技術等に関して観察記録、スケールにて評価;指導医

態度:観察記録評価;指導医、看護師、他コメディカル

##レポートすべき項目

腹痛、便通異常、食道・胃十二指腸疾患

Ⅴ.研修スケジュール

週間スケジュール

 
回診・経過表チェック

回診・経過表チェック

救急勉強会

回診・経過表チェック回診・経過表チェック回診・経過表チェック
午前

内視鏡研修

病棟研修

SBO1〜8

OMP

SBO1〜8

省察〜学び

外来研修

病棟研修

SBO1〜8

OMP

SBO1〜8

省察〜学び

腹部エコー研修

病棟研修

SBO1〜8

OMP

SBO1〜8

省察〜学び

内視鏡研修

病棟研修

SBO1〜8

OMP

SBO1〜8

省察〜学び

病棟研修

SBO1〜8

OMP

SBO1〜8

省察〜学び

午後

内視鏡研修

病棟研修

SBO1〜8

OMP

SBO1〜8

省察〜学び

肝処置研修

病棟研修

SBO1〜8

OMP

SBO1〜8

省察〜学び

肝処置研修

病棟研修

SBO1〜8

OMP

SBO1〜8

省察〜学び

内視鏡研修

病棟研修

SBO1〜8

OMP

SBO1〜8

省察〜学び

内視鏡研修

病棟研修

SBO1〜8

OMP

SBO1〜8

省察〜学び

 

内科合同カンファレンス(医局)

SBO1〜8

問題解決、省察〜学び

緩和ケアカンファレンス

SBO1〜8

学び

消化器内科カンファレンス(医局)

SBO1〜8

問題解決、省察

〜学び

 

初期臨床研修プログラム:神経内科

安曇野赤十字病院神経内科

コース責任者:服部 健、兼子一真

指導医:中野 武・服部 健・兼子 一真

コースの位置づけ: 必修科目として4週間、内科系選択科及び選択科目として4週間から

 

Ⅰ.一般目標(GIO)

1.医師として必要な神経内科領域の基本的研修目標を習得する

2.緊急対応を要する神経疾患の初期診療に関する基本的臨床能力を習得する

3.主要な神経疾患の診療、治療、生活指導のための基本的な知識、技能、態度を習得する

4.必要に応じて神経内科専門医への適切な紹介ができる

Ⅱ.行動目標(SBOs)

1.正確な系統的神経診察ができる

2.病態および神経学的所見のまとめから障害されている神経機能、病変部位、病因を推測できる

3.鑑別診断を上げて検査計画/治療計画をたてることができる

4.腰椎穿刺など自分で的確に実施でき、その結果を解釈できる

5.以下の検査の適応を決定して結果を解釈できる

頭部単純撮影 頚椎単純撮影 頭CT 頭部/頸部MRI MRA 脳波

頸部血管エコー 神経生理検査 神経筋生検 認知機能検査(HDS-R)

6.長期療養を要する患者の社会的資源を検討できる

7.神経内科的な緊急事態を認識し指導医に相談できる

8.内科、脳外科、整形外科など関連診療科との連携ができる

Ⅲ.学習方略(LS )

1.入院診療

2.外来診療

3.病棟検討会

4.内科系検討会

Ⅳ.学習評価(EV)

1.知識領域  レポ―ト

2.技能領域  診察 技術に関しての観察記録 評価スケール

3.態度領域  指導医の観察 病棟/外来スタッフの観察など

Ⅴ.研修スケジュール

週間スケジュール

 月曜日火曜日水曜日木曜日金曜日
 午前

外来

SBOs 1

病棟

SBOs 1

外来

SBOs 1

病棟

SBOs 1

5

外来

SBOs 1

午後

病棟

SBOs 1

病棟

SBOs 1

病棟

SBOs 1

病棟

SBOs 1

病棟

SBOs 1

 夕 

内科カンファレンス

SBOs7

リハビリテーション検討会

SBOs2

 

振り返り

SBOs

1-8

補足

Ⅰ.神経内科研修で経験できる症例

神経内科:注)脳血管障害や高齢者の診療が主になる見込み。

血管障害(脳梗塞、脳出血など)、神経変性疾患(パーキンソン病、アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症、脊髄小脳変性症など) 、免疫性神経疾患(多発性硬化症、ギラン・バレー症候群、重症筋無力症、筋炎など)、 感染性疾患(脳炎、髄膜炎など)、頭痛、その他(筋ジストロフィー、てんかん、ミトコンドリア脳筋症など)

Ⅱ.研修のポイント

安曇野赤十字病院は松本平広域救急圏で第二番目の救急患者数を受け入れている救急病院である。神経疾患は脳血管障害や意識障害など救急搬送されてくることが多い科である。治療可能な神経疾患を初期に的確に確定診断を下し、非可逆的損傷をこうむりやすい神経組織を守り(neuroprotection)、重篤な後遺症を未然に防ぐことを目指す。また、逆に進行の緩徐な変性疾患の場合には、確実な診断を下すことのみならず患者や家族と共に歩むことを心がける。

上に上げたような神経変性疾患や免疫性神経疾患など稀であるが、忘れてはならない神経疾患についても経験してもらいたい。

また神経内科医である前に内科医(General Physician)としての基本的診察法への習熟も重要である。さらに脳外科医・整形外科医など関連診療科との連携のための力量を蓄え、かつ連携診療が円滑に行えるよう人格的な修練を積むことが必要である。

直接的な守備範囲ではないがメンタルヘルスについての基本的な診療能力の習得にも配慮している。

Ⅲ.神経内科研修で求めること、習得してほしいこと

1.基本的診断能力として

A.基本的な神経内科診察法

(1)神経学的診察法の習得

(2)内科一般についての診察法の習得

(3)メンタルヘルスについての診察法の習得

(4)リハビリ治療のための基本的な機能把握とリハ計画の策定

B.基本的な神経内科臨床検査

(1)脳画像診断(単純撮影・CT・MRI)の計画と読影

(2)髄液検査とその解釈

(3)初歩的な電気生理学的検査(脳波、脳脊髄誘発電位、筋電図、神経伝導速度)

(4)筋肉生検・神経生検の適応の検討と実施の助手

C.基本的治療法

(1)脳血管障害における脳保護・浮腫対策

(2)その他 症例に遭遇できれば

免疫神経疾患における免疫吸着療法

ステロイド・パルス療法

人免疫グロブリン大量静注療法

2.経験すべき症状・病態・疾患

A.頻度の高い症状

(1)手足のしびれ

(2)手足の麻痺

(3)手足のふるえ

(4)動作の鈍さ

(5)めまい

(6)ふらつき

(7)頭痛

(8)けいれん

B.緊急を要する症状・病態

(1)急性期の脳血管障害(脳梗塞、脳血栓、脳塞栓、脳出血)

(2)くも膜下出血

(3)髄膜炎・脳炎

(4)各種神経疾患(ギラン・バレー症候群・多発性硬化症・重症筋無力症など)にともなう呼吸不全

(5)てんかん・けいれん発作の重積

(6)パーキンソン病治療中の悪性症候群

C.経験が求められる疾患・病態

変性疾患(筋萎縮性側索硬化症etc.)などの神経難病のターミナルケアおよび在宅での療養の支援

Ⅳ.指導体制

7年以上の臨床経験を有する日本神経学会専門医あるいは各専門学会の専門医

Ⅴ.診療現場では、診療現場での振り返り、リフレクションでは1分間教育法(OMP)などの成人教育理論の手法を用い、経験学習モデルを意識して、経験を有効に学びに結びつけるよう配慮している

初期臨床研修プログラム:耳鼻咽喉科

安曇野赤十字病院耳鼻咽喉科

コース責任者:佐々木由美    指導医:佐々木由美

コースの位置づけ:選択科目として4週間 から

Ⅰ.一般目標(GIO )

一般的な耳鼻咽喉科疾患の病態を理解する。診療手技を身につけ適切な確定診断・治療計画が出来るようになる

Ⅱ.行動目標 (SBOs )

1.外来・入院患者を通じて、一般的な耳鼻咽喉科疾患の病態を理解する

2.適切な病歴聴取ができ、診療録に適切に記載できる

3.耳鼻咽喉科の診察器具が使えるようになる

4.耳鼻咽喉科における各種検査・基本的な処置・手術の手技を習得する

5.耳鼻咽喉科領域について基本的な画像診断評価ができる

6.症例について関連科に適切なコンサルテーションが出来る

7.耳鼻咽喉科的な基本的処置が適切にできる

8.耳鼻咽喉科的な救急疾患に対して指導医のもと迅速・的確な応急対応を行うことが出来   る

Ⅲ.学習方略(LS )

1.必須事項

末梢性めまい 中耳炎 聴覚障害、アレルギー性鼻炎 鼻出血 急性・慢性上気道疾患 頸部腫瘤 頚部リンパ節腫脹を有する症例を経験する

2.病棟業務

指導医の担当する患者を中心に、指導医とともに診療に携わり、疾患の病態を把握する。検査計画、治療計画の立案をともに立て、検査の指示、処方・点滴の指示が出来るようにする。研修期間中に指導医の支援を受けて外来診療にあたる。

3.各種検査・治療手技

A.各種検査・治療手技についてその適応を理解し、指導医の介助にあたりつつ、検査の流れを体験する。

B.一般的な耳鼻科処置・手術例においては、指導医のもと外科的手技を経験する。

Ⅳ.学習評価(Ev )

知識:レポート、EPOC対応

技能:診察、技術等に関して観察記録、スケールにて評価;指導医

態度:観察記録評価;指導医、看護師、他コメディカル

 

Ⅴ.研修スケジュール

週間スケジュール

 
午前

外来研修

SBO1〜8

経験

OMP

SBO1〜8

省察〜学び

外来研修

SBO1〜8

経験

OMP

SBO1〜8

省察〜学び

外来研修

SBO1〜8

経験

OMP

SBO1〜8

省察〜学び

外来研修

SBO1〜8

経験

OMP

SBO1〜8

省察〜学び

外来研修

SBO1〜8

経験

OMP

SBO1〜8

省察〜学び

午後

外来研修

病棟研修

手術研修

SBO1〜8

OMP

SBO1〜8

省察〜学び

外来研修

病棟研修

SBO1〜8

OMP

SBO1〜8

省察〜学び

手術研修

病棟研修

SBO1〜8

OMP

SBO1〜8

省察〜学び

外来研修

病棟研修

SBO1〜8

OMP

SBO1〜8

省察〜学び

外来研修

病棟研修

(手術研修)

SBO1〜8

OMP

SBO1〜8

省察〜学び

初期臨床研修プログラム:小児科

安曇野赤十字病院小児科

コース責任者;瀧澤正浩

指導医;瀧澤正浩

コースの位置づけ;必修選択科目として6週間、選択科目として4週間から

Ⅰ.一般目標(GIO)

