新年を迎えて

 院長  澤海 明人

新年明けましておめでとうございます。
2011年の社会保障費は100兆円を突破し、そのうち医療費は37兆円を超えました。日本の高齢化は世界に類を見ない早さで進んでいますが、いわゆる団塊世代がすべて後期高齢者となる2025年には社会保障費は140兆円、医療費は59兆円と試算されています。一方TPP(環太平洋経済連携協定)への参加により国民皆保険、フリー・アクセス(いつでもどこでも希望する医療を受けられる)という世界に誇る日本の医療のすばらしさが失われることが懸念されています。医療が市場原理主義に向かえば、おそらく医療機関の淘汰が一段と進みます。近年の診療報酬改定は大病院に有利な方向に進んでいますが、今後は更に経営の良い勝ち組大病院に集約され、地道に地域の医療を支えている中小病院が消えていくことが想定され、その影響はもちろん地域住民に及びます。医療においては本来勝ち組負け組が出ない制度改正が必要です。少なくとも勝ち組が負け組を支える必要はあると考えます。国民の医療費の支払い方も問題となります。最低限の生活を支える年金は国が補償する、一方医療費は収入に応じた自己負担とし、低所得者には国が長期貸し付けを行い、返済不能分は国が不良債権として処理する等。医療先進国といわれる北欧諸国では、国民の社会保障や税金に対する負担も大きくなりますが、安定した社会保障が根付いています。長期に及ぶ経済不況と東日本大震災の処理も進まない中での消費税の議論は余りにもタイミングが悪いと思われますが、いずれにしても国民一人一人が真剣に社会保障のあり方を考える時期にきています。

以前から申し上げているように医療の原点は思いやりの心であり、良い医療のためには医療者と患者さんの信頼関係が極めて重要です。私たちは今年も職員一丸となって良い医療に取り組んで参ります。