診察室の窓から3

安曇野の冬の風物詩   副院長 神経内科 中野 武

 安曇野に冬が来ました。寒い日が続きます。むかし風邪の原因は寒さと思われていました。ノルウェーにスピッツベルゲンという孤島があるそうです。北極に近い酷寒の地で冬は完全に孤立して本国との連絡船も途絶えます。しかし、一番寒い時期に風邪をひく島民は皆無だそうです。

 やがて春が近づき連絡船の入港する頃から風邪をひく住民が増えるそうです。このことは単に寒さだけでは風邪は引かないこと。かぜの原因は外部から運ばれてくる何かが引き起こすということです。それがウイルスです。インフルエンザウイルスもその一つです。寒い季節の保温対策は大切ですが、それ以上に手洗い、うがい、マスクが重要です。

 信州出身の歌人若山貴志子の作に「雪降りて墨絵に似るとふ筑摩野に」があります。雪の積もった風景の静けさが伝わります。安曇野も同じです。

 この時期は三九朗の季節です。その昔は七夕様と同じ宮中行事だったそうです。アルプスを背景に真っ赤なだるまを載せた三九朗の櫓は写真の良い被写体でしょう。夕暮れのあちこちから煙が上がります。安曇野の旧正月、冬の風物詩です。これから厳冬を迎えますが、その先には確実に春が出番を待っています。