安曇野赤十字病院卒後臨床研修プログラム | 長野県安曇野市 安曇野赤十字病院

長野県安曇野市豊科5685番地

安曇野赤十字病院卒後臨床研修プログラム

安曇野赤十字病院卒後臨床研修プログラム

(2010年改正版)

 

基幹型臨床研修病院 安曇野赤十字病院(病院施設番号:030950)

安曇野赤十字病院群卒後臨床研修プログラム(プログラム番号:030950103)

協力型臨床研修病院  信州大学医学部附属病院

特別医療法人城西医療財団

城西病院、ミサトピア小倉病院

研修協力施設       特別医療法人城西医療財団

神城醫院、白馬メディア、安曇野メディア

 

<目次>

① 研修プログラムの特色

② 臨床研修の目標

③ プログラム責任者

④ 研修スケジュール

⑤ 研修医の指導体制

⑥ 研修医の募集定員、募集方法、採用の方法

⑦ 研修医の処遇

⑧ 研修カリキュラム

 

① 研修プログラムの特色

本プログラムの特徴(研修に関連した当院の紹介を兼ねて)

○ 安曇野赤十字病院は、松本市から約12kmの地、間近に北アルプスの山並みを仰ぐ安曇野のほぼ中央にあり、自然環境と交通の便に恵まれた環境の中で臨床研修ができます。

○ 当院の救急車応需件数は年間約2,300件(松本広域圏全体の約16%)を占め、松本広域医療圏内二番目の二次救急病院です。また、安曇野市で唯一の公的医療機関として地域の基幹病院の機能を担っている病床数321の急性期型病院であり、その診療守備範囲は安曇野市全域、北安曇郡南部、東筑摩郡北部の1市2郡にまたがり、対象人口は10万人余りです。年間救急患者数は、一次対応患者を含めると約12,000人余りを数えています。 このため、救急疾患(脳血管系疾患、骨折・胸部外傷・腹部外傷・熱傷・凍傷・山岳遭難を含めた各種損傷、急性心筋梗塞・不安定狭心症等の循環器系疾患、呼吸器疾患、腹部救急等)の疾患ならびにそれらの重傷度は多岐にわたり、当院は、救急医療のプライマリ・ケア研修の場としても相応しい医療機関です。

○ 当院は、各診療科間の横の連携を特に大切にしているので、内科系・救急医療の必修科目、外科・麻酔・小児科科の選択必須科目それぞれにおいて効率的に研修を積むことが可能です。なお、選択必須科目の、産婦人科は当院の協力病院(信州大学医学部附属病院)で、精神科ならびに地域医療は、当院の協力病院(城西病院、ミサトピア小倉病院)と協力施設(城西医療財団:安曇野メディア・白馬メディア・神城病院)で行われます。

○ 毎月1回、医局(総合医局)主催の「医局臨床研究会」が開催され、若手医師の発表の場ならびに病院を去る医師、あるいは外部講師の講演会も兼ねています。

○ 病院ならびに委員会主催の各種研修会・講演会・大会(医療安全管理大会・クリニカルパス大会)等も盛んで、また、安曇野市医師会との共催による「安曇野病診連携懇話会」も開かれ、地域医療機関との緊密な連携を保っています。これらに参加することは、研修医が医療人としての基本姿勢・資質を培う上でも有効です。

○ 診療科別の研修カリキュラムは、「選択科目」としての研修(各年次3ヶ月)を考慮して策定されています。カリキュラム紹介では必須科目としての1ヶ月のコースと、当該診療科を選択科目として選択した場合を考慮して、より長い3ヶ月程度のコースでの到達目標も明示しました。

学 会 認 定 施 設

日本内科学会認定教育関連施設、日本循環器学会認定研修施設、日本消化器内視鏡学会認定指導施設、日本神経学会認定教育関連施設、日本外科学会認定修練施設、日本消化器外科学会認定施設、日本消化器病学会関連施設、日本整形外科学会認定研修施設、日本脳神経外科学会認定訓練施設C項、日本救急医学会指定施設、日本麻酔科学会認定病院、日本泌尿器科学会認定関連教育施設、日本乳癌学会関連施設、日本がん治療認定医機構認定研修施設

② 臨床研修の目標

・ 研修理念

医師としての基盤形成の時期に医師としての人格を涵養し、将来の専門性にかかわらず、医学・医療の社会的ニーズを認識しつつ、患者を全人的に診ることができる基本的な診療能力(知識・技能・態度)を修得することにより、日常診療で頻繁に遭遇する病気や病態に適切に対応できるよう、プライマリ・ケアの基本的な診療能力を身につける。

 

<研修の到達目標>

・ 行動目標

医療人として必要な基本姿勢・態度

1.患者・医師関係    2.チーム医療

3.問題対応能力     4.安全管理

5.医療面接       6.症例呈示

7.診療計画       8.医療の社会性

 

