薬剤部 お薬のはなし

外来がん化学療法について

従来、入院下で多く行われていた「がん化学療法」は、患者ニーズの変化、新規抗がん剤の開発、副作用対策の進歩や補助器具の普及により外来治療が主流になってきました。


☆がん治療法の薬物療法には以下のものがあります。

①化学療法 → がん細胞を薬により攻撃する治療法であり、手術や放射線と組み合わせて補助的に行うこともあります。また、がんを小さくする目的で手術の前に行うこともあります。

②分子標的治療 → がん細胞に特異的に発現している分子を把握して、がん細胞の増殖や転移を抑える治療法です。正常細胞に対する影響が少ないと考えられています。がん細胞に栄養や酸素を供給する血管の新生を抑える治療法や、がん細胞の分裂を促す増殖因子を抑制する治療法などがあります。

③ホルモン療法 → 乳がん、子宮体部がん、前立腺がんなどはホルモンに依存して増殖することが知られています。体内のホルモンを調節することにより、がん細胞の増殖を抑える治療法です。

○抗がん剤は、その成分の由来や、どういう作用でがん細胞の増殖を抑えるかなどにより、いくつかのグループに分類されます。どの薬を選ぶかは、がんの種類(部位や細胞)や程度、また患者さんの状態によって異なります。より効果的に作用させるために、作用が違ういくつかの薬を組み合わせて使うことがよくあります。


☆抗がん剤には、飲み薬、注射剤、坐薬や軟膏があります。

飲み薬には錠剤・カプセル剤・顆粒剤・シロップ剤などがあります。

インフューザーポンプ

注射剤としては血管注射や皮下注射などがあります。血管注射には手や腕の血管から直接投与する方法の他に、がんの部位や状態によっては鎖骨のそばにある静脈や股にある動脈、肝臓にある動脈などに「カテーテル」という管をいれ、そこから薬を投与したり、胸腔内、腹腔内、膀胱内などに注入することもあります。治療によっては携帯用のポンプ(インフューザーポンプ)を使って持続的に注入することもあります。また飲み薬と併用することもあります。どのくらいの間隔で、どのくらいの期間、治療を続けるかは、がんの種類や治療の目的、薬の種類、副作用の出方によって異なってきます。
 副作用が強く現れたときは、抗がん剤の量を減らしたり、休薬したり中止することもあります。



大切なこと

☆他の薬との併用

 化学療法による治療の最中に他の薬を使うと、薬によっては抗がん剤の効果に影響を及ぼしたり、副作用が現れたりすることがあります。
 現在使っている薬がある、最近新たに別の薬を使い始めた、民間療法や健康食品を利用されている時は化学療法を始める前に必ず医師・薬剤師・看護師に伝え相談していただくことをお願いします。


☆副作用を知ること

インフューザーポンプ治療日誌の記入例

○抗がん剤は正常な細胞のなかでも特に細胞分裂が盛んな骨髄細胞や消化管細胞(口、胃、腸の粘膜)毛母細胞に影響しますが、抗がん剤の種類によって副作用は異なります。

○あらかじめ予想される副作用と発現時期を理解して準備することで予防できるものもあります。また早く適切に対処することで症状が重くなるのを防ぐことができます。

○副作用予防では患者さん自身が生活上注意したり、工夫したり(食事など)することで十分に効果を上げられるものも多くあります。また、近年薬の開発により自宅での普段の生活が可能にもなってきています。

○副作用をより最小限に抑えるために、日常での変化を記録しておくことが大切になります。


当院では…

抗がん剤について各種パンフレットも用意しております。

 安曇野赤十字病院では化学療法をチームで行っています。
 メンバーは医師・看護師・薬剤師・検査技師・医事課職員等で定期的に話し合いをもち治療に取り組んでいます。
 また、抗がん剤は高価なため、高額医療についても担当スタッフが対応しておりますので、お気軽にご相談ください。