報告 『安曇野救急フォーラム2007』が開催されました

講演
演題1
『安曇野赤十字病院における救急診療体制について』
副院長 中野 武先生

演題2
『救命救急ピットフォーラム』
~ALI(急性肺障害)/ARDS の治療戦略を含めて~
 信州大学医学部 救急集中治療医学講座 教授 岡元 和文先生

 去る1月25目安曇野赤十字病院講堂にて『安曇野救急フォーラム2007』が開催されました。
 信州大学医学部救急集中治療医学講座教授 岡元和文先生を講師にお招きし、こども病院、松本広域消防局の万々にも多く参加していただきました。
 始めに当院中野副院長から当院の救急の受け入れ状況についての報告がされました。医師不足の中で、救急外来患者年間約一万二千人、救急車搬入患者年間約二千二百人を受け入れている現状を理解していただき、これからもご協力をお願いしたいという話がされました。
 岡元先生から「救急」とは何か?から始まり《救急医療のゴールは単なる救命ではなく後遺症なく社会復帰できること、重要なのはいかに患者に優しい病院(医療)であること》。救急医療の特徴は、《時間が限られていること、限られた時間内でのトリアージ》である。そのため救急のピットホール(落とし
穴)を最小限とするため限られた時間内に系統的な方法として3つの方法が紹介されました。

①AMPLE (アンプルと覚える)

A…アレルギー
M…薬
P…既往歴・妊娠
L…最後の経口摂取
E…病気に関連すること

②ABCDEFGのアプローチ

A…気道
B…呼吸
C…循環
D…麻痺・意識レベル
E…衣服を脱がせ全身の観察・直腸診
F…背部観察・導尿、 尿量、尿検
G…その他の所見・胃チューブ(耳・鼻出血がある場合は胃チューブ挿入により脳が吸引されることもある)

③one・two・threeフィンガーテスト (挿管が可能であるか調べるテスト)

one…受け口テスト
two…開口テスト
three…顎の長さテスト

 他にもCT所見のこと、人工呼吸器のヒヤリハット・アクシデントなど日常の業務に潜む数々のことを症例などあげながら、非常に分かりやすく話していただきました。

「心肺蘇生など周りの意識レベルを高めるにはどうしたら良いか?」の質問に、ガイドライン2005の改定で強調されているのは《皆が救命できること》である。心肺蘇生の必要性・方法などについて「市民のための講座を開く」「中学・高校などの学校教育への参加」は重要であると話されました。

 非常に内容の濃い岡元先生の講演を教訓とし、職員は一丸となり地域の救急受け入れ病院また基幹病院として要望に応えるべく研鑚を積んでいくことが求められます。