1.多くのこどもを診察する。

2.当直をする際に必用な小児科の知識・技能を修得する。

3.小児の成長の概略、頻度の高い疾患の診断と治療法、小児蘇生法、こどもの心の発達

等について概略を理解する。

Ⅱ.行動目標 (SBOs)

基本的小児科疾患および小児救急医療に対応できるようになるための診断・技術身につける。

1.一般外来で小児(特に乳幼児)の問診・診察・治療が適切に実施できる。

2.小児救急疾患に最低限対応できる。

3.小児への投薬(薬用量)・処方が適切に実施できる。

4.小児(特に乳幼児)の採血などの処置・血管確保・検査・適切な食事指導ができる。

5.伝染性疾患(水痘など)を診断でき、他者への感染予防が適切におこなえる。

6.小児の発達・発育を理解できる。

7.保護者から適切に情報が得られ、良好な人間関係を築ける。

8.診療録が適時・適切に記載できる。

Ⅲ.学習方略(LS)

1.外来診療;1~2年生共通で、小児科外来(一般外来・慢性疾患外来)に参加する。

指導医の指導のもとで外来受診患者の診療、処置を行う。

振り返り;診療録を作成し、診察時に診断・治療について指導医と検討する。

2.入院診療;1~2年生共通で、入院患者診療に参加する。

指導医と病棟回診をいっしょに行う。指導医の指導のもとで小児科の全ての入院患者に対して検査・投薬などの指示をだす。必要な採血・点滴などの処置を行う。

振り返り;退院時サマリーを作成し、指導医と振り返りを行う。

3.小児救急;午後の小児科救急患者、第3土曜日の小児科2次救急患者を診察し、診断・治療を行う。

振り返り;診療録を作成し、診察時に診断・治療について指導医と検討する。

4.その他;乳児健診、予防接種に指導医とともに参加する。

Ⅳ.学習評価(Ev)

1.知識;レポート、EPOC対応

2.技能;診察、技術などに関して観察記録、スケールにて評価;指導医

3.態度;観察記録評価;指導医、看護師他コメディカル

*レポートすべき項目

咳・痰、嘔吐、便通異常、発疹、結膜の充血

必須項目;

A.一般外来にて小児の問診・診療・治療が適切に実施できる。

(1)保護者・患児から必要な情報を上手に聞きだせる。

(2)会話のできない患児からは、患児の状態(動きや泣き方など)から緊急性を察知できる。

(3)患児にできるかぎり不安を与えずに接し、全身の診察ができ、主要な所見が把握できる。

(4)基本的な臨床検査が適切に指示でき、その結果を解釈できる。

(5)基本的な小児科の治療法(食事療法・薬剤の処方・輸液など)の適応決定ができ、実施できる。

B.小児救急疾患に最低限対応できる。

(1)下記の注1の症状に対し、適切な処置・処方ができる。

(2)緊急性を察知でき、入院の必要の有無を判断できる。

(3)下記の注2の疾患が診断でき、適切な治療ができる。

C.小児への投薬(薬用量)・処方が適切に実施できる。

(1)内服薬(抗生剤・解熱剤・鎮咳剤など)の適切な投与量を理解し、処方できる。

(2)輸液・抗生剤の適切な投与量を理解し、処方できる。

D.小児(特に乳幼児)の採血などの処置・血管確保・適切な食事指導ができる。

(1)消化器症状(主に下痢・嘔吐)があるとき、腎疾患(浮腫などのあるとき)、糖尿病の食事指導ができる。

(2)採血・心電図・腰椎穿刺が実施できる。

E.小児の発達・発育を理解できる。

F.伝染性疾患(水痘など)を診断でき、他者への感染予防が適切におこなえる。

水痘・麻疹・流行性耳下腺炎などの感染力の高い疾患を診断でき、自宅での生活・登園・登校の適切な指導ができる。

注1:発熱、嘔吐、下痢、腹痛、頭痛、痙攣、意識障害、咳、喘鳴、呼吸困難、チアノーゼ、耳痛、発疹

注2:急性気管支炎・肺炎、仮性クループ、流行性感染症(インフルエンザやRSウイルスなど)、気管支喘息、熱性痙攣、てんかん、髄膜炎、尿路感染症、急性胃腸炎、腸重積、急性虫垂炎、脱水症

Ⅴ.研修スケジュール

週間スケジュール

 任意
午前

病棟研修

(8時30分~)

外来研修

( 9時30分~)

SBO1-8

OMP

病棟研修

(8時30分~)

外来研修

(9時30分~)

SBO1-8

OMP

病棟研修

(8時30分~)

外来研修

(9時30分~)

SBO1-8

OMP

病棟研修

(8時30分~)

外来研修

(9時30分~)

SBO1-8

OMP

技能研修(心エコー、成長ホルモン分泌負荷試験など)

(8時30分~)

病棟研修

レポート提出

指導医コメント

午後

外来研修

(慢性疾患外来、救急患者)

病棟研修

SBO1-8

外来研修

(慢性疾患外来、救急患者)

病棟研修

SBO1-8

外来研修

(救急患者)

SBO2-5,7,8

乳児健診、予防接種

SBO4,6

外来研修

(救急患者)

SBO2-5,7,8

乳児健診、予防接種

SBO4,6

小児科病棟

カンファランス

(問題解決、態度)省察~学び

外来研修

(慢性疾患外(外来,救急患者)

SBO1-8

 
夕方以降

入退院カンファランス

(問題解決)

省察~学び

抄読会(隔週)

学び

  

ケースカンファランス

(問題解決)

省察~学び

第3土曜日の小児科2次救急日直、当直

初期臨床研修プログラム:外科

安曇野赤十字病院外科

コース責任者:島田良

指導医:島田良・高山寛人・内川祐司

コースの位置づけ:必修科目として4週間、選択科目として4週間から

 

Ⅰ.一般目標(GIO )

外科は、その多くが手術という侵襲を患者さんに加えることによって治療をおこなうという特徴を持っている。外科治療を成功させるためには、病気の診断、手術適応、手術のタイミング、術前管理、麻酔、手術と手術手技、術後管理などを、すべてにわたって十分に理解され実行されなければならない。また患者さんのおかれている心理的・社会的は背景を考慮して対応することも重要である。適格な外科治療がおこなわれれば、患者さんに劇的な治療効果があらわれるのも外科の特徴である。優れた外科医となるためには、症例ひとつひとつを大切に積み重ねていくことが、肝要である。初期外科研修では、上記を理解し、外科医の基本的心構えの習得と、基本的外科手技の習得、外科疾患の診断と治療の対応能力を習得する。

Ⅱ.行動目標 (SBOs )

1.頻度の高い外科疾患の手術適応を判断できる

2.術前の身体所見と検査所見から手術と麻酔のリスクを判断することができる。

3.患者さんの医学的・心理的・社会的諸問題の把握と解決に努める

4.手術を受ける患者さんに対して、適切な説明による同意(IC)について指導医または上級医に同席して学ぶ。

5.麻酔依頼書を書くことができる。(緊急手術時)

6.助手として手術に入り、基本的外科技術と清潔操作を習得する。

7.手術摘出標本を適切に扱うことができる。がん取扱規約に沿って、リンパ節分類ができる。病理組織診断から次の治療を考えることができる。

8.簡単は創傷処置(消毒、局所麻酔、切開、縫合、ドレッシング)ができる。

9.術後管理ができる。術後合併症の診断と治療を指導医とともにできる。

10.外科感染症の診断と処置および治療ができる。

11.チーム医療の一員として協調できる。

12.担当する症例については、指導医のもとで診察・カルテ記載・検査指示・与薬指示の記入ができる。

Ⅲ.学習方略(LS )

1.指導医:松下、島田、高山、内川のいずれか1人が中心となって指導する。

2.受け持ち患者:消化器手術患者2名以上を受け持つ。指導医から指名がある。症例によってはほかの医師からの指名がある。

3.回診:5S病棟の回診を9時15分から指導医、上級医とともに行う。所見をカルテに記載する。

4.外科検討会:毎週水曜日16時半から医局研修室でおこなう。

5.緩和ケアカンファレンス:毎週水曜日17時半から医局研修室でおこなう。

6.化学療法カンファレンス:毎週月曜日16時から医局研修室でおこなう。

7.受け持ち患者については、プレゼンテーションを行う。

8.手術:手術は、基本的にすべて助手として参加する。参加できないときは、外野で見学する。前日までに予定手術を確認し、かならず手術書を熟読しておくこと。糸縛り等を上級医師より教わり、常に練習しておく。

9.たとえ受け持ち患者でなくても手術等にはいった患者さんには、退院まで積極的に診療にあたり、入院経過の中から外科治療に関する術後管理等を勉強する。

10.手術摘出標本:取扱規約に従ってリンパ節を分類し、病理部に提出する。

11.病理検査報告をみて次の治療方針を考える。

12.レポート:月1例 症例報告を書き、指導医に提出する。

13.学会、研究会などに、機会があれば積極的に演題発表する。

Ⅳ.学習評価(Ev )

1.知識:レポート、EPOC対応

2.技能:診察、技術等に関して観察記録、スケールにて評価;指導医

3.態度:観察記録評価;指導医、看護師、コメディカル

Ⅴ.研修スケジュール

週間スケジュール

 任意
午前

総回診9:00

SBO3,8,-12

経験

総回診9:00

SBO3,8,-12

経験

総回診9:00

SBO3,8,-12

経験

総回診9:00

SBO3,8,-12

経験

総回診9:00

SBO3,8,-12

経験

レポート提出

SBO1-12

(問解、態度)

省察―学び

術前IC

受け持ち患者

SBO1,3,4,11

経験

手術

SBO1,2,6,7,11

経験

指導医講義

リポート作成

SBO1,2,3,9,10

手術

SBO1,2,6,7,11

経験

手術

SBO1,2,6,7,11

経験

指導医コメント

SBO1-12

省察

午後

手術

SBO1,2,6,7,11

経験

NST12:00-

SBO2,3,11

術前IC13:30

受け持ち患者

SBO1,3,4,11

経験

手術

SBO1,2,6,7,11

経験

手術

SBO11-12

緊急手術

SBO1,2,4-6,9-12

経験

化学療法検討会 4:00-

SBO3,7,11

経験、学び

術後管理・病棟管理

SBO7,911,12

術前症例検討会4:30-

SBO1,2,11,12

経験、学び

緩和ケア5:30-

SBO3,7,11

経験、学び

術後管理・病棟管理

SBO7,911,12

入院症例検討会

5:30-

SBO1,2,11,12

経験、学び

 

