ヒブワクチンと小児肺炎球菌ワクチンについて

◎特集  ヒブワクチンと小児肺炎球菌ワクチンについて  小児科 瀧澤 正浩

はじめに

 今年3月にヒブワクチン、小児肺炎球菌ワクチン同時接種後の死亡例を受け、ワクチン接種の一時的な見合わせがありました。しかし、厚生労働省の会合においてワクチン接種と死亡との間に因果関係は認められず、同時接種も安全性に問題はないという結論がでました。これを受け、ヒブワクチンおよび小児肺炎球菌ワクチンの接種が4月1日から再開されました。

 

細菌性髄膜炎について

 ヒブと肺炎球菌は子どもの細菌性髄膜炎、敗血症、肺炎などの重症感染症の主な起炎菌です。特に細菌性髄膜炎はとても怖い病気です。症状は高熱、頭痛、嘔吐、不機嫌、けいれんなどですが、病初期はかぜなどの症状とよく似ており早期診断が難しいです。日本ではヒブと肺炎球菌による細菌性髄膜炎に毎年約千人の子どもがかかると推定されています。残念なことに、およそ5%が死亡し25%に脳性まひなどの後遺症が残ります。また、細菌の薬剤耐性が進み抗生物質が効きにくくなっています。

 

予防できます

 ヒブと肺炎球菌による重症感染症はワクチン接種によって予防することができます。定期接種に組み込まれている欧米ではヒブおよび肺炎球菌による細菌性髄膜炎が激減しています。

 

副反応について

 世界保健機関(WHO)はすべての地域に向けて、ヒブワクチンよび小児肺炎球菌ワクチンの接種を勧告しており、現在世界100カ国以上で接種されています。
 副反応は注射部位の発赤・腫脹、発熱、不機嫌、下痢などで全般的に軽微かつ一過性のものがほとんどです。

 

同時接種について

 米国ではヒブワクチンは20年ほど、小児肺炎球菌ワクチンは10年ほど前から定期接種されていて、しかも同時接種されています。
 同時接種は来院回数を減らすことで、保護者の負担を減らし、接種率を高めるので世界的にはごく当たり前です。また単独接種と比べて、必要なワクチンの抗体価を早期に高めることができます。今年1月、日本小児科学会は同時接種を推奨する見解を発表しています。

 

最後に

 ヒブワクチンと小児肺炎球菌ワクチンの接種が再開されましたが、接種する子どもが以前より少ないようで気がかりです。接種を強制するつもりありませんが、ワクチン接種のメリットとデメリットをよく考えて冷静なご判断をお願いいたします。