長野県安曇野市豊科5685番地

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血管内治療センター

センター長挨拶

安曇野市における循環器診療体制を強化することを第一の目標に、2023 年 5 月 1 日より、血管内治療センターを開設いたしました。

近年、急速な少子高齢化を背景として、急性心筋梗塞をはじめとする急性冠症候群、狭心症、閉塞性動脈硬化症、脳梗塞などの脳血管障害などの動脈硬化性疾患の患者さんの数が急速に増加傾向にあります。

健康長寿の国、長野県安曇野市も高齢化が進み、血管内治療(カテーテル治療)の需要が高まってきています。

安曇野市にある、唯一の血管造影室(カテーテル検査室)、唯一の集中治療室を持つ病院として、時代に合わせた地域のニーズにこたえるために、この度血管内治療センターを立ち上げることとなりました。

信州大学付属病院との連携をさらに強固にしつつも、安曇野市の地域に根差したカテーテル診療体制を形成してまいります。

循環器内科 永江 歩

理念

安曇野市の中核的な施設の構築を目指して、全国 level の職種を超えたチーム構成で集学的治 療を実践し、地域住民の循環器疾患における病状の改善・再発予防に努める。

スタッフ紹介

循環器内科医師 4名 日本心血管インターベイション治療学会専門医 1名
日本心血管インターベイション治療学会認定医 2名
脳神経外科医師 1名
看護部 1名
病棟看護師 24名
HCU看護師 12名
カテ室看護師 7名
救急外来看護師 1名
透析室看護師 1名 糖尿病看護認定看護師
手術室看護師 1名
臨床工学技士 7名
放射線技師 13名
臨床検査技師 7名 超音波検査技師心臓領域 2名
理学療法士 6名 日本心臓リハビリテーション指導士 4名
心不全療養士 1名
作業療法士 3名 心不全療養士 1名
薬剤師 2名
管理栄養士 1名 日本糖尿病療法指導士
NST専門療法士
事務職員 2名

診療実績

循環器内科2022 年(1/1-12/31)2023 年(1/1-12/31)
冠動脈カテーテル(総件数)
冠動脈カテーテル治療(PCI)
末梢血管治療(EVT)
244件
124件
21件
502件
220件
47件
ペースメーカー移植・交換術35件38件
心臓リハビリテーション8,501単位9,033単位

治療内容紹介

狭心症、心筋梗塞に対する治療;経皮的冠動脈形成術(PCI)

図1:心筋梗塞にて搬送となった患者。心臓カテーテル検査にて、冠動脈(左前下行枝)が閉塞している

図2:閉塞部にステント留置

図3:治療後、末梢まで血流は再開している。

閉塞性動脈硬化症に対する治療;経皮的血管形成術(EVT)

図4:歩行時に下肢の痛みのある患者。造影検査にて、大腿部の動脈(線大腿動脈)が閉塞して
いる

図5:閉塞部にステントを留置し、再開通。歩行時の症状は消失し、独歩で退院となった。

徐脈に対する治療;ペースメーカー挿入術

図 6:脈がゆっくりになる不整脈(徐脈:洞不全症候群)にて紹介となった患者。左前胸部から永久式ペースメーカー移植術を施行。徐脈は消失。手術時間45分。局所麻酔。

Rotablatorでのカテーテル治療

2023年8月より、Rotablatorでの治療が可能になりました。血管の動脈硬化がひどくなると、通常のバルーンカテーテル(風船)では拡張できず、治療が困難なことがあります。先端にダイヤモンドがついているRotablator(図1)を用いて、強い石灰化病変を削る(図2)ことにより、これまで治療ができなかった病変に対して治療ができるようになりました。

図1)ロータブレーター

図2)石灰化を掘削

CoroFlow/PressureWire™ X:Abbottでの微小循環障害のカテーテル検査

2024年2月より、微小循環障害のカテーテル検査が当院で可能となりました。

狭心症の原因として、動脈硬化以外に、血管痙攣がかかわる冠攣縮性狭心症(異型狭心症)という疾患があります。また、近年冠攣縮性狭心症に加え、微小循環障害という概念が唱えられるようになりました。目に見えない小さな血管レベルの血流障害(微小循環障害)が、胸痛の原因となっている可能性が指摘されたのです。つまり、今まで胸痛があったものの検査で異常なし、と言われた患者さんの中に、一定数微小循環障害をお持ちの方がいらっしゃる可能性があります。