初期臨床研修プログラム:整形外科

安曇野赤十字病院整形外科

コース責任者:泉水邦洋

指導医:泉水邦洋・林大右、

コースの位置づけ:選択科目として4週間 から

I.一般目標(GIO )

整形外科特有の脊椎・四肢の骨・関節系の外傷、変性疾患、腫瘍、炎症性疾患、代謝疾患、先天性疾患などについて学び、プライマリケアに必要とされる基本的知識と診療手技・技術の習得

Ⅱ. 行動目標(SBO s)

1.整形外科治療に必要な基本知識の習得

A.運動器の基礎知識習得

B.骨・関節・軟骨・神経・筋・腱・脈管の解剖、生理習得

2.整形外科の基本診断と治療に必要な問題解決方法の習得

A.問診と病歴記載

患者の権利を尊重し、良いコミュニケーションを保った問診を行い、問題志向システム(POS)に基づいた診療録(POMR)の記載につとめる

B.整形外科診察法

(1)視診

(2)触診

(3)関節可動域評価

(4)深部腱反射、筋力評価、知覚評価

(5)神経症候学

(6)各疾患特有の誘発テスト

3.基本的整形外科臨床検査の理論と評価法の習得

A.単純X線

B.CT

C.MRI

D.関節造影検査

E.脊髄造影検査

F.神経根造影検査

G.椎間板造影検査

H.電気生理学的検査

I.骨密度測定

4.整形外科の基本的処置・治療法の習得

A.適切な薬剤の選択、用量・用法の指示による処方箋発行

B.無菌的処置

C.関節穿刺・関節内注射

D.各種神経ブロック(トリガーポイント・硬膜外ブロック・神経根ブロックなど)

E.骨折・脱臼の徒手整復、ギプス固定、包帯固定、各種補助固定

F.鋼線牽引

G.開放創の処置

E.麻酔法(局所麻酔・伝達麻酔・静脈麻酔・腰椎麻酔など)

F.義肢、装具の処方と適合性の判定

5.整形外科の一般的な急患に対する迅速かつ的確な処置法の習得

Ⅲ.学習方略(LS)

必須項目である腰痛、関節痛、歩行障害、四肢のしびれを有する患者を診療し、骨折、関節靭帯損傷、脊椎疾患、慢性関節リウマチなどの関節疾患、骨粗鬆症などを経験する

外来研修:指導医・上級医の支援を受け共に診療を行う

病棟研修:指導医の担当患者を中心に入院患者の診療を指導医・上級医と共に行う

検査研修:指導医・上級医の指導の下、一般的な検査は施行できるようにする

手術研修:指導医・上級医の指導の下、一般的な整形外科処置・手術は施行できるようにする

カンファレンス:症例検討会に参加し、積極的に討論に参加する

Ⅳ.学習評価(Ev)

 知識:レポート・EPOC対応

技能:診察・技術等に関して観察記録等にて評価(指導医)

態度:観察記録評価(指導医・看護師他コメディカル)

Ⅴ.指導体制

7年以上の整形外科臨床経験を有する日本整形外科学会認定医あるいは各専門学会の専門医

Ⅵ.整形外科研修の必要性

 厚生労働省の平成22年国民生活基礎調査において、有訴率の割合は、腰痛・肩こり・関節の痛みが男女ともにベスト5に入っており、非常に整形外科的症状を有する人が多いことが分かります。また、要介護・支援が必要になった原因は整形外科疾患で約21.1%を占めております。今後さらに高齢化が進むわが国においては、高齢者の有病率が高い整形外科的疾患の知識はすべての科の医師に必要となると考えます。救急外来診療において、整形外科的知識がほとんどない研修医が多くみられ、その先生方の将来が危惧されます。

Ⅶ.研修スケジュール

週間スケジュール

 
午前

病棟回診

SBO1-4

(手  術)

外来診療

SBO1-5

(手  術)

外来診療

SBO1-5

病棟回診

SBO1-4

(手  術)

外来診療

SBO1-5

午後

手  術

SBO1,4

検  査

SBO1,3,4

(手  術)

手  術

SBO1,4

検  査

SBO1,3,4

病棟カンファ

SBO1-3

手  術

SBO1,4

整形外科研修のポイント

  • 脊椎疾患の症例が多い
  • 外傷は、多発外傷を含み多種多様で、緊急手術を要する重症患者も多い
  • 他診療科との横の連携を密にしている

初期臨床研修プログラム:脳神経外科

安曇野赤十字病院脳神経外科

コース責任者:宮武正樹

指導医:宮武正樹・上條幸弘

コースの位置づけ:選択科目として4週間から

 

Ⅰ.一般目標(GIO )

本研修プログラムは信州大学脳神経外科卒後研修カリキュラムに準じて行われ、脳神経外科を選択科目として選択し、1ヶ月研修した場合について述べる。臨床医として脳神経外科医の役割を理解し、脳神経外科の基本的な知識と技術を研修し、研修終了時には意識障害、脳血管障害、頭部外傷を中心に、脳外科疾患の診断、必要とされる緊急対応や初期治療の理解と習熟を目標とする。

1.意識障害(一過性を含む)患者の救急医療、初期治療を研修する。

的確な鑑別診断、画像診断等補助的診断のプランニング、初期治療が可能なための研修を行う。

2.脳血管障害患者の救急医療、初期治療を研修する。

救急処置、画像診断、治療計画のプランニングおよびその指示、EBMに基づく手術適応の判断が可能のための研修を行う。

3.頭部外傷患者の救急医療、初期治療を研修する。

2と同様的確な診断とプライマリケアを研修する。

Ⅱ.行動目標 (SBOs )

1.患者より適切な病歴聴取ができる。

2.一般的な全身の観察、所見の記載、意識障害患者の診察ができる。

3.担当する症例については、指導医のもとで診察・カルテ記載・検査指示・与薬指示の記入できる。

4.頭部外傷、脳血管障害などの脳神経外科救急疾患に対して迅速かつ適切な対応ができ、指導医と共に治療にあたることができ、治療方針について理解を深める。

5.脳腫瘍、小児脳神経外科疾患の診察ができる。

6.脳神経外科の代表的疾患について基本的検査(CT、MRI、脳血管撮影、髄液検査、脳波など)を自ら経験し、読影や検査結果の評価診断ができる。

7.脳神経外科での基本的な処置、意識障害患者の気管挿管、人工呼吸器管理、てんかん発作の処置を行うことができる。

8.症状や疾患について専門医への適切なコンサルテーションができる。

9.患者、家族に脳神経外科的検査、手術について適切に説明(病状、検査目的、内容、合併症)できる。

10.神経学的障害を持つ患者を理解し、医学的に支援することができる。

11.脳神経外科手術については以下を目標とする。

慢性硬膜下血腫、脳室ドレナージ → 第一助手または術者

開頭術、急性硬膜外血腫、急性硬膜下血腫、定位的手術 → 第一助手

顕微鏡下手術 → 第二助手

12.術後のビデオテープ活用により、微小脳解剖について理解できる。

Ⅲ.学習方略(LS )

1.必須項目:頭痛、めまい、失神、けいれん発作を有する症例を経験し、意識障害、

脳血管障害の患者の治療に参加する。

2.入院患者の診療:指導医の担当する患者を中心に入院患者の診断・治療などをチェックし、その適正判断・修正を行う、原則として病棟回診を指導医と共に毎日行う。

3.外来患者の診療

〈一般外来〉

脳神経疾患の患者を指導医の支援を受けて、ともに診療にあたる。

〈救急外来〉

脳神経外科救急(頭部外傷、脳血管障害など)の患者を指導医の支援を受けて

救急部において、適切な診断のもと診療にあたる。

4.処置・手術:脳神経外科処置・手術施行例においては、できる限り指導医の指導のもと、助手として手術に参加し、施行できるようにする。

Ⅳ.学習評価(Ev )

1.知識:リポート、EPOC対応

2.技能:診察、技術等に関して観察記録、スケールにて評価;指導医

3.態度:観察記録評価;指導医、看護師、コメディカル

Ⅴ.研修スケジュール

週間スケジュール

 
午前

8:00

ICCカンファランス、脳外科カンファランス

SBO6

8:00

ICCカンファランス

術前カンファランス・担当患者回診

SBO1-10

8:00

ICCカンファランス

SBO6

8:00

ICCカンファランス

SBO6

8:00

ICCカンファランス

抄読会

SBO6,8

指導医と病棟回診・外来研修

SBO1-10

手術

SBO11-12

ビデオカファランス

SBO11-12

指導医と外来研修

SBO1-10

指導医と病棟回診

リポート作成

SBO1-10

指導医と病棟回診

リポート完成

SBO1-10

午後

脳血管造影等

SBO6

13:30リハビリカンファランス

SBO10

脳血管造影等

SBO6

手術

SBO11-12

病棟管理

SBO1-10

術後管理・病棟管理

SBO1-10

病棟回診

SBO1-10

病棟管理

SBO1-10

術後管理・指導医チェック・担当患者回診

SBO1-10

脳外科研修のポイント

  • 救急医療:脳卒中・脳外傷・・・・・救急患者搬入時から、指導医と共に患者に対応し、気道確保、血圧コントロール、脳圧コントロールなどの救急処置に参加し、緊急画像診断(CT/MRI/脳血管造影など)の進め方、手術、保存的治療の治療方針決定ができるように指導する。
  • 毎朝、ICCカンファレンスがあり、画像の読影能力の向上を図る。
  • 毎週、リハビリカンファレンスがあり、リハビリの進め方、社会復帰への流れを理解してもらう。
  • 週1回の抄読会では、適当なものを選んで読んでもらう。
  • 習熟度に応じて、指導医による直接指導下で、脳血管造影検査に際して、カテーテル操作の一部を行なってもらう。
  • 症例を選んで、指導医の下で入院患者を担当してもらい、継続的な診察・処置が出来るように指導する。
  • 担当患者のプレゼンテーションをPCプレゼンテーションで行なってもらうようにする。
  • 脳卒中・脳外傷のあらゆる症例の救急医療、緊急手術等を行なっており、また、待機手術でも数は少ないが症例があれば脳腫瘍手術なども幅広く行なっている。これらの手術において、顕微鏡下手術ではアシスタントスコープによる術野の観察・水掛・ワタ出しなどの簡単な助手の術操作にも参加してもらう。
  • リポート作成時間は①その週間に経験した後述する行動目標の具体的内容とその関係症例名 ②下記の経験すべき症状、病態、疾患や研修項目の経験優先順位に示された目標症例について当てる。

A.経験すべき診察法・検査・手技

(1)基本的脳神経外科診療能力

1)問診及び病歴の記載

患者、家族にたいし礼儀正しく、真摯な気持ちで的確な問診を行い、専門に限られることなく、また、患者の心理状態も考慮しながら総合的且つ全人的にpatient profileをとらえることができるようになる。