・ 経験目標

A 経験すべき診察法・検査・手技

1. 基本的な身体検査法

2. 基本的な臨床検査

3. 基本的手技

4. 基本的治療法

5. 医療記録

 

B 経験すべき症状・病態・疾患

1. 頻度の高い症状:35項目

2. 緊急を要する症状・病態:17項目

3. 経験が求められる疾患・病態:88項目

4. 基本的治療法

5. 医療記録

 

C 特定の医療現場の経験

1. 救急医療

2. 予防医療

3. 地域保健・医療

4. 小児・成育医療

5. 精神保健・医療

6. 緩和・終末期医療

 

③ プログラム責任者

プログラム責任者 (安曇野赤十字病院副院長) 中野  武

 

④ 研修スケジュール

(一年次)

病院・施設 研修分野 暦  月
4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2 3
安曇野赤十字病院 内科系 2 2 2 2 2 2            
安曇野赤十字病院 選択             2 2 1 1 1 1
安曇野赤十字病院 救急                 1 1 1 1

 

(2年次)

病院・施設 研修分野 暦  月
4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2 3
城西医療財団城西病院/神城醫院 地域医療     1 1                
安曇野赤十字病院/信州大学医学部付属病院/城西医療財団城西病院 必修選択       1 2 2 1          
安曇野赤十字病院 救急   1 1       1 1        
安曇野赤十字病院 選 択 2 1           1 2 2 2 2

 

臨床研修月別タイムテーブル(研修科目の順番は、研修医数によって適宜変更する

1年次 分野 目標 備考 (SBOs)
4月 全般・各科オリエンテーション 医療記録の書き方(診療報酬制度の説明を含む) 基本的診察法・医療面接 ●他職種業務の経験、死体検案見学を含む
●各科外来(救急外来診療を含む)の見学、模擬患者(SP)実習を含む
4月 内科 ○患者の呈する症状と身体所見、簡単な検査所見に基づいた鑑別診断、初期治療を的確に行う能力を獲得するために、頻度の高い症状、緊急を要する患者の病態の観察観察、基本的臨床検査、基本的内科的手技、内科的処置・治療の実際の経験(プライマリ・ケアに対応するための基本的技能・知識・態度を習得する)。 ●病態の正確な把握のために、全身の系統的な身体診察及び医療面接を適切に実施できること。また、その適切な記載ができること。
●病態と臨床経過から、必要な検査について、その適応を判断し、結果の解釈ができること。
●様々な基本的手技を経験し、自ら適切に実施できること。
●基本的治療法の適応を決定し、適切に実施できること。
5月
6月
7月
8月
9月
10月 選択 ○内科系(一般内科、循環器科、消化器科、神経内科 等) 外科系(一般外科、整形外科、脳神経外科、泌尿器科、耳鼻咽喉科 等) 小児科、麻酔科、救急部より選択 ●左記の専門科目のうち、一つを選び、これまでに修得した基本的技能・知識・態度を生かしてより深く研修する。(研修期間は1診療科目1か月以上とする)
11月
12月
1月
2月 救急 ○重篤患者の救急管理、救命、蘇生法を確実に習得する ●救急外来における初期治療を含めて、二次から三次救急疾患を経験する(救急車への乗車経験を含む)
●当直・日直の経験(週4回を限度とし、指導医の直接指導下に限る。)
3月

 

臨床研修月別タイムテーブル(研修科目の順番は、研修医数によって適宜変更する)