当院では、それら冠攣縮性狭心症、微小循環障害の詳細な検査のために、最新の機器(CoroFlow/PressureWire™ X:Abbott)を導入し、カテーテル検査での診断ができるようになりました。これまでの検査で血管に異常を認めなかったために心臓が原因ではないと言われた患者さんの、原因不明となっていた胸痛の診断の新たな助けになることが強く期待されています。

検査内容は、通常の心臓カテーテル検査と同様です。胸の症状がある患者様に対して、動脈硬化による狭心症のチェックとともに、上記の冠攣縮性狭心症、微小循環障害の検査を行うことが可能です。最短一泊二日の入院が必要となり、局所麻酔のみでできる検査です。

その他

血管造影 CT 検査

冠動脈 CT とは、静脈から造影剤を注入し、心電図と同期させ、冠動脈に造影剤が満ちる最適なタイミングで撮影し、冠動脈の狭窄の有無や程度などを評価出来ます。
撮影時間は 10 分程度で終了となり、外来でも検査可能となっております。
また、脳血管、下肢動脈などの撮影も、いつでも24時間対応可能です。
当院は CT 装置2台保有し、両装置とも安定した高画質検査を実現するための最新技術
を搭載しております。これにより、低被ばくかつ高画質の画像を提供することをお約束します。
また、安心して検査を受けられる様に努めて参ります。


2022年実績
冠動脈 CT : 228 件 下肢 CTA : 122 件 Head Neck CTA : 65 件

冠動脈 CT

下肢 CTA

Head Neck CTA

心臓リハビリテーション

当院のリハビリテーション科では、県内でも早くから心大血管リハビリテーション施設として認定され、2008 年 12 月より運用を開始しています。


心臓リハビリテーションとは、「心筋梗塞などの急性冠症候群や心不全、心臓手術後等の患者さんの早期社会復帰や再発予防、その後の快適で質の良い生活の維持を目指して、運動療法・患者教育・生活指導・カウンセリング等の包括的な取り組みを行なうもの」です。


当院での心臓リハビリテーションは、医師・理学療法士・看護師・管理栄養士・薬剤師など多くの専門職が連携を図りながら患者さん1人1人に合わせた心臓リハビリテーションプログラムを立案、提供すべく努めており、入院リハビリテーションだけではなく退院後の外来リハビリテーションも実
施しています。


外来リハビリテーションでは患者さん個々の身体能力に合わせて、安全性の高い有酸素運動を実施できるよう、心肺運動負荷試験(CPX)での評価を行ないます。CPX の結果から、運動処方(運動種目・強度・時間・上限脈拍・血圧設定等)に基づいたリハビリを実施しています。

CPX

集団リハビリテーション

個別リハビリテーション

レジスタンストレーニング

看護指導

2022.1.1~2022.12.31 リハビリ処方箋数(循環器)

 
心筋梗塞心不全閉塞性動脈硬化症
総計
外来入院総数外来入院総数外来入院総数
心大血管
理学療法6323824142166011205
作業療法027271131132011160
合計6596525273298022385

循環器ホットラインの設置(ご紹介専用)

心筋梗塞、不安定狭心症、大動脈解離、肺塞栓など生命に直結する重篤な疾患は、早急な診断
と治療の開始が要求されます。循環器ホットラインはこうした要求に応えるために、近隣の診療所、
病院からの紹介を迅速にお受けするために、新たに設置されました。
対応時間は、循環器内科医、救急医が直接対応致します。

 

胸部症状を訴える患者さんは、心筋梗塞などの心疾患の場合もあれば、心因性のもの、神経痛、胃食道疾患など非心疾患の場合も少なくありません。原因が心疾患と判明した場合はそのまま循環器内科医チームが診療にあたり、非心疾患であった場合は救急医チームが診療を担当します。
循環器ホットラインの連絡番号は地域連携登録医の先生方にお配りしています。
地域連携登録医の申込み等の御連絡は下記へお願いいたします。

地域医療連携課:0263-72-2160