病歴の記載は問題解決志向型病歴 ( POMR: Problem Oriented Medical

Record )を作るように工夫する。

①主訴

②現病歴

③既往歴

④家族歴

2)脳神経外科診察法

脳神経外科診療に必要な診察知識、技能を身につける。

①バイタルサイン

②意識状態の把握

③頭頚部の診察

④神経学的検査

(2)基本的脳神経外科臨床検査

脳神経外科診療に必要な種々の検査を実施あるいは依頼し、結果を評価して患者、家族にわかりやすく説明することが出来る。検査のリスクやそれぞれの病態で禁忌である検査法、避けた方が望ましい検査法であるか否かを十分に理解する。

1)髄液検査

2)神経放射線学的検査

  • 単純X線検査
  • X線CT検査
  • MRI検査
  • 脳血管造影検査

3)神経生理学的検査

4)神経耳科学、眼科学的検査(耳鼻科、眼科の協力依頼)

(3)基本的治療法

脳神経外科は、脳圧亢進や、脳虚血に対してクリティカルな薬物療法を行うが、それらによる効果の期待できない場合は、速やかに且つ労を厭わず有効な外科的処置を躊躇せず行わなければならない領域である。病態の十分な説明と外科的治療の必要性、そのリスクを含めた十分な説明を、多くの場合患者家族に行い了解を得て外科的な能力を遺憾なく発揮すべき領域である。その為、各疾患の救急救命処置に関するEBMに基づいた外科的処置の適応に関してきちんとした判断が出来なければならない。これは、専門医に荷せられた命題であるが研修医にあっても基本的にはそういった脳外科的精神に基づいて脳外科的治療を習得しなければならない。しかし、一方では絶えず機能的な予後を見通してその十分な説明を家族に私見を抜きにして公正に行うことを誓わなければならならない領域である。脳外科疾患においては重症であるほど患者自身の判断が困難であるため、家族その他の第三者に治療方針が委ねられざるを得ないからである。高齢者については特に愛護的な対応を要する。しかし、知的、精神的能力の推定される能力的予後について人間の尊厳性を保つべき判断を要する。いたずらにメスを乱用してはならない領域である。以上の基本的立場は研修期間中に感じとってもらわなければならない根本的治療概念である。その他の習熟すべき日常業務は他科と同様であるが、下記に示す。

1)処方箋の発行(薬剤選択、薬用量、安全性など)

薬物の作用、副作用、相互作用について理解し、薬物治療(脳圧下降薬、抗てんかん剤、筋緊張亢進や不随意運動に対する薬剤、脳虚血時脳保護薬、脳血栓溶解剤、抗凝固薬、抗血小板薬、抗脳血管攣縮剤、降圧剤と昇圧剤(特に注射薬による))、呼吸促進薬剤、DIC治療薬、脳外科疾患によるストレス潰瘍や急性肺水腫治療薬、主に仮性球麻痺や神経因性膀胱により誘発される感染症に対する抗生剤や抗菌薬、パーキンソン症候群治療薬、脳障害によるせん妄、錯乱不穏、軽症鬱や不眠等に対する薬剤などが脳外科疾患にしばしば見られる薬物療法である。脳外科領域では麻薬の使用の機会は少ない。)が出来る。特に、名年齢、病態に合わせた投薬の問題、治療をする上での制限(相互作用、禁忌、禁忌など)等について学ぶ。

2)注射薬の施行

皮内、皮下、筋肉、静脈、中心静脈(中心静脈についてもカテーテル刺入が可能なよう指導)

3)副作用の評価ならびに対応

4)療養指導

安静度、体位、食事、入浴、リハビリ、排泄、在宅療養時の環境整備、施設入所時療養方針を含む

5)基本的手技

気道確保、人工呼吸、胸骨圧迫、ドレーン、チューブ類の管理、創部消毒とガーゼ交換、皮膚縫合などが実施できる。

B.経験すべき症状、病態、疾患

研修の最大の目的は、脳神経外科患者(特に脳血管障害と頭部外傷)の呈する症状と身体所見、簡単な検査所見に基づいた鑑別診断、初期治療を的確に行う能力を獲得することである。

(1)頻度の高い症状

1)頭痛、顔面痛、頚後頭部痛、半側咽頭痛

2)めまい、ふらつき、欠神様短時間意識消失

3)嘔気、嘔吐

4)片麻痺(一過性を含む)、顔面麻痺等運動麻痺

5)四肢運動失調、振戦、半側顔面痙攣等不随運動

6)四肢のしびれ等知覚障害(一過性を含む)

7)複視、半側眼瞼下垂、共同偏視

8)失語、呂律障害、嚥下障害

9)歩行障害

10)痙攣発作

診察し鑑別してレポートを提出する。

(2)緊急を要する症状、病態

1)意識障害

2)脳血管障害

3)外傷

指導医とともに初期治療に参加し、カルテにも記載する。

(3)経験が求められる疾患、病態

(理解しなければならない基本的知識を含む)

1)脳、脊髄血管障害

2)頭部、脊髄外傷

3)認知症性疾患

4)変性疾患

5)髄膜炎、脳膿瘍、脳炎

C.脳神経外科研修項目( SBOの Bの項目 )の経験優先順位

(1)経験優先順位第一位(最優先)項目

脳血管障害の検査、診断、初期治療の管理

→くも膜下出血、脳出血、脳梗塞の各1例を含む5例以上を経験し、

うち各1例についてレポートを提出する。

頭部外傷の検査、診断、初期治療の管理

→5例以上を経験し1例についてレポートを作成する。

→必要な検査(神経放射線学的検査)の指示については出来るだけ自ら

実施し診療に活用する。

(2)経験優先順位第二位項目

認知症性疾患(特にTreatable Dementia )の検査、診断、治療計画の立案

髄膜炎、脳膿瘍、脳炎の検査、診断、治療計画の立案

→受け持ち患者として症例があれば積極的に経験する。

(3)経験優先順位第三位項目

脊髄血管障害の検査、診断

脊髄外傷の検査、診断

変性疾患の検査、診断

→機会があれば積極的に初期治療に参加し、出来るだけレポートにまとめる。

D.脳神経外科研修項目と「臨床研修到達目標」との対応

原則として金曜日の指導医チェック時に検討し、達成度を評価する(記録を残す)。

Ⅵ.指導体制 (研修医に対する研修、カリキュラムの質の保証をします。)

1.指導医資格

10年以上の脳神経外科臨床経験を有する日本脳神経外科学会認定専門医であること

2.指導施設資格

上記の資格を満たす指導医が2人以上勤務し、うち1名は15年以上の臨床

経験があること

3.指導医1人に対する研修医数

原則として1人までとする

産科婦人科プログラム

(信州大学医学部附属病院研修プログラム)

コース責任者:塩沢 丹理

指導医:塩沢 丹理・小原 久典・大平 哲史・岡 賢二・高津 亜希子・橘 涼太

コースの位置づけ:必修科目として4週間、選択科目として4週間から

<研修の特色>

産婦人科は、1人の人間の誕生からターミナルケアまでの全人的な医療を提供できる唯一の科であり、かつ外科的な手技だけでなく内科的な発想や手法も求められるため、産婦人科領域に限らず、幅広く女性疾患への対応を学び経験することが可能となる。

信州大学は長野県の基幹病院であり、周産期学・婦人科腫瘍学・生殖補助医学全ての分野に症例が豊富である事に加え、世界基準の標準治療を施行することが特徴です。従ってどの分野においてもハイレベルな診療を一緒に体験し、またカンファレンスにおけるディスカッションに参画することによってより深い知識の習得をすることができる。

また当教室では教育を極めて重要な任務として位置付け、臨床医として必要な知識や技能の修得のみならず、科学的かつ患者の目線に立った思考を養成できるよう指導している。真のプロフェッショナルへと成長するために以下の目標が達成できるように努めている。1)人間性に富み、常に学問的好奇心を持ち続ける。2)基本的な原理にたちかえり応用できる。3)行動のすべてを理由づけられる。4)自分自身の知識および教科書の知識に限界があることを意識し創造性を導き出す。5)絶えざる学徒であること。

当教室の教育・研修システムは深く信頼されており、殆どの研修医が充実した研修と感じている。

<研修目標>

1. 一般目標

産婦人科疾患と妊娠に関連した病態へ適切に対応するために、女性の生理学的・解剖学的・精神的特徴、特有の病態、基本的な産婦人科診療手技を理解し、活用する技能を習得する.

2. 行動目標

【1.5ヶ月プログラム】

◎産婦人科的診療に必要な基本的態度・手技(膣鏡診、双合診、内診、妊婦のLeopold触診法)を身につけ、基本的検査(経膣・経腹超音波断層法、CT、MRI)を活用して骨盤内の評価ができる。

◎正常妊娠・分娩・産褥ならびに新生児の生理を理解し、正常分娩の管理を行うことができる。

◎上級医師の指導下で、会陰縫合・開腹・閉腹などの外科手技、腹式帝王切開術の助手を行うことができる。

◎女性の下腹部痛、急性腹症の鑑別診断を行ない、初期対応に参加することができる。

◎婦人科病理診断に必要な基本的知識を身につけ、婦人科良性腫瘍の診断ならびに治療計画の立案ができる。

【3ヶ月プログラム】

1ヶ月プログラムの目標に加えて,次の項目を目標とする。

◎初期の異常妊娠(切迫流産、子宮外妊娠)や切迫早産の病態を理解し、診断と管理を行うことができる。

◎産科出血に対する応急処置法を理解し初期治療に参加することができる。

◎妊産褥婦ならびに新生児に対する投薬の問題、治療上の制限を理解した上で薬剤投与の可否、投与量等を適切に判断できる。

◎上級医師の指導下で、腹式単純子宮全摘術を行うことができる。

  • 婦人科悪性腫瘍の早期診断法と集学的治療を理解し、治療計画の立案ができる。

 

<研修スケジュール>

1.週間スケジュール表

 
午前

病棟業務

手術助手

(朝)抄読会

新患予診

病理カンファレンス

病棟業務

手術助手

病棟業務

手術助手

病理カンファレンス

子宮鏡検査

午後

病棟業務

新生児カンファレンス

病棟総回診

術前カンファレンス、放射線科カンファレンス

病棟業務

病棟業務

手術助手

病棟業務

 

<研修方法>

  • 指導体制

日常の指導には,産科・婦人科の各病棟医長・副医長と3年目以上の上級医師があたり,指導医が指導評価(EPOC)を行う。

研修医は,上級医師とペアになり,入院患者(産科と婦人科の両方)を受け持つ。3ヶ月プログラムでは,最後の1ヶ月間は主体的な受け持ち医となり、入院患者を受け持つが,その場合でも絶えず上級医或いは指導医と相談しながら診療にあたるものとする。

