ボランティアの声と募集 ボランティアだより

  和みのお手伝い     ボランティアの会 宮島 睦

 目立つオレンジ色のエプロンが気になり、戸惑いながら始めた正面玄関の介助サービスも三年の年月が過ぎ、初心の目的の一部を果たせたかと自己満足をしております。
 来院される方は千差万別で、一言で表現することは出来ませんが、三年間で大きく変化したことがあります。それは腰の曲がったお年寄りが急激に減ったことです。昭和も五十年頃までは農業は手作業が多く、耕す事から植付け、除草、防虫、収穫までほとんどが手作業で、農家の方は体を酷使して来ました。この頃まで現役で働いた方々の大半が老齢化と共に腰が曲がり、そんな方にお会いするたびに、戦後の日本を体を張って復興させた方々だと、ただただ敬服してまいりました。

 こんな方々にかぎって、車椅子にお乗りする時に、「ご迷惑をおかけして申し訳ない」と、心から敬意と感謝の意を表して下さいます。私はこんな時、「おばあちゃん。今まで、世の為、人の為に、いっぱい頑張って来たんだから、堂々と乗ってください。私もお手伝いが出来てうれしく思っています。」と簡単な挨拶を致します。ほとんどの方が、にこやかな雰囲気になって下さいます。

 一方、車で迎えに来てくれた息子らしい方が、体の動きの遅いお年寄りを無理に急がせたり、乱暴な乗せ方をするときがあります。そんな時には、小声で「いっぱい親孝行をして下さいよ。私には出来なかった事だから、うらやましいかぎりですよ。」と、声を掛けてあげると、ほとんどの人は照れ臭そうに会釈をしてくださり、ご本人共々にこやかにお帰りになります。こんな手助けが出来た日は心も軽く、少しばかり良いことが出来たかな?と、自己満足をしております。

 二千年余りの有史以来続いて来た、手作業による日本の農業も、機械化が進み体を酷使しなくて済む様になり、腰の曲がった老人が年々減って行く事は良い事ですが、私共がお声を掛けて喜んで下さる方が減る。複雑な気持ちです。
ただ、この様な方々が、今日の日本の礎になって来た事を、後世まで語り継がなければなりませんが、消え去りそうで心配です。月日と共にこの手助けはなくなります。その他、外見だけで判断出来ない援助は複雑多岐に渡りますが、往々にして他人とは顔を合わせたくない方も来院されます。こんな方には、顔も、眼も、そらしてあげる気遣いも大事な事だと思っております。少しでも心の和むサービスの勉強をし、来院される方々の満足度向上のお役に立ちたいと思っております。