2年次 分野 目 標(GIO) 備 考(SBOs)
4月 選 択 ○内科系(一般内科、循環器科、消化器科、神経内科 等) 外科系(一般外科、整形外科、脳神経外科、泌尿器科、耳鼻咽喉科 等) 小児科、麻酔科、救急部より選択 ●左記の専門科目のうち、一つを選び、これまでに修得した基本的技能・知識・態度を生かしてより深く研修する。(研修期間は1診療科目1か月以上とする)
5月
6月 地 域 ○地域医療(病診連携・在宅医療・へき地医療)について理解し現場を経験する。 ●診療所、中小病院における地域医療の経験(指導医による直接指導下に限る)
7月
8月
9月
必修選択(2科選択・各6週間) 外科
○基本的外科的手技、外科的処置の実際を経験する。
●一般外科を中心に、外科の基本的治療法と臨床検査の選択と解釈、初歩的手術手技、術後の基本的治療・全身管理を経験する。
麻酔科
○基本的麻酔手技を身に付ける
●モニタリング、ラインの確保、気管挿管、全身麻酔の維持を身につける
小児科
○小児科および小児科医の役割を理解し、小児医療を適切に行うために必要な基礎知識・技能・態度を修得する
●入院患者を中心に未熟児、新生児、急性乳幼児、慢性学童の持つ各病態について、小児の基本的診察法、検査および治療法(小児救急、小児保健を含む)の経験
●成長・発達についての知識を深め、子ども・家族に対する態度と臨床技能を修得する
●(小児科二次輪番日の)指導医の直接指導下での夜間小児救急の経験
産婦人科
○女性特有の疾患に対する救急医療、プライマリ・ケアおよび妊産褥婦ならびに新生児の医療に必要な基本的知識の修得
●産科・婦人科の基本的診察法
●正常及びハイリスク妊娠の鑑別診断とその管理及び分娩の取り扱い方の経験
精神科
○プライマリ・ケア医に求められる、精神症状の診断と治療技術および医療コミュニケーション技術の習得、および地域精神保健の経験
●患者全般に対して、生物学的、心理・社会的側面からも対応できるために、精神科の基本的な診断及び治療ができ、必要な場合には適時精神科への診察依頼ができる技術の習得。
●主要な精神疾患・精神状態像、とくに研修医が将来、各科の日常診療で遭遇する機会の多い患者の基本的診察法、治療一般(精神療法、薬物療法など)の経験及び入院患者の退院へ向けたソーシャルワーク及び退院患者の地域ケアの経験
10月 救急 ○重篤患者の救急管理、救命、蘇生法を確実に習得する ●救急外来における初期治療を含めて、二次から三次救急疾患を経験する(救急車への乗車経験を含む)
●当直・日直の経験(週4回を限度とし、指導医の直接指導下に限る。)
11月

12月
1月
2月
3月

選択 ○内科系(一般内科、循環器科、消化器科、神経内科 等) 外科系(一般外科、整形外科、脳神経外科、泌尿器科、耳鼻咽喉科 等) 小児科、麻酔科、救急部より選択 ●左記の専門科目のうち、一つを選び、これまでに修得した基本的技能・知識・態度を生かしてより深く研修する。(研修期間は1診療科目1か月以上とする)
○ 研修医による自己評価
○ 指導医による評価
○ 研修管理委員会による最終評価
●習得に自信のない分野を重点的に補強

○安曇野赤十字病院群卒後臨床研修プログラム                (別表1)

研修期間:(月数)

卒 後 1 年 次 卒 後 2 年 次
内科系 (6) 選択科目 (4) 救 急 (2) 選択 (2) 地域 医療 (1) 必修選択 (1.5×2) 救急 (2) 選 択 (4)

* 産婦人科の研修は、信州大学医学部附属病院で行われる。

* 精神科の研修は、城西医療財団 城西病院で行われる。

* 地域医療の研修は、城西医療財団 神城醫院・城西病院・ミサトピア小倉病院で行われる。

* このプログラムは、信州大学病院と関連病院による長野県統一研修プログラムのいわゆる「たすきがけ方式」にも対応している(次表:別表2)。

○信州大学病院との連携による卒後1年次ならびに2年次の研修プログラム    (別表 2)

研修期間:(月数)

  卒 後 1 年 次 卒 後 2 年 次
A 信州大学病院 安曇野赤十字病院
選択科目(3) 内科(6) 救急/選択(3) 選択(2) 地域医療(1) 必修選択 (1.5×2) 救急(2) 選択(4)
B 安曇野赤十字病院 信州大学病院
内科(6) 選択科目(4) 救急(2) 地域医療(1) 必修選択(3) 救急(1.5) 選択科目(6.5)

 

⑤ 研修医の指導体制

各科、原則として臨床経験7年以上の指導医による研修指導が行われる。

 

⑥ 研修医の募集定員:2名

募集方法    :公募(マッチングに参加)

採用方法    :面接

 

⑦ 研修医の処遇

(ⅰ)常勤嘱託医とする。

(ⅱ)研修手当

(1年次)年額 5,300,000円

(2年次)年額 6,000,000円

勤務時間    基本的な勤務時間 8:30~17:00

時間外勤務    あり

休暇      有給休暇     1年次 10日・2年次 11日

夏季休暇     あり

年末年始     あり

その他の休暇   5月1日(赤十字社創立記念日)

(ⅲ)時間外勤務及び当直

時間外手当あり、休日手当あり、当直手当あり

当直回数     約1~2回 / 月

(救急カリキュラム中は、4回程度)

(ⅳ)研修医のための宿舎 なし(病院で斡旋)  住宅手当:28,000円

病院内の個室    あり(研修医室に、個々の机を確保する)

(ⅴ)社会保険・労働保険

公的医療保険  政府管掌

公的年金保険  厚生年金;日赤厚生年金基金

労働者災害補償保険法の適用    あり

雇用保険    あり

(ⅵ)健康管理に関する事項  年に1回職員健康診断を実施

(ⅶ)医師賠償責任保険の扱い 病院において加入する

(ⅷ)外部の研修活動     学会、研究会への参加 可

学会、研究会への参加費用支給 あり

 

⑧ 研修カリキュラム