  • 受け持ち患者

病棟においては,チーム医療を行う。

受け持ち患者数 10名前後

  • 当直研修

週に1回程度、上級医師とともに緊急入院患者や時間外分娩の対応を行う。

初期臨床研修プログラム:麻酔科

安曇野赤十字病院麻酔科

 

コース責任者:雄山瑞巌     指導医:雄山瑞巌・坪川和範

コースの位置づけ:選択科目として4週間 から

 

Ⅰ.一般目標(GIO )

周術期管理を通じて、麻酔科医の役割を理解し、基本知識および手技を見につける。臨床におけるいかなる緊急時にも即応できる医師を育成する。手術患者の術前診察、麻酔計画、手術麻酔、術後診察を通じて、プライマリケアに必須の診察態度・全身状態の評価、各種臓器不全状態をの評価と対策ならびにその有効について検証し、診断・治療の基本を学習する。

1.手術時の各種麻酔法の習得

2.術前術後の患者管理法の習得

3.蘇生の基本的手技の習得

Ⅱ.行動目標 (SBOs)

1.術前の病歴聴取・身体診察から全身状態を評価し、適切な術前準備を行うことができる。

2.患者や家族に麻酔の目的・方法・合併症について説明することができる。

3.患者の術前状態、手術侵襲を考慮し、適切な麻酔方法を選択することができる。

4.適切な術後疼痛管理を行うことができる。

Ⅲ.学習方略(LS )

手術に参加し麻酔領域における基本知識および技能を習得する。

1.基本的麻酔科診察法

A.診療記録の作成

(1)術前回診と全身状態の評価

(2)麻酔の説明と同意取得

(3)麻酔記録

(4)術後回診と合併症管理

(5)副作用・合併症経過

B.麻酔科診察法

(1)視診:皮膚(色・浮腫・皮疹)、爪床(色・血流)、粘膜(色・湿潤度)、

目(瞳孔の大きさ、反応性)、胸郭の動き(対称性・呼吸パターン・呼吸数)、

術野(血液の色・出血量)

(2)触診:皮膚(湿度・浮腫)、動脈拍動(大きさ・拍数・リズム・アレンテスト)

(3)聴診:呼吸音(強弱・雑音・喘鳴・左右差)、心音、血圧(非観血的血圧測定法)、

経鼻胃管(挿入・胃内空気の吸引または注入)

2.基本的麻酔科臨床検査

A.血液検査:貧血、凝固系異常、肝機能障害、糖尿病など、

B.胸部X線写真:気胸、血胸、無気肺、片肺挿管

C.心電図:心房細動、心室性期外収縮、房室ブロック

3.基本的治療法

A.局所麻酔、腰椎麻酔、各種吸入麻酔剤による全身麻酔

Ⅳ.学習評価(Ev )

1.知識:レポート、EPOC対応

2.技能:診察、技術等に関して観察記録、スケールにて評価;指導医

3.態度:観察記録評価;指導医、看護師他コメディカル

Ⅴ.研修スケジュール

週間スケジュール

 
午前

麻酔機器準備

症例検討会

術後回診

術前回診

麻酔管理

麻酔機器準備

症例検討会

術後回診

術前回診

麻酔管理

麻酔機器準備

症例検討会

術後回診

術前回診

麻酔管理

麻酔機器準備

症例検討会

術後回診

術前回診

麻酔管理

麻酔機器準備

症例検討会

術後回診

術前回診

麻酔管理

午後

麻酔管理

術後回診

麻酔管理

術後回診

麻酔管理

術後回診

麻酔管理

術後回診

麻酔管理

術後回診

 

初期臨床研修プログラム:救急部

安曇野赤十字病院救急部

コース責任者:藤田正人     指導医:藤田正人・亀田徹・路遠昭

コースの位置づけ:必修科目として16週間、選択科目として4週間 から

 

I.一般目標(GIO)

救急というと「救命救急」や「心肺蘇生」などを思い浮かべるかも知れません。しかし、救急現場で提供する医療とは単に救命や疾患治療だけを目的とするのではなく、患者の置かれた生活背景や人生観にも配慮したり、患者自身のみならず家庭や家族、そして時には地域でのニーズを的確に捉えたものでなければなりません。本コースでの救急初期研修ではこのような広い視野を持った医師となることを目指します。

Ⅱ.行動目標(SBOs )

本コースの幹である救急部での外来診療では内因性・外因性を問わず、全ての救急患者の気道、呼吸、循環、意識といった生命維持に直結する異常をいち早く見極め、同時にそれら異常に対する蘇生処置を遅滞なく行う能力を習得する事にあります。

1.緊急度と重症度の違いを見極めた基本的な診療が出来る

2.緊急度が高い気道、呼吸、循環、意識の異常に速やかに対応出来る

3.訴えの背景にある心理的、社会的な問題に適切に対応出来る

4.患者および家族との間に適切な人間関係を構築出来る

5.他科の医師、他の医療機関、各医療職との連携の重要性を学ぶ

6.指導を受けた事項を速やかに振り返り、自らの研修を改善出来る

7.診療録を適切に作成出来る

Ⅲ.学習方略(LS )

救急部での外来診療

・毎日朝8時~17時までの日勤帯の救急車や紹介患者、直接来院患者の診療

を担当する。

入院患者診療

・救急部が担当する入院患者の病棟回診、検査計画、治療、退院調整、

家族への病状経過説明などを指導医とともに行う。

夜勤診療

・救急部に限らず、どの診療科をローテーション中であっても月5回前後

の17~23時までの夜勤帯を指導医とともに従事する。日勤帯以上に問診

から検査立案、診断について主体的に関わる。指導医に必ず症例の提示

を行い治療について指導を受ける。

カンファランス出席

・ICC合同カンファ:平日毎朝8時からICCにて

・救急部カンファ:平日毎朝ICCカンファ終了後 ER室にて

受け持ち入院患者のプレゼンテーションをするため、カンファ前に担当患者

の診察を済ませておく事。

・内科合同カンファ:毎週火曜日17:30~ 医局カンファ室にて。救急

部ローテーション中は、救急症例のうち最低1例を提示する。

抄読会出席

・毎週火曜日朝7:30~7:55 図書室にて

各種教育コースの受講

・必修:ICLS、JPTEC

・任意:ACLS、JATEC、ISLS

1.経験すべき診察法・検査・手技

A.基本的救急診療能力

(1)問診および病歴の記載

患者との間に良いコミュニケーションを保って問診を行い、総合的に病態を把握できるようになる。病歴の記載は、問題解決志向型病歴を原則とする。

(2)救急初療診察法

救急診療に必要な基本的態度と技能を身に付ける。

①バイタルサイン ②意識状態の把握 ③内因性疾患の診察法 ④外因性疾患の診察法 ⑤必要に応じて全身をくまなく観察することの重要性を理解し実践する ⑥患者の状態が刻々と変化する場合があることを理解し、経過を追って診察する習慣を身に付ける。

B.基本的救急臨床検査

(1)放射線検査

1)X線単純撮影検査(指示を的確に出し、正しく読影できる)

2)X線CT検査(指示を的確に出し、正しく読影できる)

3)MRI検査

4)造影検査

(2)生理学的検査(指示を的確に出し、結果を正しく判定できる)

(3)検体検査(指示を的確に出し、結果を正しく判定できる)

(4)感染症検査

C.基本的治療法

(1)処方箋の発行

(2)注射の施行(皮内、皮下、筋肉、静脈)

(3)副作用の評価ならびに対応

(4)療養指導(安静度、体位、食事、入浴、排泄、環境整備)

(5)基本的手技

気道確保、人工呼吸、心肺蘇生法、ドレーン・チューブ類の管理、創部消毒手技、皮膚縫合(局所麻酔を含む)などを実施できる。

2.経験すべき症状・病態・疾患

A.頻度の高い症状

(1)意識障害

(2)めまい

(3)呼吸困難

(4)胸痛・腹痛

(5)痙攣発作

(6)失神

(7)心肺停止

B.経験が求められる疾患・病態 (基本的知識を含む)

(1)脳・脊髄血管疾患

(2)循環器疾患(急性冠症候群、急性心不全、大動脈解離、致死性不整脈)

(3)呼吸器疾患(肺炎、急性呼吸不全、慢性呼吸不全の急性増悪)

(4)消化器疾患(急性腹症、吐血、下血、血便を来す疾患、急性膵炎、胃腸炎)

(5)腎、泌尿器科疾患(急性・慢性腎障害、尿閉、尿管結石、水腎症)

(6)内分泌疾患(高血糖性・低血糖性昏睡、甲状腺・副腎クリーゼ)

(7)急性感染症

C.経験が求められる外傷、外因疾患

(1)頭部外傷

(2)脊椎・脊髄外傷

(3)胸部外傷

(4)腹部外傷

(5)骨盤外傷

(6)四肢外傷

(7)熱傷

(8)耳鼻科領域、眼科領域外傷

(9)急性薬物中毒

(10)偶発性低体温症、熱中症

(11)気道、消化管異物

3.2の項目の経験優先順位

A.経験優先順位第一位(最優先)項目

心肺停止患者の蘇生治療、検査・鑑別診断、蘇生後治療計画の立案

外傷患者の初期診療(JATECに準ずる)、治療優先順位の判断

・合計4例以上を経験し、うち1例についてレポートを提出する。

B.経験優先順位第二位項目

脳血管疾患、循環器疾患、呼吸器疾患、消化器疾患の初期治療、検査・鑑別診断、治療計画の立案

・それぞれについて1例ずつレポートを提出する。

C.経験優先順位第三位項目

薬物中毒患者の初期治療、検査・鑑別診断、治療計画の立案

Ⅳ.学習評価(Ev )

知識:リポート、EPOC対応

技能:診察、技術等に関して観察記録、スケールにて評価;指導医

態度:観察記録評価;指導医、看護師、コメディカル

Ⅴ.指導体制

当院救急部は救急医学会指導医1名と専門医2名、非常勤医1名

Ⅵ.研修スケジュール

週間スケジュール

 
午前

担当患者回診

8:00

ICCカンファランス、救急カンファランス

SBO5

担当患者回診

抄読会

8:00

ICCカンファランス

救急カンファランス

SBO5

担当患者回診8:00

ICCカンファランス

救急カンファランス

SBO5

担当患者回診8:00

ICCカンファランス

救急カンファランス

SBO5

担当患者回診

8:00

ICCカンファランス

救急カンファランス

SBO5

救急外来診療

病棟回診

SBO1-7

救急外来診療

病棟回診

SBO1-7

救急外来診療

病棟回診

SBO1-7

救急外来診療

病棟回診

SBO1-7

救急外来診療

病棟回診

SBO1-7

午後

救急外来診療

病棟回診

SBO1-7

救急外来診療

病棟回診

SBO1-7

内科カンファ

救急外来診療

病棟回診

SBO1-7

救急外来診療

病棟回診

SBO1-7

救急外来診療

病棟回診

SBO1-7

省察~学び省察~学び省察~学び省察~学び省察~学び

 

