診察室の窓から6

冬来たりなば   副院長 神経内科 中野 武

安曇野の冬の朝には凛とした気配があります。「凛とした」という表現は、厳しい冬の寒さを表現した言葉です。冬の朝の張り詰めた気配をさします。雪の野原の一本の冬木立ちの姿、冬枯れた野山の光景なども思い起こされます。

テレビでも紹介されましたが、安曇野市のいくつかの公園でイルミネーションの飾り付けがされています。電飾と言ったほうが判り易いかもしれません。イルミネーションには赤や橙色などの暖色系も多いのですが、最近は白や青い色調が増えたように思います。雪や氷のイメージでしょうか。個人のお宅の窓辺を飾るイルミネーションにも工夫した素晴らしい作品があります。

この季節は冬ざれた鉛色の空の日より晴れた日が多いように思います。安曇野では朝霧が立ちます。星の見える冷え切った夜明けの地面や川面と空気との温度差が大きくなるのが原因だそうです。どっぷりと沈殿した冷たい空気が霧となって安曇野を覆い尽くします。

新しい病院の室温はほぼ一定に保たれています。診察室の窓から往来が望めます。その様子で昼間の気温をうかがい知ることが出来ます。襟をたて道行く人々の息が白く見える時に冬の寒さを体感します。

「斧入れて
   香におどろくや
        冬木立」 (与謝蕪村)

安曇野の春はすぐそこです。