 

 

初期臨床研修プログラム:泌尿器科

安曇野赤十字病院泌尿器科

コース責任者:村田靖      指導医:村田靖

コースの位置づけ:選択科目として4週間 から

Ⅰ.一般目標(GIO)

泌尿器科の研修により、“尿道カテーテル留置の技の習得” “尿路の緊急事態を理解し必要時は泌尿器科医をコールできる” “将来の一般診療にも役に立つ尿路の知識を学び尿路の理解を深め習得する” “腰椎麻酔を実施する”ことを目指します。

主に、“解説と実践”を繰り返しフィードバックしながら経験値を上げる事を目標にしており“自己評価”で成長を実感していただければ幸いです。

また、エコーを使うなどして様々な手技の“見える化”を心がけています。患者様の季節変動も多く、研修期間や季節によっては体験できない場合や腰椎麻酔などは経験症例が少ない場合もありますがご了承ください。

以下については、項目ごとにまとめて記載しました。

Ⅱ.行動目標(SBOs)

Ⅲ.学習方略(LS)

Ⅳ.学習評価(Ev)

1.SBOs;男性に尿道カテーテルを留置、あるいは、留置せず撤退し泌尿器科医をコールできるようにする。

LS;腰椎麻酔時に、経直腸エコーガイド下に尿道カテーテルを留置することにより、尿道のどこを通過するとどんな手ごたえがあるか視覚と触覚で確認する。また、尿道のどこで通過障害が起きるかなども解説。

Ev;指導医がエコー画像を共有し説明しながら観察し、研修医が手ごたえを実感できたか、理解できたか評価する。

2.SBOs;尿路感染症のEmergencyに対応できる

LS;尿路閉塞を伴う尿路感染症の過去症例を検討し、ドレナージしなかった場合とドレナージした場合の経過を確認する。尿のグラム染色と抗生剤の選択について、“熱病”の表をもとに解説。

Ev;研修医自身が理解できたか、自己評価。(指導医と研修医が会話を通して、必要に応じて追加説明をしながら理解できる事を目指しています)

3.SBOs;その他の泌尿器科のEmergencyを理解する。

LS;症例があれば、腎後性腎不全、急性陰嚢症、尿閉などの診察をする事により評価と初期治療を学ぶ。

Ev; 研修医自身による自己評価。

4.SBOs;外来受診患者の“現在の問題点”に対する“鑑別診断”を考えることができる。

LS;書籍“5-minute urology consult” に基づき、“現在の問題点”に対する“鑑別診断”を列挙し、尿路の訴えに対する診断へ至るまでの考え方の糸口を提示する

EV;研修医による自己評価。その後の診療時に、“現在の問題点”に対する“鑑別診断”を考える(または書籍を見る)ことができるようになったか、自己評価。

5.SBOs;尿路、男性生殖器の解剖を画像、診察、手術時に理解できる。解剖に基づき、生理を理解する。

LS;実際の患者様のCTやエコー所見とともに系統解剖、膜解剖の書籍を確認、腰椎麻酔時の診察、エコーガイド下の直腸診、術前の画像と手術時の所見の比較などを通して、できるかぎり “見える化”を図り尿路の理解を深める。

EV;画像や診察、実際の身体所見の解説時にまず研修医に説明を求め、指導医が理解度を評価しながら説明を繰り返すことにより理解を深める。最終的には研修医による自己評価。

6.SBOs;腰椎麻酔ができる。

LS;腰椎麻酔の手技を解説し、腰椎麻酔の手術の機会を利用し実践する。

EV;経験と説明を重ねて上手くいかない場合はその理由を説明するなどフィードバックを繰り返し、腰椎麻酔が適切にできるようになった時点でOKとする。

精神科臨床研修プログラム

(城西病院等、城西医療財団研修プログラム)

コース責任者:関 健

指導医:関 健・丸山 一仁・植田 秀穂・岩本 芳樹

コースの位置づけ;必修科目として4週間、選択科目として4週間から

1. 研修理念

将来の専門性にかかわらず,医学・医療の社会的ニーズを認識しつつ,日常診療で頻繁に遭遇する病気や病態に適切に対応できるよう,プライマリ・ケアの基本的な診療能力(態度,技能,知識)を身につけるとともに,医師としての人格を涵養する。

2.医療人としての基本的事項

(1)感性の練磨

患者や家族の苦痛を感じ取れる感性と,それを和らげる知識と技術を持つことは,医療に携わる者にとって重要な事項である。感性の訓練には,患者の訴えに耳を傾けて患者を理解することはもちろんであるが,患者をとりまく人間関係に働きかけて多くの情報を得るとともに,あらゆる角度からその情報を分析して,患者の問題点を明確にすることから始まる。

それを通して患者を深く理解し共感すると同時に,患者や周囲への対応策がみえてくる。これが全人的医療と考えることができる。

(2)コミュニケーション能力の獲得

医療人としてもっとも大事な資質のひとつはコミュニケーション能力である。医師単独で診療することは少なく,患者家族はじめ多くの職種の人々の協力のもとに診療が行われる。この場合に必要なのがコミュニケーション能力である。挨拶し,言葉を交わし話し合う。相手の気持ちを理解し尊重しつつ,自分の考えを述べることができる。相手を傷つけることなく謙虚な態度が必要である。

(3)筋の通った医療

根拠に基づいた医療を行う。性急な結果だけを求めるのでなく,何故どういう理由で行うか,プロセスを大切にした医療を行う。そのために報告・連絡・相談などをきちんと行い,あるがままの現実を受けとめ,失敗を恐れず,どうしたら事が成せるかを前向きに考えていく態度を習得する。結果として情報開示にも耐えられる医療を行う覚悟が必要である。日常医療行為の中やカンファレンスでなどで質問を繰り返し訓練する。

3.研修の目標

(1)一般目標(GIO : General Instructional Objectives)

全ての研修医が,研修終了後の各科日常診療の中でみられる精神症状を正しく診断し,適切に治療でき,必要な場合には適時精神科への診察依頼ができるように,主な精神疾患患者を指導医とともに担当し治療する。

具体的項目

#1プライマリ・ケアに求められる,精神症状の診断と治療技術を身につける。

  • 精神症状の評価と記載ができる。
  • 診断(操作的診断法を含む),状態像の把握と重症度の客観的評価法を修得する。
  • 精神症状への治療技術(薬物療法,精神療法,心理社会療法,心理的介入方法)の基本を身につける。

#2医療コミュニケーション技術を身につける。

  • 初回面接のための技術を身につける。
  • 患者・家族の心理理解のための面接技術を身につける。
  • インフォームド・コンセントに必要な技術を身につける。
  • メンタルヘルスケアの技術を身につける。

#3身体疾患を有する患者の精神症状の評価と治療技術を身につける。

  • 対応困難患者の心理・行動理解のための知識と技術を身につける。
  • 精神症状の評価と治療技術(薬物療法,精神療法,心理社会療法,心理的介入方法)の基本を身につける。
  • コンサルテーション・リエゾン精神医学の技術を身につける。
  • 緩和ケアの技術を身につける。

#4チーム医療に必要な技術を身につける。

  • チーム医療モデルを理解する。
  • 他職種(コメディカルスタッフ)との連携のための技術を身につける。
  • 他の医療機関との医療連携をはかるための技術を身につける。

#5精神科リハビリテーションや地域支援体制を経験する。

  • 精神科デイケア(ナイトケア・デイナイトケアを含む)を経験する。
  • 訪問看護・訪問診療を経験する。
  • 社会復帰施設・居宅生活支援事業を経験し,社会資源を活用する技術を身につける。
  • 地域リハビリテーション(共同作業所,小規模授産施設)を経験し,医療と福祉サービスを一体的に提供する技術を身につける。
  • 保健所の精神保健活動を経験する。

(2)行動目標(SBO : Specific Behavioral Objectives)

1)症例を担当し,診断(操作的診断法を含む),状態像の把握と重症度の客観的評価法を修得する。

2)向精神薬(抗精神病薬,抗うつ薬,抗不安薬,睡眠薬等)を適切に選択できるように臨床精神薬理学的な基礎知識を学び,臨床場面で自ら実践できるようにする。同時に適切な精神療法,心理社会療法(生活療法)を身につけて実践する。

3)家族からの病歴聴取,病名告知,疾患・治療法の患者家族への説明を実践する。

4)病期に応じて薬物療法と心理社会療法をバランスよく組み合わせ,ノーマライゼーションを目指した包括的治療計画を立案する。

5)コメディカルスタッフや患者家族と協調し,インフォームド・コンセントに基づいて包括的治療計画を実践する。

6)訪問看護や外来デイケアなどに参加し地域医療体制を経験するとともに,社会復帰施設を見学して福祉との連携を理解する。

7)身体合併症を持つ精神疾患症例や精神症状を呈する身体疾患症例を体験し,基礎的なコンサルテーション・リエゾン精神医学を修得する。

8)心身医学的診療を修得する。

9)緩和ケア・終末期医療,遺伝子診断・治療,移植医療等を必要とする患者とその家族に対して配慮ができる。

4.研修施設と指導責任者

研修施設   : 城西病院

指導責任者 : 関 健

研修施設   : 神城醫院

指導責任者 : 宮城 彰

指導体制   : 研修医1名あたりの受け持ち患者を10名程度とし,研修医3名以内に指導医1名が責任をもって監督,指導を行う。

5.研修内容(別紙1参照)

城西病院並びにミサトピア小倉病院、及び関連施設で行う。

(1)経験する疾患・病態:

A.(自ら受け持ちレポートを作成する)統合失調症(精神分裂病),気分障害(うつ病,躁うつ病),認知症(脳血管性認知症を含む)

B.(自ら受け持つ又は外来で経験する)身体表現性障害・ストレス関連障害

C.(自ら受け持つ又は外来で経験することが望ましい)症状精神病(せん妄),アルコール依存症,不安障害(パニック症候群),身体合併症を持つ精神疾患

D.(余裕があれば外来又は入院患者で経験する)てんかん,児童思春期精神障害,薬物依存症,精神科救急疾患

(2)クルズス:

週2回程度,午前または午後1.5時間のクルズスを受ける。

  • 精神医療概論: 外来,入院治療を経て社会復帰に至る精神科医療の特徴を修得する。
  • 心理面接法: 初回面接,支持的精神療法等,精神療法の基礎を修得する。
  • 臨床精神薬理: 向精神薬(抗精神病薬,抗うつ薬,抗不安薬,睡眠薬等)の作用・副作用・使用法について修得する。
  • 心理検査: 種類,意義,判読について修得する。
  • 脳波検査: 脳波記録法,判読について修得する。
  • 精神保健福祉法他: 精神保健福祉法を中心に法と精神医療について修得する。
  • 精神障害者福祉と社会復帰活動: 社会復帰施設の種類,地域支援の方法について概要を修得する。

<以下の疾患・病態について病状,治療法の概要を修得する>

  • 統合失調症
  • 気分障害
  • 不安障害(パニック症候群)等神経症圏の疾患
  • 睡眠障害
  • 認知症を含む器質性精神障害
  • ストレス関連障害
  • 児童思春期精神障害
  • 人格障害
  • 精神作用物質・アルコール依存症

(3)経験する検査:

心理検査1;人格検査(ロールシャッハテスト,MMPI,TAT,バウムテスト等)

心理検査2;知能検査(WAIS-R,田中ビネー,コース立方体等)

その他(長谷川式,MAS等)

脳波検査(睡眠ポリグラフ)

頭部画像診断(CT,MRI)

(4)経験する診察法

医療面接;初回面接技法,病歴聴取

精神症状の把握と記載

病名告知

インフォームド・コンセント

(5)経験する治療法

薬物療法;副作用(錐体外路症状,悪性症候群を含む)についても経験する

精神療法;支持的精神療法,心理社会療法(生活療法),集団療法等

行動療法

作業療法

SST

電撃療法

その他;自律訓練法,バイオフィードバック等

(6)研修概要

a.午 前

① オリエンテーション(1日目午前中のみ)

② 外来患者の診療

  • 新患患者の予診をとり,陪席する。
  • 複数の医師の外来を陪診し,多くの症例を経験する。
  • 入院に至った症例は,受け持つ。
  • 2週目以降,再来患者では治療の評価を行う。
  • 精神科専門外来(児童・青年期,てんかん,老年期等)を陪診する。
  • 1ヶ月程度の経験の後は,再来患者の数症例を受け持ち診療する。
  • 身体表現性障害,ストレス関連障害(B疾患)は必ず経験する。
  • アルコール依存症,不安障害(パニック症候群)を経験する。
  • 二次救急輪番制当番日に指導医の元で副当直をし,精神科救急疾患の診療を経験する。

* 研修の一般目標

#1.プライマリ・ケアに求められる,精神症状の診断と治療技術を身つける。

#2.医療コミュニケーション技術を身につける。

b.午 後

① 入院患者の診療

  • 指導医のもとで,症例(10例程度)を担当し,診断(操作的診断法を含む),状態像の把握と重症度の客観的評価法を修得する。
  • 心理教育(病名告知,疾患・治療法の患者家族への説明)を実践するとともにインフォームド・コンセントを体得する。
  • 精神科薬物療法及び身体療法(電気けいれん療法等)並びに心理社会療法の基礎を修得する。
  • 認知症(血管性認知症を含む),気分障害(うつ病,躁うつ病),統合失調症(精神分裂病)(A疾患)は,レポートを提出する。
  • 症状精神病を経験する。
  • 身体合併症を持つ精神疾患患者,精神症状を合併した身体疾患患者を指導医並びに一般科医師とともに診療し,コンサルテーション・リエゾン精神医学を修得する。
  • 週1回程度指導医とともに病棟の当直(副当直)を体験する。

* 研修の一般目標

#3.身体疾患を有する患者の精神症状の評価と治療技術を身につける。

② チーム医療への参加

  • コメディカルスタッフ(薬剤師,看護師,作業療法士,精神保健福祉士,臨床心理技術者,管理栄養士等)と協力し治療(チーム医療)に当たる。
  • 作業療法・SST等リハビリテーション活動を体験する。
  • 病棟レクレーション活動及び行事に参加する。
  • ケースカンファレンス,スタッフミーティングに参加し,チーム医療の基礎を修得する。

* 研修の一般目標

#4.チーム医療に必要な技術を身につける。

③ 社会復帰活動・地域リハビリテーション・地域ケアへの参加

  • デイケア(ナイトケア,デイナイトケアを含む)に,週1回程度参加する。
  • 共同作業所,授産施設等での地域リハビリテーション活動を見学する。
  • 社会復帰施設を見学し,医療連携等を体験し,スタッフのカンファランスに出席し,社会資源の活用について修得する。
  • 指導医の訪問診療に同行する。
  • 訪問看護師・精神保健福祉士と同行訪問し,地域支援体制を経験する。
  • 訪問介護に同行する。
  • 知的障害者福祉施設への訪問診療(嘱託活動)を体験する。
  • 産業医活動(嘱託活動)を通して職場のメンタルヘルス活動を体験する。
  • アルコール依存症集団精神療法に参加する。又,断酒会・AA等に出席し,地域ケアを体験する。

* 研修の一般目標

#5.精神科リハビリテーションや地域支援体制を経験する。

④ まとめの作業

  • 中間期(1ヶ月後,2ヶ月後)に指導医の指導を受ける。
  • 最終週の午後は,レポートの作成,指導医との質疑,評価などに当てる。

⑤ その他

  • クルズス,その他院内の研修会及び院外の研究会に参加する。又,管理型病院で開催されるCPCには極力参加する(自らの症例の発表が望ましい)。
  • 保健所,精神保健センターにおける地域精神保健活動(デイケア等)に参加する。

6.経験目標

A 経験すべき診察法・検査・手技

以下の項目については精神科研修以前に修得していることを前提としている。精神科において患者を受け持つ場合でも必要な項目であり,改めて記載する。

(1)基本的な身体診察法

病態の正確な把握ができるよう,全身にわたる身体診察を系統的に実施し,記載するために,

  • 全身の観察(バイタルサインと精神状態の把握,皮膚や表在のリンパ節の診察を含む)ができ,記載できる。
  • 頭頸部の診察(眼瞼・結膜,眼底,外耳道,鼻腔口腔,咽頭の観察,甲状腺の触診を含む)ができ,記載できる。
  • 胸部の診察ができ,記載できる。
  • 腹部の診察ができ,記載できる。
  • 神経学的診察ができ,記載できる。

(2)基本的な臨床検査

病態と臨床経過を把握し,医療面接と身体診察から得られた情報をもとに必要な検査の適応が判断でき,結果の解釈ができる。

  • 一般尿検査(尿沈渣顕微鏡検査を含む)
  • 便検査(鮮血,虫卵)
  • 血算・白血球分画
  • 血液型判定・交差適合試験
  • 心電図(12誘導),負荷心電図
  • 動脈血ガス分析
  • 血液生化学的検査
  • 血液免疫血清学的検査(免疫細胞検査,アレルギー検査を含む)
  • 細菌学的検査・薬剤感受性検査
    • 検体の採取(痰,尿,血液など)
  • 単純X線検査
  • X線CT検査
  • MRI検査
  • 神経生理学的検査(筋電図など)

(3)基本的手技

基本的手技の適応を決定し,実施するために,

  • 気道確保を実施できる。
  • 人工呼吸を実施できる(バッグ・バルブ・マスクによる徒手換気を含む)
  • 胸骨圧迫を実施できる。
  • 圧迫止血法を実施できる。
  • 注射法(皮内,皮下,筋肉,点滴,静脈確保)を実施できる。
  • 採血法(静脈血,動脈血)を実施できる。
  • 穿刺法(腰椎)を実施できる。
  • 導尿法を実施できる。
  • ドレーン・チューブ類の管理ができる。
  • 胃管の挿入と管理ができる。
  • 局所麻酔法を実施できる。
  • 気管挿管を実施できる。
  • 除細動を実施できる。

(4)基本的治療法

基本的治療法の適応を決定し,適切に実施するために,

  • 療養指導(安静度,体位,食事,入浴,排泄,環境整備を含む)ができる。
  • 薬物の作用,副作用,相互作用について理解し,薬物治療ができる。
  • 輸液ができる。
  • 輸血(成分輸血を含む)による効果と副作用について理解し,輸血が実施できる。

(5)医療記録

チーム医療や法規との関連で重要な医療記録を適切に作成し,管理するために,

  • 診療録(退院時サマリーを含む)を記載し管理できる。
  • 処方箋,指示箋を作成し,管理できる。
  • 診断書,死亡診断書(死体検案書を含む),その他の証明書を作成し,管理できる。
  • CPCレポートを作成し,症例呈示できる。
  • 紹介状と,紹介状への返信を作成でき,それを管理できる。

B 経験すべき症状・病態・疾患

研修の最大の目的は,患者の呈する症状と身体所見,簡単な検査所見に基づいた鑑別診断,初期治療を的確に行う能力を獲得することにある。以下の(1)及び(2)については精神科研修以前に修得していることを前提としている。精神科において患者を受け持つ場合でも必要な項目であり,改めて記載する。

(1)頻度の高い症状

1)全身倦怠感

※ 2)不眠

3)食欲不振

4)体重減少,体重増加

5)浮腫

6)発熱

7)頭痛

8)めまい

9)失神

10)けいれん発作

11)視力障害,視野狭窄

12)胸痛

13)動悸

14)呼吸困難

15)嘔気・嘔吐

16)嚥下困難

17)腹痛

18)便通異常(下痢,便秘)

19)腰痛

20)歩行障害

21)四肢のしびれ

22)排尿障害(尿失禁・排尿困難)

23)尿量異常

※ ≪不眠≫については研修修了までにレポートを作成し、提出する。

(2) 緊急を要する症状・病態

1)意識障害

2)急性中毒

C 特定の医療現場の経験

(1)精神保健・医療

精神保健・医療を必要とする患者とその家族に対して,心身両面及び社会的視点に立って対応するために,

1)精神症状の捉え方の基本を身につける。

2)精神疾患に対する初期的対応と治療の実際を学ぶ。

3)デイケアなどの社会復帰施設や地域支援体制を理解する。

必修項目 精神保健センター,精神病院等の精神保健・医療の現場を経験すること

(2)緩和・終末期医療

緩和・終末期医療を必要とする患者とその家族に対して,心身両面及び社会的視点に立って対応するために,

1)心理社会的側面への配慮ができる。

2)緩和ケア(WHO方式がん疼痛治療法を含む)に参加できる。

3)告知を巡る諸問題への配慮ができる。

4)死生観・宗教観への配慮ができる。

必修項目 臨終の立ち会いを経験すること

地域医療臨床研修プログラム

(城西病院等、城西医療財団研修プログラム)

 

コース責任者:関 健

指導医:宮城 彰

コースの位置づけ;必修科目として2年次に4週間

地域医療の展開には保健・福祉との連携が欠かせない。城西医療財団は予防・治療・療養・終末期等それぞれのステージの医療を提供しており、また、関連の社会福祉法人で施設・在宅介護サービスを提供している。地域医療はプライマリ・ケアの担い手であり、家庭医、かかりつけ医、等様々な側面を持つ総合(診療)医である。短い研修期間ながら、病者に寄り添う医療を学ぶと共に、生活を支える社会資源を認識する。

1.一般目標(GIO)

疾病は人の生活を蝕み、生涯を左右する。病を得た人に寄り添い、有用な生き方を支援するために、

(1)診療所における診療を体験し、その役割を理解する。

(2)訪問看護・訪問介護に同行し、アウトリーチ活動を認識する。

(3)急性期・亜急性期・回復期・慢性期(療養)医療の治療ストラテジーを理解し、診療情報を提供できる。

(4)ケアマネジメントを理解し、医療保健福祉の多職種からなるチーム医療を認識する。

(5)介護保険施設における医療を体験し、また、終末期医療を認識する。

2.行動目標(SBOs)

(1)外来に陪席し、生活習慣病の患者教育を体験する。

(2)介護予防プログラムを体験する。

(3)指導医の下で、外来診療を体験する。

(4)訪問看護師に同行し、訪問看護を見学する。

(5)訪問介護師に同行し、訪問介護を見学する。

(6)介護支援専門員のケアプラン作成を見学する。

(7)かかりつけ医との連携を図るため、診療情報提供書を作成できる。

(8)介護老人福祉施設の嘱託医に同行し、嘱託医業務を体験する。

(9)産業医に同行し、産業医活動を体験する。

(10)在宅での看取りを体験する。

(11)健康増進・疾病予防プログラムに参加し、指導法を見学する。

(12)認知症の地域ケアプログラムに参加し、在宅医療を体験する。

(13)介護老人保健施設のデイケアに参加し、高齢者のケアを体験する。

(14)認知症高齢者グループホームを見学し、生活支援を体験する。

(15)ケアハウスを見学し、生活支援を体験する。

3.学習方略(LS)

各診療場面に相応しい学習方法を選択し、また、組み合わせて効果的に学ぶ。自習・講義・見学・実習(含陪席)・実地訓練・カンファランス・討論

4.評価(EV)

・ 各施設の評価基準に則って、指導医および指導者からの評価を受ける。また、研修医が指導医および指導者を評価する。

・ 研修評価表に自己評価すると共に指導医の評価を受ける。

内科研修カリキュラム

(市立大町総合病院臨床研修プログラム)

コース責任者:新津 義文

指導医:新津 義文

コースの位置づけ:選択科目として4週間から

Ⅰ研修目標

(1)一般目標(GIO:General Instructional Obiectives)

①医の倫理に立脚し、患者・家族の人格と人権を尊重、信頼に基づき、患者と好まし関係を形成する。

②インフォームド・コンセントの重要性を理解し実行する。

③必要な医学情報を収集・統合し、的確な臨床的判断を下せる。

④自己の能力の限界を自覚し、他の専門職と連携できる。

⑤診察経過の問題点を総合的に把握し、症例提示・要約ができる。

⑥医療関係文書(紹介状・返書・診断書)を適切に記載できる。

⑦保険診療と医療経済の現状を正しく認識する。

⑧将来にわたり教育を受ける習慣を身につける。

(2)行動目標(SBO:Specific Behavior Objectives)

A経験すべき診療法・検査・手技

①基本的な身体診察法

・全身の観察(バイタルサイン、精神状態の把握、皮膚や表在リンパ節の診察を含む)と記載ができる。

・頭頸部の観察(目瞼・結膜、眼底、外耳道、鼻腔口腔、咽頭の観察、甲状腺の触診を含む)と記載ができる。

・胸部の観察と記載ができる。

・腹部の観察と記載ができる。

・泌尿生殖器の診察と記載ができる。

・骨・関節・筋肉系の診察と記載ができる。

・神経学的診察と記載ができる。

・精神面での診察と記載ができる。

②基本的な臨床研修項目

項目

(20項目)

一般尿検査、便検査、血算・白血球分画、血液型測定・交差適合試験

心電図(12誘導)、動脈血ガス分析、血液生化学的検査、血液免疫血清学的検査、細菌学的検査・薬剤感受性検査、肺機能検査、髄液検査、

細胞診・病理組織検査、内視鏡検査、超音波検査、単純X線検査、造影

X線検査、X線CT検査、MRI検査、核医学検査、神経生理学検査

③基本的手技項目

項目

(16項目)

気道確保、人工呼吸、心マッサージ、圧迫止血法、注射法、穿刺法

導尿法、ドレーン・チューブ類の管理、胃管の挿入と管理、局所麻酔法

創部消毒とガーゼ交換、簡単な切開・俳膿、皮膚縫合法、軽度の外傷・熱傷の処置、気管挿入

④基本的治療法項目

項目

(4項目)

療養指導(安静度・体位・食事・入浴・排泄・環境整備を含む)、薬物(作用・副作用・相互作用)の理解と薬物治療(抗菌薬・副腎皮質ステロイド液・

⑤医療記録項目

 項目

(4項目)

診療録のPOSに従った記載と管理、処方箋、指示箋、診断書・死亡診断書(死体検案書を含む)その他の証明書、紹介状と返書

B経験すべき症状・病態・疾患

①頻度の高い症状項目

 (30項目)全身倦怠感、不眠、食欲不振、体重減少・体重増加、浮腫、リンパ節腫腸、発疹、黄疸、発熱、頭痛、めまい、失神、けいれん発作、視力障害・視野狭窄、結膜の充血、聴力障害、鼻出血、嘔気・嘔吐、胸やけ、嚥下困難、腹痛、便通異常(下痢・便秘)、腰痛、関節痛、歩行障害、四肢のしびれ、血尿、排尿障害、尿量異常、不安・抑うつ

②緊急を要する症状・病態項目

項目

(14項目)

心肺停止、ショック、意識障害、脳血管障害、急性呼吸不全、急性心不全、急性冠症候群、急性複症、急性消化管出血、急性腎不全、急性感染症、急性中毒、誤飲・誤嚥、熱傷

C内科研修項目(SBOのBの項目)の経験優先順位

①経験優先順位第一位(最優先項目)項目

 項目

(6項目)

全身倦怠感、発熱、体重減少、胸痛、腹痛、浮腫

②経験優先順位第二位項目項目

項目

(9項目)

食欲不振、嘔気・嘔吐、黄疸、血尿、リンパ節浮腸、呼吸困難、動悸、頭痛、消化管出血

③経験優先順位第三位項目項目

項目

(9項目)

めまい、けいれん発作、四肢のしびれ、視力障害、嗄声、胸やけ嚥下困難、便通異常、関節痛

Ⅱ  週間スケジュール

 
午前外来診察回診(病棟)病棟業務病棟業務大腸バリウム検査実習
午後外来診察

患者カンファレンス

(新患・重症)

病棟業務  

 

経験すべき症候を行う診療科のマトリックス

   研修単元 必修科目その他の診療科
目  標

経験すべき症候の担当分野を示しています。

  「◎」:最終責任を果たす分野

  「○」:研修が可能な分野

研修分野内科救急部地域医療外科小児科産婦人科精神科  整形外科脳神経外科耳鼻咽喉科泌尿器科 (他)
                   
1 経験すべき症候 
2 Ⅰ-1ショック           
3 Ⅰ-2体重減少・るい痩          
4 Ⅰ-3発疹            
5 Ⅰ-4黄疸            
6 Ⅰ-5発熱      
7 Ⅰ-6もの忘れ            
8 Ⅰ-7頭痛          
9 Ⅰ-8めまい           
10 Ⅰ-9意識障害・失神            
11 Ⅰ-10けいれん発作            
12 Ⅰ-11視力障害            
13 Ⅰ-12胸痛            
14 Ⅰ-13心停止            
15 Ⅰ-14呼吸困難            
16 Ⅰ-15吐血・喀血            
17 Ⅰ-16下血・血便            
18 Ⅰ-17嘔気・嘔吐          
19 Ⅰ-18腹痛         
20 Ⅰ-19便通異常(下痢・便秘)          
21 Ⅰ-20熱傷・外傷         
22 Ⅰ-21腰・背部痛           
23 Ⅰ-22関節痛          
24 Ⅰ-23運動麻痺・筋力低下           
25 Ⅰ-24排尿障害(尿失禁・排尿困難)            
26 Ⅰ-25興奮・せん妄          
27 Ⅰ-26抑うつ             
28 Ⅰ-27成長・発達の障害             
29 Ⅰ-28妊娠・出産              
30 Ⅰ-29終末期の症候         

※経験すべき疾病・病態の中の少なくとも1症例は、外科手術に至った症例を選択し、病歴要約には必ず手術要約を含めること

 

経験すべき疾病・病態を行う診療科マトリックス

   研修単元 必修科目その他の診療科
目  標

経験すべき疾病・病態の担当分野を示しています。

  「◎」:最終責任を果たす分野

  「○」:研修が可能な分野

研修分野内科救急部地域医療外科小児科産婦人科精神科  整形外科脳神経外科耳鼻咽喉科泌尿器科 (他)
                   
1 経験すべき疾患・病態 
2 Ⅱ-1脳血管障害            
3 Ⅱ-1認知症            
4 Ⅱ-1急性冠症候群             
5 Ⅱ-1心不全             
6 Ⅱ-1大動脈瘤             
7 Ⅱ-1高血圧             
8 Ⅱ-1肺癌            
9 Ⅱ-1肺炎             
10 Ⅱ-1急性上気道炎            
11 Ⅱ-1気管支喘息            
12 Ⅱ-1慢性閉塞性肺疾患(COPD)             
13 Ⅱ-1急性胃腸炎            
14 Ⅱ-1胃癌            
15 Ⅱ-1消化性潰瘍            
16 Ⅱ-1肝炎・肝硬変             
17 Ⅱ-1胆石症            
18 Ⅱ-1大腸癌            
19 Ⅱ-1腎盂腎炎            
20AⅡ-1尿管結石             
21AⅡ-1腎不全            
22AⅡ-1高エネルギー外傷・骨折            
23 Ⅱ-1糖尿病            
24 Ⅱ-1脂質異常症             
25 Ⅱ-1うつ病            
26 Ⅱ-1統合失調症             
27 Ⅱ-1依存症(ニコチン・アルコール・薬物・病的賭博)             

研修内容(経験すべき症候、疾病・病態)についての確認方法

・経験した内容についてレポートを記載し指導医が確認する。

・半年に1回行われる形成的評価を行い、その時点で研修医が経験していない症候や疾病・病態があるかどうか確認する.

・目標としては1年次で症候については15項目、疾病・病態については15項目とする

・経験症例が満たない場合、残りの期間に全て経験できるようにローテーション診療科を調整する